【中学受験】小学校4、5年生のテストと6年生の模試の違い

【中学受験】小学校4、5年生のテストと6年生の模試の違い

合不合判定テストとか、首都圏模試、日能研の全国公開模試、学校別サピックスオープンとか、6年生になると月例テストが急に「模試」形式になります。

厳密に言いますと小4、5でも「模試」形式のテストはありますが、本番を見据えた模試は6年生になるとジャンジャカ土日を食いつぶしてまいります。

 

月例テストと模試の違いは皆様ご存知の通り範囲の広さです。

月例テストでは範囲は1ヶ月です。正確に言いますとその前の単元も出題されますが、全体の割合からすると低いです。組分けテストですと2〜3割程度ですね。

 

小4、5では1ヶ月の内容を詰め込んでいれば高偏差値がとれていたところが、6年生になるとそうもいきません。

定着力と応用が求められます。

 

まだまだ1年、2年先とあなどっておりましてもあっという間にやってきます。

そこで6年生の模試や授業がどんなふうに展開するのか書いていきます。

6年生の模試と授業の概要

国語

模試において国語は漢字、言葉などの暗記事項をのぞけば文章を読む練習の積み重ねがものを言います。

問題の解き方はテクニカルでありまして、読解力よりは短期的に身に付けられます。

読解力はというとなかなかそうもいかないところがございます。

6年生になってから「日本語がアラビア語のようだ・・!」とうろたえている子には「ドバイもいいところだぞ!」と国際的なアドバイスをされるといいかもしれません。

 

塾にもよりますが6年生になって懇切丁寧に読み方の説明はしてくれません

予習シリーズでもさらっとポイントが書いてあるだけで演習や解き方が中心の授業になります。

「傍線部の指示語は前段落の内容を指しているから、それを文章中の言葉を使って要約して云々・・・」

みたいな。

 

模試では大人が読むような文章が平気で出題されます。

ある程度の難易度、長さの文章を読めるのが前提になってるんですね。

6年生になって急に出現した中学受験ジェットコースターにのってしまうと、読む練習を落ち着いてやる雰囲気は消し飛びます。基本的な読解をすっとばしてテクニカルな方向に目が向きがちです。

すると文章がよく読めてないまま解答を導くテクニックを追い求めてしまうケースが多々ございます。

 

テクニックを駆使しますと6年生の模試では偏差値55くらいまではいけます。

しかしながら基本的な読解力がないのでフワフワした状態のまま受験突入となります。

これぞいわゆる「ゆる受験」。ゆるいのは受験生の頭ですがね。

 

読む練習を落ち着いてやるなら5年生くらいまでの方が精神衛生的によろしいのではないかと。

理科・社会

理科、社会はとくに暗記事項の定着が大事です。言うまでもありません。ま、だいたい抜けまくっているんですけどね。

もちろん6年生の予習シリーズでも復習はやりますよ。ただ、1回毎に小刻みでポイントのチェックをするくらいです。

授業では知識事項が身についているのを前提にした練習問題や応用問題を解くのがメインです。

模試でも同じく知識事項+知識の活用が問われます。

 

4年生、5年生ですとストレートに知識が問われる問題が大半だったのに急に知識の活用が中心になります。

そこへもってきて穴あきだらけの知識ですとどうしたって太刀打ちできません。

 

そこで、みなさん6年生になりますと知識事項の詰め込みに4科のまとめ(四谷大塚)とかメモリーチェック(日能研)とかコアプラス(サピックス)を何周もするようになります

急に慌てふためいて、まとめ、まとめ、まとめなのであります。4、5年生では一体何をやっていたんでしょうかね?

↓4科のまとめ(四谷大塚)

↓メモリーチェック(日能研)

↓コアプラス(サピックス)

これらの参考書は、6年生になって理社の知識が抜けまくっている子が詰め込みのためにやるやつです。

私が好きなのはメモリーチェック(日能研)ですが、好みもありますからぜひ書店で目を通してみるといいです。

6年生の親御さんは当然これらの参考書を知っておりますから、

「4科のま・・・」

まで口にしたところで、

「うちの子は5周目までいきましたよ!」

と聞いてもいない周回自慢をしてくれることでしょう。

算数

算数が一番やっかいです。

なんとか算、なんとか算と4年生、5年生でたくさんならってきた算数の解法を覚えていて、問題に当てはめる必要がありますからね。

そもそも覚えているかどうかも怪しいです。

加えて、当てはめるってのが難しい。

模試では「これはつるかめ算ですよ」なんて書いてないわけです。そんな親切な模試は見た試しがございません。

そこで、まずどんな方法で解く問題なのか特定しなくちゃいけません。そしてほぼ全範囲の中から出題されます。

当てはめなんか無理っしょ。

 

と、まあこれはよくある算数の悩み。

 

そこでちょっと考え方を変えましょう。

当てはめ方がわからなくなるのは解法を覚えて当てはめようするからです。

 

解法暗記→当てはめ→解く

 

こういった方法が身についていると「当てはめ」とかいう発想になります。

もちろん「当てはめ」が悪いわけではありません。素早く多くの問題を解かなくちゃいけない入試には有効でしょう。

この「当てはめ」式学習の先に行き着くのは大量の問題演習です。パターン認識が必要ですからね。

当然時間がなくなります。これが「当てはめ」式学習のデメリットです。

 

「当てはめ」以外の解決法はあるのか、と言いますとこれもございます。

条件整理と論理で解く方法です。

私は小学4年生向けに算数の解法なんぞをあれこれ解説していますが、とくに条件整理のための思考道具、いわゆる「考具」を使って解く方法を中心に解説しております。

今まで出てきたやつですと、線分図、ベン図、2量の変化を表で表す、間の数の性質、等しい長さの辺に注目、円の真ん中にとりあえず点を打つ、とか紹介をしてまいりました。

読んでいただいてお分かりかと思いますが私は条件整理派です。

 

条件整理が万人にとって良い方法かは分かりませんが、少なくとも「当てはめ」だけよりは応用力が効きます。

 

では条件整理を使うとどのように入試レベルの問題を解けるのか説明していきます。

小学4年生でも解ける難関校の問題で説明します。

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