【中学受験】四谷大塚4年生キッズの予習シリーズの進め方と自宅学習の心得・解説
予習が嫌いな理由はなんですか?
親がつきっきりでやらなきゃいけないから?
分からなくてキイキイ言い始めるから?
どうせ、復習もしなきゃいけないのに予習までやってたら日が暮れるから?
いいでしょう。
総合的に考えて面倒臭い、と、みのもんた氏も予習にファイナルアンサーを突きつけている春の昼下がり。はぁ、塾でうまいことやってくれたらいいのにぃ、と思いつつ「ファ◯ク予習」と思う気持ちは分からないでもございません。
四谷大塚への愛が溢れすぎている私は「予習シリーズ!」とまるで「波動拳!」とでも雄叫ぶかのように連呼しておりました。それこそ家庭教師をやっていた時は、他塾の生徒にまで「予習シリーズ!」とかましており、あろうことか予習シリーズを持ち込んで「予習!予習!」とさかっていたものです。
つまり、若かったのであります。
まぁ、若かったのは私だけですね。
予習シリーズは改訂前も改訂後も老練なたたずまいで私たちの学習をサポートしてくれております。少なくとも2〜3世代くらいにわたって営みは続いております。半世紀もの間、君臨し続けるマスターピース。それが予習シリーズだと信じてやみません。
私が予習シリーズを好きなのは四谷大塚への愛だけが理由ではありません。ま、ちょっとは愛もあるんだけどね。
一番の理由は中学受験の学習における成績向上の再現性が高いと考えているからです。
使い方さえ分かれば、そして予習をする習慣さえできていれば誰でも力をつけることができるテキストだと考えております。
ですから、予習が面倒臭いという理由で私のことを嫌いでも予習シリーズを嫌いになって欲しくはないんです!前田敦子さんも言ってますよ。
てなわけで細かく予習シリーズの使い方を実体験を交えてやっていきたいと思います。
予習と復習の違い
予習は面倒臭い、と思うのでしたらまずは魔法の一言か阿呆の一言か定かではございませんが、予習の効能についてのクリティカルヒットをかましておきます。
予習する方が効率的ですよ。理解を完遂するのに復習よりも時間かかりません。
一見すると復習の方が効率的に見えるものです。なぜなら「予習」という一工程を省略できているように見えるからです。ただし、それは授業でやっていること理解しているに違いないという隠れた前提のもと復習でさらに理解が強化されるだろうという希望があるように思えます。
超単純化するとこんな感じ。
①予習スタイル:予習→授業→復習
②復習スタイル:授業→復習
②は①から「予習」という面倒臭いアイツを省けていますね。
一見すると良さそうに思えます。効率的に見えますよね。授業でやったことをちゃんと理解できていればですよ。
ただし、実際は中学受験の勉強を授業だけで理解するのは凡人には難しいです。授業がちゃんと理解できてないのに復習をするのはやたらと時間がかかります。それどころか理解できないまま、先に進んでいく可能性もございます。
あくまで私の実感値でありますが、予習をせずに復習を完遂するにはある種の才能が必要です。
↓こんな感じ。
才能①:授業を聞きながら大事なことと大事でないことを選り分け、大事なことをがっちりキャッチする才能
才能②:がっちりキャッチした内容をノートに自分の言葉で落とし込む才能
才能③:家に帰ってきて授業で習った内容を頭と手で再現し、演習を通して自分のものにする才能
予習なしの復習ってのは結構大変なんです。
ただ、それができちゃう子もおります。上位クラスの子とかね。俗に言う野生の優秀児。この才能、生得的に身につけている場合が多くて、しかも一部の子です。じゃあ、大多数の普通の子はどうすんのって、まぁ野生の優秀児と同じやり方をしてたら指をくわえて見ているしかないのであります。
成績の良くない子やその親御様は遥か彼方のピラミッドでも見るかのように成績の良い子たちを認識しているのかもしれません。
