【中学受験】苦手科目克服のための対策・苦手科目を作らない授業の受け方

【中学受験】苦手科目克服のための対策・苦手科目を作らない授業の受け方

中学受験に限らず、絶対に信じちゃいけない精神論。精神論では苦手科目は克服できません。

とはいえスポーツだけでなく、勉強の世界でも精神論がはびこっております。中学受験の世界も例外ではございません。

 

例えばね、ふと部屋で勉強している子供を見ると・・・、なんとハチマキを巻いてブツブツ唱えていた!

「合格するぞ、合格するぞ・・・」

これは怪談の類であり、ビンタを食らわしてでも現実世界に戻ってきてもらわないといけません。

 

こんな極端な話でなくとも、中学受験の世界では精神論の類がバッコンバッコン跋扈しております。

「苦手科目の克服は夏まで」

「今までの自分を乗り越える〜夏〜」

「夏は受験の天王山」

みたいなね。なんで夏にこだわるのか分かりませんが、受験の世界では「夏〜Natsu〜」が殺し文句になっております。きっと儲かるからでしょう。受験産業の夏へのこだわりはTUBEにも負けません。

 

さて、苦手科目の克服と対策ですが、別に夏にこだわらなくても良いでしょう。秋からでもいいです。何なら冬からでも。

ただ精神論はもとより、むやみに勉強しても苦手科目は克服できません。というわけで苦手科目についてやっていきます。

苦手科目ができる理由

女子は算数が苦手で男子は国語が苦手、みたいなことを言う人がいたらすかさず逃げてください。とんだ迷信です。女子でも算数得意な子、いっぱいいますからね。

苦手科目と性別は関係ありません。

仮に近未来において脳科学的に証明されたとしても無視した方がいいでしょう。絶望的な気持ちになるだけですから。

 

苦手科目ができてしまう理由はその科目の解き方が分からないからです。

当たり前のことを言ってますね。でも重要な理解です。

さらに分解していきましょう。

 

科目ごとに解き方はあります。科目ごとの解く能力と言い換えましょう。国語、算数、理科、社会、それぞれ解くために身につけておかなきゃいけない能力があります。

苦手科目ができる理由は非常にシンプルで、身につけておかなきゃいけない能力が身についていないからです。

 

ということは、苦手科目を克服するには科目における何の能力が欠落しているのか特定しなくてはなりません。

算数の中でも図形が苦手というのであれば解決策はシンプルです。まず、図形を解くための基礎になる解法パターンを暗記して、解法パターンを複数組み合わせて解く問題のパターンを暗記し、応用問題を解く訓練をすれば良いわけです。

これは科目におけるある特定単元が苦手というパターン。上記のように解決策はシンプル。

試験問題というのは解くための方法がありまして、その方法を覚えちゃうとたちどころに成績がアップするものです。ある特定単元のみが苦手であれば、その単元の解く方法を暗記していないだけ。だから暗記しちゃいましょう、というシンプルな話です。

 

ところが、算数のテストが毎回ボロボロなのであれば根本的な何かが欠落していることを疑わなくてはなりません。

闇雲に算数の勉強をするだけでは解決しません。

根本的な何かを探し当てることが最大のミッションになります。

 

ミッション?

 

ミッションです。そう、親御様のですよ。

苦手科目は本人だけでは克服できない

小学生が自力で苦手科目を克服できると考えてはいけません。絶対に他人の助けが要ります。大人だって、自分を客観視して苦手を克服するのは難しいでしょ?いわんや小学生をや。

塾では解決してくれません。集団授業で一人の生徒の苦手科目にフォーカスして授業なんてしてくれませんし、授業が終わってから聞きに行っても先生に嫌な顔をされます。

 

だって早く帰りたいもん!

 

授業終わってからも事務仕事がありますし、授業以外の時間は営業活動や資料の作成やらで忙しかったりしますもの。

 

となると家庭教師の出番ですが、いい家庭教師なんて普通の親御様は知りません。しかも高い。いい家庭教師を雇うんだったら月6万以上は覚悟しなくてはなりません。

塾に通わせるだけでもヒイヒイ言ってるのに家庭教師を頼むとなったらプロミスに行くしかありません。返済もプロミスしなくてはなりませんよ。

 

てなわけで金とコネがないなら親御様がお子さんの助けになった方が良い。

苦手科目克服のための対策

算数

算数という科目の能力には計算能力と基礎的解法パターンの上に基礎的解法パターンの組み合わせパターンと応用問題の読解力があります。

寿限無寿限無、みたいな感じの文章になりましたので図解します。

中学受験の算数を解く能力

いわゆる基礎問題は上の図の「基礎的解法」の習得のみで解ける問題です。

標準問題は「基礎的解法の組み合わせ」を覚えていれば解ける問題です。

応用問題はさらに「応用問題の読解力」が必要になります。

 

