【中学受験】中学受験算数とは 学習内容、勉強方法について
中学受験において算数は最重要科目であります。
なぜって、入試において他科目よりも配点が高かったり、差が付きやすい科目だからです。
したがいまして、中学受験勉強は算数、算数、算数、また算数なのであります。
で、いっぱい時間をかけている割には大して算数の成績が伸びないなんてお悩みが多々ございます。
そんなお悩みにとらわれて夜も眠れない日々が続き、塾の先生に相談するとこんなことを言われたりします。
「算数は時間がかかる科目です」
「今の勉強が成績にあらわれるのは半年後です」
とか。
こんな言葉を聞いて安心するやら、逆に不安になるやらですが、
「うーん、いったんここはステイで!」
と、保留を決め込みます。しばしの心の余裕。
ただ、そんな心の余裕も模試の成績を見た途端に雲散霧消いたします。
「確証もないのに半年なんか待ってられるか!」
青筋を立てつつふたたび塾に個別相談しにいきますと、
「先生のご指導を頂いてからもなかなか伸びなくて〜」
「算数は時間がかかります。もう少しご辛抱ください」
ってやりとりが発生します。
おそらく地球上で過去30億回くらい発生した現象です。
んで、親御様は不安になって、必要のない問題集買ってくるわ、得体のしれない家庭教師に頼もうとするわ、はては幼児教育の段階から間違っていたなんて慙愧の念にとらわれたりします。
こういった不安は尽きないものです。
とくに何を勉強すればいいのか、どうやって勉強すればいいのか分からないと、あれこれ手を出した挙げ句うまくいかないって話になってしまいます。
でも大丈夫っすよ。
再現性の高い勉強方法はありますから。
分からないから不安になっているだけです。
そんな中学受験算数ワールドに何かをぶちこむべく、下のような内容を書いていきます。
中学受験の算数って何なの?
なんで時間がかかるの?
なんで合否を分けるの?
どうやって勉強していけばいいの?
問題集は買う必要あるの?
入塾前の人も何となく不安を感じられているかもしれませんので、入塾前の準備についてもお話しいたします。
中学受験の算数とは
難しいと評判の中学受験算数。
小学校の勉強とかけ離れすぎてて、もはや曲芸の域に達している問題もあります。
「んなもん、おかしいじゃねえか!すっとこどっこい!」
おやおや、血気盛んな江戸っ子が西日暮里の駅前で怒ってますね。
怒ったり、とまどったりする気持ちも分かりますが、中学受験の問題は小学校の学習指導要領の範囲内です。
ですから、方程式も二次方程式も出てきません。
小学校の学習指導要領の範囲内なのに難しい理由は、いくつかの解法や考え方が複合的に組み合わさっていて高い論理的思考が求められる問題だからです。
たとえば旅人算。
駅から図書館までの距離は1000mあります。Aくんは駅を、Bくんは図書館を同時に出発しました。
Aくんの歩く速さを分速50m、Bくんの走る速さを分速150mとすると二人が出会うのは何分後ですか?
速さと距離がわかっていれば距離÷速さで時間が求められます。
ところが、旅人算の場合は二人以上の人物が近づいたり遠ざかったり、ぐるぐる回ったりします。
上の問題であれば、AくんとBくんの速さを合計して、距離÷(Aくんの速さ+Bくんの速さ)で時間を求めます。
速さの基本をそのまま当てはめようとしても解けません。
ちゃんと条件を整理してから、基本を当てはめる必要があるんですね。
つまり、基本的には学習指導要領の範囲ですが、基本そのままではないんです。
これが中学受験の算数を難しくしている理由です。
入試レベルの旅人算になりますとこのような問題が出てきます。
地点Pと地点Qの間を、A君はPを、B君はQを同時に出発してそれぞれ一定の速さで1往復します。 2人が初めてすれ違ったのは、Qから675m離れた地点でした。次にすれ違ったのは、Pから225m 離れた地点で、出発してから45分後でした。
(1) 2人が初めてすれ違ったのは、出発してから何分後ですか。
(2) PQ間の距離は何mですか。
引用)2021年 海城中学校 第1回入試算数 大問4より
難関校を目指すならこの問題を(1)、(2)あわせて3分以内で解けるくらいに仕上げる必要があります。
解き方はこう↓
(1)は3本の線を描きます。45÷3で答えは15分。
(2)は(1)よりBくんの速さが出ます。3本の線に色々書き込んでいって答えは1800m。
と、雑に解き方を説明しました。
要するに何が言いたいかというと、この問題は3本の線を描ければ解けるってことです。
ただし、3本の線を描くには問題文の条件を整理して、論理的に考える必要があります。
難しい理由はここにあるんですよ。
問題文の条件整理と論理的な組み立て。これが小学校で習う算数と大きく違う点でございます。
問題文を整理して、線とか図とかグラフで分かりやすくして、式を書き、基本的な解法を使って解くのが中学受験の算数です。
「条件整理→式→基本的な解法を使う」
単純に解法だけ使えばいいんじゃなくて、それらを複合的に使う必要があるから難しく見えるんです。
条件整理や式については以前書いたこともありますから紹介しときます。
まずは中学受験算数という敵を裸にしてみました。
もしかしたら半裸かもしれませんがいいでしょう。
では、次はなぜ合否を分けるのか、学習に時間がかかるのかお話ししていきます。
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