成績の良い子、つまり頭の良いと言われている子は授業を、そして学習を自分のものにする才能、と言いますかスキルを身につけているから成績が良いのであります。
私、スキル、と言いました。そうです、これ、技術です。学習を吸収するための技術。技術であるがゆえに再現可能という側面もございます。つまり、普通の子でも身につけられる、と。上で才能①〜③まであげましたが、これは練習によって体得できます。ただ、小学生にこれを教え込むのは並大抵ではありません。
そこで予習です。
予習のメリット
復習中心の学習は才能、もしくは技術的に身につけにくいスキルが必要だと申し上げました。
では、予習はどうかというと、優秀児がもとから身につけているコンチクショウな理解方法を、予習を通して再現することが可能です。
①予習の効能:予習をすると、理解できたこと、理解できなかったことが分かるようになります。つまり、授業を受けるに際して自分にとって大事なことなのかが分かるようになります。
②予習の効能:予習をすると、理解できなかった概念や問題を先生が説明してくれるので大事なことをノートに書き綴ることができます。
③予習の効能:予習をすると、分からないことを分かりたいという欲求のもと授業を受けられるので授業で習った内容が乾いた雑巾に水が染み込むように頭に入ってきて、頭と手で再現できるようになります。
つまりですね、予習っつーのは本気でやると復習主義のもと超絶な成績をとっている子たちに凡人でも追いつけるような頭の使い方ができるってわけです。
では、なぜやらん、予習。YO!SHU!
小学4年生で身につけるべき予習スタイル
週ごとのテストでヒイコラ言っている方々に言っておきたいのですが、小学4年生の成績なんぞ屁でもありません。テストの成績よりも大事なものがあります。
それは予習の習慣をつけることです。
答えを知るよりも、解法を覚えるよりも、後々役に立つのは自力で予習ができるようになることです。
魚を与えるよりも魚を捕まえる方法を覚える方がより生き延びられるのと同様に、テストで一時的に良い点数を取るよりも予習を自力でできるようになる方が先々のためにはよっぽどいいのであります。
小学4年生のうちに自力で予習ができるようになる力を身につけられる。
予習力。
それは中学受験生活の成否を占う大切な相棒になります。
小学4年生は目先のことよりも、もっと先のことを考えて学習に取り組んでいくと良いと思います。何しろ5年生になったらもっと難しくなりますし、6年生になったらもっと難しい問題が並びまくってます。
授業だけで理解するのは骨が折れます。
だから、早いうちから予習の習慣と、予習の仕方、予習の旨味を身につけておけよ、と少々とうのたった先輩が申し上げる次第でございます。
予習の方法と気をつけておきたいこと
予習の心構えを↓で書いております。
必修例題、基本問題、練習問題、そして欲を言えば基本演習問題集も解いちゃいなヨ、YOU!と思うのですが、ついこの間塾に入った小学4年生にはなかなかハードルが高いのであります。
ハードルが高すぎるとやる気がしぼんでいきます。
それは退廃への偉大なる一歩となってしまいかねません。通ってるだけKIDS!出来上がり!チーン。ってなわけ。
辛ければできるところまででいいんですよ。最初は。
でも算数でしたら最低限、必修例題は解きましょうね。必修例題をちゃんと解けて理解できたら、基本問題はいけます。必修例題で力尽きたら、「よく頑張ったね」でいいんです。最初は。
やってて辛いことは続きません。
何しろ小学4年生は基礎をコツコツ積み上げていくのが大事ですが、何よりも大事なのは予習という最強学習メソッドを自分のものにすることです。てゆーか、それだけで十分です。どうせ、5年生になっても4年生の単元を反復してやりますし。
必修例題ができてまだパワーが余ってるようでしたら、基本問題。それでも物足りなさそうであれば、練習問題。と、徐々に予習の幅を広げていけばいいんです。
予習をすれば授業が楽しくなる。
そういう実感が得られるだけでいいんです。
