中高一貫校での成績不振を立て直す 成績が悪い原因と挽回するための教科・勉強法

中高一貫校での成績不振を立て直す 成績が悪い原因と挽回するための教科・勉強法

頑張って中学受験勉強をくぐり抜け見事に私立中高一貫校に入学したあかつきには、またもや頑張らないといけないのであります。

え?頑張らなくていいと思いました?

周りの環境が自動的に上へ連れていってくれると思ったら大間違い。

脱落しちゃった人も、中庸でいいと自分を納得させちゃった人も、妥協しちゃった人も、いっぱい見てきましたからね。

 

上を目指したいなら最初が肝心。

なにしろ1学期の中間試験、期末試験でとった成績は今後6年間の基準値になりますからね。

最初の成績が悪いと、悪い状態に慣れます。少なくとも私が見てきた限りは。

いったん成績が悪くなると抜け出すのはだいぶ骨が折れます。苦労するなら最初のうちに苦労しとくといいよ、という話を以前書きました。

【中学受験】私立中学・高校で上位10%以内の成績だった人の思考と勉強法

「成績なんて頑張れば上がる(と思われる)んだから後からでもいいじゃん!」

って、そりゃ成績が悪い人の考え方です。

6年間中高一貫校にいて、在学中に下位から上位になった生徒なんてほとんど見たことないです。

 

成績が悪い状態から抜け出すにはある程度の期間、努力が報われない状態を続ける必要があります。

努力が報われるまでは時間が必要ですし、その努力が正しくないと報われもしません。

そんなきつい状態になるくらいだったら最初からやっといた方が楽で合理的です。

 

ちなみに成績と時間の関係をグラフにしてみましたよ。

私個人の成績ジェットコースター搭乗体験に基づいておりますので、全ての人には当てはまらないと思います。悪しからず。

▼下克上パターン

成績と時間の関係ー悪い状態から良い状態へ

ついでに途中で勉強しなくなって成績が悪くなる状態もグラフにしました。

▼都落ちパターン

成績と時間の関係ー良い状態から悪い状態へ

では、上で描いたグラフをもとにそれぞれの期間で何が起きていて、何を考えているのかを本日はお話ししていきたいと思います。

 

なになに、今は中学受験勉強でそれどころじゃないですって?

まあ、この先に待っている現実を知っておくことは無駄にはならないはずです。

成績の悪い状態から良い状態への移行

個人的な経験から言わせていただくと、成績が悪い状態から挽回するのは大変きついのであります。

学年下位はまるで特異点。

ブラックホール。

事象の地平面から抜け出すのは容易ではございません。

 

ではもう一度グラフを見ていただきます。相変わらずキレイな直線が書けずヘナヘナです。しっかりしろよ、パソコン。

成績と時間の関係ー悪い状態から良い状態へ

もちろん努力をしていることが前提です。努力してなきゃ時間がいくら経っても成績は上がりません。

努力が報われない期間

皆様もご経験がおありかと思いますが、努力と成績は比例の関係ではありません。

努力しても報われない期間があります。

報われない期間はどれくらいの間、成績が悪かったかで決まってきます。

長い間、勉強してこなかった場合は報われない期間が長く、勉強しなかった期間が短ければ報われない期間は短い、と。

なぜかというと、勉強しなかった期間に抜け落ちてしまった内容を取り戻す必要があるからです。

 

中学、高校の勉強は長編小説のようなもので時系列となっております。

 

つまり、今現在やっている「A」という内容を理解するには以前に学習した「B」とか「C」とかを理解している必要がございます。

ですから、「A」を理解するには「B」「C」をやり直す必要があります。

いきなり「A」をやり始めてもおぼろげに何となく頭に入ってくるだけで、「B」や「C」の理解なしには「分かった」という状態には程遠い。

 

「B」や「C」をやり直している期間は潜伏期間です。

この間は「A」に取りかかれないので、勉強しても成績は少ししか伸びません。

ただ、「B」や「C」を無視して「A」に取りかかってもマシュマロホイップの土台でありまして、理解度は半分以下。

点数も半分以下。

学年順位は、そうですねえ・・・、200人中199番だったのが200人中190番くらいになる程度のイメージでしょうか。

 

これが報われない期間がある理由です。

 

で、たいていの人はここで諦めちゃうってわけです。

かつ、成績下位層はもともとの意欲に欠けることが多いので、結果が出ないとすぐに嫌になります。

 

「なんでこんなに頑張って勉強したのに成績が伸びないんだ!」

って、ムカつく気持ち分かります。

かつて、私もそうでしたから。

 

こんなとき、

「得意科目を一つでも作ろう!」

と言うのは正論でございます。

一科目でも努力と成績が関連する科目ができるのは、努力を続けるモチベーションになります。

 

ただ、本当に知りたいのは、それってどう作るの?どの科目がいいの?

って話でありまして、私は英語をオススメします。

 

英語は成績が伸びるのに時間がかかる、と言われておりますが、実際はそうでもありません。

何をするのかって?そうですねえ・・・。

単語を覚えろ。

英語が苦手ならまずは単語を覚えましょう

中学レベルでしたら1500語以内。高校レベルでも3000語程度あれば十分。

単語を覚えると文法を無視してもとりあえず何が書いてあるかくらいは分かるようになります。

 

では東京大学の入試問題の英語を文法を無視して読んでいきましょう。冒頭部分だけですが、

We like to think that humans are supremely logical, making decisions on the basis of hard data and not on impulse.

