【中学受験】国語論説文の読み方・読解 著者の主張を構造で読み解く

【中学受験】国語論説文の読み方・読解 著者の主張を構造で読み解く

国語は答えが問題文に書いてあり、解法や公式を覚えなくとも何となく解けてしまう科目です。多くの受験生は何となく国語を解いていることと思います。

ですが、何となくで解けることもあるし、解けないこともある。そして勉強してもなかなか点数が上がらない、そもそもどうやって勉強したら良いのか分からない。そんな悩みに陥っていませんか?

 

私は国語が大得意でした。かといって特別な能力があるわけではありません。ただ読む技術と解く技術を知っていたというだけです。

 

別に特別な能力も半端ない読書量も必要ありません。

国語にはちゃんとした読み方と解き方があるのでそれを覚えていけばいい話です。

 

読み方と解き方さえ身に着けてしまえば満点にいかずとも安定して8割、9割は解けるようになります。

今日は国語の読み方・読解の方法について解説していこうと思います。

論説文とは何か

そもそも論説文(説明文)とは何かから話していきたいと思います。

論説文では著者の主張が必ずあります。著者としては主張をなるべく分かりやすく、間違えのない方法で伝えたい。するとどうなるか。

 

文章全体で「主張」と「説明」が繰り返されることになります。

いきなり「主張」しても根拠やら主張に至った過程が見えないので読んでる人は納得してくれません。したがって、あの手この手で「主張」を正当化しようとして説明します。

 

正当化の手法には色々使われますが、最もポピュラーなのが二項対立。

著者の「主張」とは反対意見をわざわざ登場させて、こいつを否定しまくる。そして著者の「主張」が正しい、と証明していきます。二項対立は論説文(説明文)を書く人のテクニックです。しかも沢山使われるテクニックです。是非覚えておきましょう。

 

いいですか。まとめますよ。

論説文にはおおよそ3つの要素があります。

①著者の「主張」

②「主張」を補強する説明(実例なども含む)

③著者の「主張」に対する「反対意見」

 

これが論説文(説明文)です。

 

論説文の問題では、著者の主張を正確に捉えているかどうかが問われます。だから、どこが著者の「主張」で、どこが著者の「主張」に対する「反対意見」なのか。そして、どこが「説明」箇所なのかを把握しておけば良いわけです。

論説文(説明文)を読むには4つの手順を経る

国語の論説文(説明文)を読むためには4つの決まった手順があります。

 

4つの手順はこんな感じです。

①接続詞に二重線を引く

②接続詞の前後に一本線を引く

③著者の「主張」を特定する

④「主張」「説明」「反対意見」に一本線を引く → 構造が把握できる

 

こうすると、「主張」と構造が明らかになります。論説文(説明文)を読む上では非常に有効な方法です。

1.接続詞に二重線を引く

接続詞を把握しながら問題文を読むことは重要なことです。とくに論説文(説明文)においては接続詞に二重線を引っ張っていくと、おおよそ著者の「主張」が把握できるように書かれています。

 

接続詞には性質があります。

しかし、でも、が

前の文章や段落で述べられていたことを打ち消し、著者の「主張」や「主張」を裏付ける説明がこの接続詞の直後に書かれています。

 

例:もちろん貿易戦争は相手国に対して不利益であり、自国にとっても不利益があるものである。が、ある一定の範囲内では保護貿易によるメリットは少なからず自国に対して存在するものである。

 

上の例では、貿易戦争をまずは否定していますが、「しかし」以降で保護貿易のメリットはあると言及しています。この場合、「しかし」以降の「ある一定の範囲内では保護貿易にはメリットがある」というのが著者の「主張」になります。

 

ここで出てきた「もちろん~しかし~」という構文は、「しかし」以降に著者の真の意見があると覚えておいてください。この構文、マジで頻出です。

 

「もちろん」が出てきたら「しかし」が後で出てくると考えておいてほぼ間違いありません。もちろん著者の「主張」に当たるのは「しかし」以降の文章です。

だから、したがって

だから、したがっての前の文章は理由で、あとにくる文章は結論となります。つまり、前の文章を理由として、後に結論を述べるための接続詞です。ですから、「だから」のあとにくる文章は「主張」か「反対意見」になります。「説明」はこないものと考えておいてもいいでしょう。

「主張」か「反対意見」かの見分け方ですが、否定的なトーンで書かれていたら「反対意見」。肯定的なトーンで書かれてたら「主張」です。

 

例:江戸時代は鎖国のため貿易戦争は起こり得なかった。貿易戦争が起こらなかった反面、新しい技術や製品を手にする機会も失われ世界の潮流から大きく遅れを取ってしまった。約300年の間に後進国へとなり下がっていたのである。したがって、過剰な保護貿易はメリット以上の破滅的なデメリットを生ずる危険性があると言えるだろう。

 

「したがって」より前が「保護貿易はメリット以上の破滅的なデメリットを生ずる危険性がある」という著者の「主張」を補強する説明(理由)になっていますね。

で、この場合、前段の説明(理由)よりも大事なのは著者の「主張」です。

 

これが「だから」でも同じ構造になります。

なぜならば、というのも

この接続詞の直前の文章は大体結論や筆者の意見がくることが多いです。結論や筆者の意見に対する理由が「なぜならば」「というのも」の後にきます。

 