旨味を感じたら人間、やるようになりますから。
予習でつまづきそうになっている四谷大塚キッズと親御様へ
ここまで申し上げても予習でつまづきそうになっている四谷大塚キッズ、YTNET系キッズ、そして親御様に予習が嫌いになるあるあるネタを披露いたします。急にトーンが軽くなってしまいましたが、どうぞ最後までおつきあいくださいませ。
ケアレスミスをしまくってやる気がなくなる
これ、超あるあるです。
お子さんも、親御様も、「なんでこんなの間違えたんだー!ミキティー!」とちゃぶ台をひっくり返しかねない勢いになること請け合いです。
でもね、習ってもない単元の問題が出てきたらケアレスミスするんです。これ、普通です。
ケアレスミスが起きる理由と克服については↓で書いてます。
初めて取り組む単元では、お子さんの頭は解き方だけでいっぱいいっぱい。コップから水が溢れかえりそうになっております。すると、以下のような問題で間違えたりします。
2 次の問いに答えなさい。
(1)あつ子さんは、1.5mのテープから3/5mを使いました。残りは何cmですか。
引用 予習シリーズ算数4年上 第8回 分数(1) 練習問題 より
この問題を150×(1ー3/5)=60cmと解答したりしてしまいます。
残念。
150cmの3/5じゃなくて、150cmから3/5mを引くんです。つまり、150ー60=90cmが正解。
「よく読まないからでしょ!」なんて怒らないでくださいよ。
頭のなかが解くのでいっぱいいっぱいになってて、問題文の条件を冷静に把握できていないだけです。
演習をたくさん繰り返すと自信ができ、視野が広がりますのでこんなミスはしなくなります。ですから、演習量も足りていない初期状態で「よく読め!」と怒っても意味はありません。
それでも気になるようでしたら、問題文で与えられた条件に線を引っ張ったり、何を答えとして求めるのかに二重線を引いたりして注意深さを身につける訓練でもしておくといいです。
速く解こうとしない
「まだ終わらないの!速くやりなさい!明日授業なのよ!」
と速く解かせるように仕向けるのもまた意味のないことであります。最低でも必修例題は解いておいて欲しいですが、それ以上を無理やり求めても百害あって一利なしでございます。
予習シリーズは必修例題と解説をじっくり読み込んでしっかり理解するのがキモであります。人に説明できるくらいにね。
どうしても基本問題までもたどり着かなければそれでもいいです。基本問題を解くよりも必修例題に時間をかけた方がいいです。サッササッサと解法だけ覚えて解きまくるのは良くありません。
途中の思考過程は必ず書く
とくに算数は必ず式や図を書きましょう。これ書いてないとなんで間違えたのか、なんで合ってたのかあとで検証不可能になりますからね。
暗算?
犬にでもくれてやれ!
式や図を書く行為は頭を整理するのと同義です。
式や図といった地道な行為を続けることで頭を整理することができるんです。
これは習慣になります。問題文を整理する習慣はあとで必ず、絶対に生きてきますから。条件整理は初歩であると同時に最終奥義なのであります。
他塾のテキストもそのうちやるぞ(棒読み)
四谷大塚と早稲田アカデミー、そしてYTNET、四谷大塚NETのみなさま向けに書いてまいりましたが、そのうち日能研の人やSAPIXの人向けにもテキストの使い方は説明していきたいと思います。
日能研の学びワールドとSAPIXの徹底問題演習スタイルになかなかついていけていない人にもいいやり方があります。
しかし、どうして日能研のテキストは字が多いんでしょうか。
そして、「学びのとびら」を読めば読むほど「心のとびら」が閉まっていくような気がするのは何故なんでしょうか。読めば読むほど分からなくなっていくからでありましょうか?
いえ、きっと私の心が汚れているせいなのでありましょう。
ジーザス、汚い私を許しておくれ。
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