さて、これらのうちどこができなくて算数が苦手となっているのか。克服のためには特定する必要があります。

 

ところで私は苦手科目の定義を、偏差値55未満の科目としております。偏差値55は標準問題をそこそこ解けて、基礎問題はほぼ完璧に解けて、計算は正確にできるレベルです。

したがいまして、苦手科目の克服には「応用問題の読解力」は必要ありません。

 

すると苦手科目の克服は、計算、基礎的解法、基礎的解法の組み合わせを覚えてちょっと練習すればできるということになります。

塾のテキストの例題とか基礎問題、標準問題を解くパターンを覚えれば克服できちゃいます。

 

ただ、注意しておきたいのは「計算ができない」みたいな超基本的な段階からやり直さなくちゃならない場合もある点です。そういう場合は基礎知識や基礎知識の組み合わせパターンを覚えたところで成績は上がりません。

とにかく原因を特定する、苦手科目の克服とその対策には欠かせません。

国語

国語というのは摩訶不思議な科目で、塾では体系的に解き方を教えてくれません。

国語が苦手科目なのであれば、そもそもの読み方と解き方を知らない可能性が高いです。

だって、読み方と解き方を知っていれば国語は誰でも解けますから。

 

読み方

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解き方

【中学受験】国語で8割正答する解き方 3つのフレームワークと9つのバリエーション

 

とくに難しい物語文の読み方

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以上。

技術も知らないのに解けるわけありません。なので、技術を知りましょう、という単純なお話でございました。

理科と社会

はじめに申し上げておきますが、理科と社会はお金をもらって教えたことがありません。ですので、あくまで私が中学受験の理科と社会を大人になってから勉強して、入試問題をほぼ完璧に解けるようになった経験からしか語れません。

 

理科も社会も暗記科目です。克服のためには正確に暗記する必要があります。

 

暗記とは①覚えて②呼び出す、という2つの所作の訓練です。

 

【中学受験】暗記は最強の学習方法 暗記とは何か・暗記の仕方について(後編)

で、理科は概念の暗記が主となり、社会は単純な暗記と概念の暗記が半々くらいです。

 

この2科目が苦手なお子さんは頭から知識を呼び出せない。なぜなら、ある知識が別の知識との関連性や物語と紐づいて頭に入ってないからです。人は知識を関連性や物語をもって頭から呼び出します。

 

というわけで、暗記のためには知識を覚えようとする努力だけでなく、関連性や物語を知ることが重要になります。

そのうち社会もやりますが、理科ではこんな風に関連性や物語を把握します。

【中学受験】楽しい理科第4回 一問一答と解説 生物編①植物「根・くき・葉」

この2科目が苦手なら単純暗記をしてください。1192年鎌倉幕府みたいにね。ただ、それだけだと呼び出しにくいです。そこで、関連性や物語を自分の頭に作ることが必要となります。

 

解決法は興味を持って調べたり、考えたりするしかありません。独学ならね。

勉強の仕方・授業の受け方

苦手科目があることを前提にして話を進めてきましたが、そもそも苦手科目なんて最初から作らない方がいいですよ。

それができたら苦労してないって?苦手科目を作らない方法があるんです。

 

予習です。

 

目的がないと授業の効果は半減します。逆に目的があれば授業の効果は抜群です。

一回一回の授業で「今日は〜を学習する」と心に決めておいて、学習したいことを胸に教室に入る。休憩時間の弁当や斜め前の女の子が髪をかきあげる仕草を見に行くために塾は存在するのではありません。

 

目的を持って授業を受けるためには予習が欠かせません。予習とは知らないことを知るためにあります。

 

そして知らないことや分からないことを解決するために塾に行く、

目的が具体的であれば具体的であるほど良いです。

 

「旅人算を勉強しに行こうっと」

というよりは、

「旅人算をダイヤグラムに変換して相似の図形を作り、相似比から解を求める方法が独学ではピンと来なかったから塾で解決しよう」

という方が具体的で良いですね。

 

塾の授業をなんとなく受けているとなんとなく時間が過ぎていきます。ただ、目的を持っていれば知識やノウハウを知る非常に有意義な時間となります。

 

「うちの子は予習しなくって・・・」

 

じゃあ予習の目的を親御様が噛み砕いてお子さんに説明しましょう。最初は付き添ってあげましょう。予習の旨味を覚えれば、勝手に予習し始めます。すなわち目的を持って授業を受けにいきます。

 

これが苦手科目を作らない授業の受け方です。そもそも苦手科目があるということは授業の受け方や、その前提である勉強の仕方を知らない可能性が高いです。

 

後から苦手を克服するよりも最初から苦手がない状態を作っておいた方がいい、超シンプルな話ですができていない人は多い。だから差をつけられます。授業の受け方だけで。

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