例:難しい状況においても生きていくことは大切である。なぜならば、生きることは次世代を紡ぐことであり、そうして人間は連綿とその歴史を紡いできたのだ。その連鎖を途絶えさせることは犯罪であるというに等しい。

「なぜならば」以降よりも「なぜならば」の直前に着目してください。ここが著者の「主張」です。

ちゃんと把握しておきましょう。

つまり、すなわち

前の文章を受けて、それを要約したりまとめたりするときに使われる接続詞です。

著者の主張だけではなく、著者とは反対の意見も「つまり」「すなわち」でまとめられますので、何をまとめているのかに注意して読んでください。

 

ただ、実例や説明をまとめてくれておりますので、問題文を読む上では大きな手がかりとなる接続詞であることは間違いございません。

そして

順接の接続詞と呼ばれるもので、「そして」の前の文章を受けて更に筆者の論理や登場人物の行動を進めるときに使う接続詞です。

 

例:夜行性の虫は光に向かっていく性質がある。彼らにとっては破滅を意味する火に向かっていくことさえも厭わないのである。そして、虫は火に飛び込み灰になるのだ。

 

この接続詞が出てきたら筆者の論理や登場人物の行動を前におし進める働きがあると理解しておきましょう。ただ、この接続詞はさほど重要ではありません。

二重線を引かなくてもいいくらいです。

ただし

この接続詞は前の文章の一部を否定したり、留保したり、特定条件のもとで前の文章の論旨が成立するときに使用します。前の文章で結論めいたことを述べていたとして、「ただし」という接続詞があったら結論に留保条件があるものと理解します。

 

例:先に述べたように保護貿易にはメリットがある。ただし、それは過剰な保護貿易ではないという条件のもとでだ。

保護貿易にはメリットがある、と言いつつもそのメリットがあるのは「過剰ではない」という条件のときだけということですね。

 

こうやって接続詞の性質を理解して、それを意識しながら文章を読むと著者の「主張」「説明」「反対意見」がおぼろげに見えてきます。

2.接続詞の前後に一本線を引く

接続詞に二重線を引いたら次にやることは文章を読むのではなく、接続詞の前後どちらかに一本線を引きます。

しかし、でも、が

これらの接続詞の後ろの文章に線を引きます。

だから、したがって

これらの接続詞の後ろの文章に線を引きます。

なぜならば、というのも

これらの接続詞の前後の文章に線を引きます。前は著者の「主張」「反対意見」で、後ろは「説明」(理由)です。重要度からすると著者の意見の方が大事なのですが、理由を問う問題もあります。ですから前後に引きます。

そして

とくに線を引く必要はありません。

ただし

この接続詞の後ろの文章に線を引きます。

 

とくに論説文や随筆においては接続詞が使われる箇所というのは筆者が強調したい箇所に使われ、接続詞を使って伝えたいことをより明確に伝える目的で接続詞を使う傾向があります。この周辺に解答のヒントがあると考えておいて間違いありません。

3.著者の「主張」を特定する

さて、まだ文章は読みませんよ。ここまでは斜め読みです。

じっくり読むのは「主張」を特定してからです。

 

「主張」の特定は難しくありません。文章中に引っ張った一本線のうち、「しかし」の直後に引いた一本線、ここが著者の「主張」の可能性大です。

とくに「もちろん〜しかし〜」の構文を使っている場合、「しかし」の後ろは9割がた著者の「主張」です。

 

簡単でしょ?

 

「しかし」直後の文章と趣旨が同じ文章が著者の「主張」です。

はい、特定できましたね。では次。

4.「主張」「説明」「反対意見」に一本線を引く

「主張」「説明」「反対意見」に線を引っ張ることで、構造を明らかにします

初めのうちは一本線を引くのは「主張」部分だけでも構いません。慣れてきたら「主張」とは違う趣旨の文章に一本線を引いてください。そこが「反対意見」です。

もっと慣れてきたら「説明」に線を引っ張ってください。ま、別に「説明」に線を引かなくも論説文(説明文)は読めますけど。

 

ちなみにコツとしては、一本線の色を変えてみてください。試験ではやらなくていいです。日々の学習の中での話です。

 

例えば赤は「主張」、青は「反対意見」、緑は「説明」とか自分なりのルールを決めておくんです。

 

線を引っ張っていくとあら不思議、構造が色分けされて浮かび上がってまいります。

 

その様子はこちらで写真解説してます。動画じゃないのは私が機械音痴だからです。

【中学受験】国語長文読解を写真で解説 論説文の読み方のコツや読解方法を紹介

入試問題における国語とは

これが論説文(説明文)の読み方です。何はともあれ論説文というのは著者の「主張」を把握するのが最も大事です。自分の意見は絶対に入れずに読むようにしてくださいね。

中学入試のみならず大学入試においても同じです。

 

こと入試ということに限って言えば共感などどうでもよく、また良心に従った判断もどうでもよく、正確に「主張」の把握をすることでしか正答できません。

 

求められているのは読む人の意見じゃないんです。書いている人の「主張」を正しく把握できているかどうかです。

それが入試問題の論説文(説明文)を読解する基本的なスタンスとなります。

 

今回は読み方がメインでしたが次は解き方。

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