引用 2015年東京大学入試問題前期(二次試験) 英語より

 

これを単語だけで解読していきます。

「私たちは」「好き」「考える」「人間は」「極めて」「論理的な」「作る」「決断」「硬いデータ」「事実で」「衝動ではない」

 

これをつなげてなーんとなく文章にすると、

「私たちは好き。考える。人間は極めて論理的な決断を作る。衝動ではない。硬いデータの事実」

 

まるでGoogle翻訳のような文章ですね。

でもなんとなく理解はできます。

 

文法や熟語を覚えるとこのように訳せます。

「私たちは衝動ではなく確実なデータによる事実に基づき、人間が極めて論理的な決断をすると考えがちである」

なぜ英語をすすめるのか?

英語は重要科目です。

文系であれ、理系であれ大学受験の時に英語はやらなくてはいけません。

かつ、同じく重要科目である国語や数学よりも努力の結果が出やすいのでオススメしております。

重要科目で結果が出れば自信につながります。

 

結果が出やすい、自信になるというのがポイントです。

 

ちなみになぜ英語が嫌いになるのかと言えば、書いてあることが分からなくなるからです。

ってことは分かるようになる勉強をすればいいってこと。

手っ取り早く何が書いてあるのかが分かるためには単語です。単語の暗記です。

 

最初は2世代前のGoogle翻訳レベルの訳でも構わないと思ってます。

単語の暗記は確実に手応えがあります。とりあえず何が書いてあるのかうっすらとでも分かる。

これが進歩です。

 

努力が報われる経験。

成績が停滞している生徒にとって必要なのはちょっとした成功体験だと思ってます。

だから、ほんの少しでもいいので努力が報われるような勉強をすべき、そう考えています。

英単語の記憶方法

ちなみに英単語の暗記は書く、唱える、が基本です。

やってみましょうか?

logical 論理的 logical 論理的 logical 論理的・・・。

 

10回繰り返すとlogical=論理的という概念が頭に入ります。

この要領で一日100単語くらい覚えちゃいます。

そしてすぐに忘れます。

2日後くらいにはね。

だから繰り返します。

 

騙されたと思って1週間で100単語覚えてみてください。

1日目:書く、唱える

2日目:思い出す、書く、唱える

3日目:思い出す、書く、唱える

4日目:(3日目に思い出せなかった単語を)書く、唱える

5日目:思い出す、書く、唱える

6日目:(5日目に思い出せなかった単語を)書く、唱える

7日目:思い出す、書く、唱える

 

1日目は1時間くらいかかります。でも日が経つにつれてどんどん短くなっていきます。

1週間続けてくれれば95単語は覚えられます。あとの5単語はなかなか覚えられない単語です。

なかなか覚えられない単語は必ず出てきます。

ですからそういうのは苦手単語ノートにまとめておいて、あとで集中学習します。

 

1ヶ月続けると380単語は覚えられます。

これ、ほぼ中学校の一年で学習する単語の数なんですよね。

それが1ヶ月で覚えられます。

 

するとどうなるか?

英語で何が書いてあるのかがなんとなく分かるようになります。

分かるようになる体験、これが重要です。

分かるようになるとどうなるのか?

成果として現れるのはテストの点数です。

単語を覚えると英語の成績が上がります。毎日1時間単語を暗記していると、1日目、2日目以外は時間があまります。

もし、あまった時間を文法の勉強に回しているとさらに成績が上がります。

すると、努力が成果として現れた経験を体感できます。

 

他の教科はどうすんだよ!

という声もあるかもしれません。

でも最初は欲張らない方がいいと考えてます。

 

まずは1教科。

「ああ、こうすれば結果にあらわれるのね」

その実感だけで構わないです。

 

とにかく手っ取り早く成果があらわれるようにする。

これが成績を上げるためのコツです。

成績の急上昇期

1科目でも成績が上がると、

「他の科目でもいけるんじゃないの?」

って気分になってきます。

 

そこで他の科目にチャレンジします。

英語の時に成績アップを実感した方法で。

 

基礎をしっかり暗記する。

意味が分かる。

理解ができる。

 

英語で学んだ成績アップの方法を他の科目に当てはめてみる。

思いのほか分かるようになる。理解できるようになる。

成績が上がる。

 

だいぶ単純化していますが、こういった理屈です。

 

努力が報われない期間が最初は長いよ、と私は書きました。

ただ、それは正しい努力、つまり短期間で成績を上げるための「教科のツボ」が分からないからです。

 

「教科のツボ」が分かると結果が早く出ます。

結果が出ると努力に意味を感じられるようになります。

 

上位20〜50%程度まではこれくらいで到達可能です。

 

1週間で100単語も覚えられない?

冗談でしょう。私は切羽詰まっていた時は1週間で1000単語は覚えましたよ。

せいぜい、3〜4時間で1000単語です。

1時間で100単語覚える気力、1週間だけ頑張る気力くらい出してくださいよ。

 

では次回は成績が悪くなるときの状態について書いていこうと思います。

中高一貫校でわずか一年で学年トップクラスから学年最下位まで落ちた理由・挽回方法

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