【中学受験】算数の奥義は条件整理の方法を学ぶことだとラオウが言ってました
塾の算数のテキストやら、塾の先生やらが
「いいか!算数はまず問題文で与えられた条件を整理するんだぞ!」
と言っているのを耳にしたことがある方も多いのではないかと思います。
実際、特殊算の方法を知らなくても条件整理で解けちゃう問題も多いですから、まさに奥義。
「条件整理は北斗神拳究極奥義であーる、以上!」
とラオウも言ってます。江田島平八だったっけ?まぁいいや。
で、そんなに大切な条件整理なのですが、テキストとか参考書を見てもどこにも方法が書いてません。
もしかしたら、条件整理の方法が書かれている本があるのかもしれませんが、私には見つけられませんでしたよ。
ただ、技術としては間違いなく存在しますし、その方法を知っておいても損はしません。
何しろ奥義だからね。
てなわけで本日はその奥義を使って実際の問題をイングリモングリし、中学受験算数の条件整理って何だ?という疑問にお答えしていきます。
中学受験算数の条件整理と特殊算とは
最初に言ってしまいますと、条件整理とはロジカルシンキングとほぼイコールです。で、巷でよく聞く特殊算とはフレームワークのことです。
ロジカルシンキングとフレームワークなんて急に英語が出てきました。意味分かりませんよね。
「なに!?ロジカルシンキング?フレームワーク?超うまそう!」
と食欲が湧いてくる向きには、ロジカル・シンキング (Best solution)という本をおすすめします。
ま、これ中学受験の本じゃないので受験には役に立ちませんけどね。
さて、時間がない皆様方向けに超ざっくり言います。
ロジカルシンキングとは順を追って考えることです。=条件整理
フレームワークとは問題解決のための思考の型です。=特殊算
つまり、条件整理とは順を追って考えるための技術で、順を追わなくても解けるように解法にしたものが特殊算です。
中学受験の達人みたいな先生いるじゃないですか。こういう人たちって特殊算を使わなくても条件整理して、順を追うだけで問題が解けちゃいます。場合によっては比とか使ったりして。
なぜそんなことができるのかというと特殊算の根本原理を理解しているので、わざわざ解法を使う必要がないんですね。
だいたい、開成とか灘みたいな超難関校の問題は特殊算を覚えてるだけじゃ歯が立ちません。
問われているのは解法を覚えているかではなく、いかに順を追って考えられるか、いかに算数を深く理解しているかだからです。
そんなに大事な条件整理。
実例をもとに、条件整理の正体をざっくりつかんでいきましょう。
条件整理の問題
条件整理のいい問題ないかなー、とか思っていましたら、つい先日ツイッターで流れてきました。
おいおい、ツイッターはドラえもんかよ!嬉しいことしてくれるじゃねぇか!
よしよし、いつか使おう!と思いつつ、本日ツイッターを起動して驚愕の事実に気づきました。
「誰がツイートしたのか忘れちまったYO!」
※こちらですが、無事、ツイートした方と問題が判明いたしました。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!
※ただし、問題を作ってしまいましたのでこのまま訂正せずにいきたいと思います。重ね重ねのご無礼ご容赦ください。
というわけで、「確かこんな問題だったはずだが・・・」、という怪しい記憶をもとに問題を作成いたしました。
(1)3つの異なる正の整数を大きい順に並べるとA、B、Cとなります。A+B、AーB、A+C、AーC、B+C、BーCと計算した結果を数の大きい順に並べると下のようになります。A、B、Cそれぞれの整数を答えなさい。
47、33、32、15、14、1
引用 私の怪しい記憶
さ、こいつを解いていきましょう。
親御様も頭の体操がてら解いてみてください。
まずは見えている条件の整理です。
条件整理その1 見えている条件の整理
条件整理する時は蛍光ペンを使います。書き出すより早いし、分かりやすいでしょ?
3つの異なる正の整数を大きい順に並べるとA、B、Cとなります。A+B、AーB、A+C、AーC、B+C、BーCと計算した結果を数の大きい順に並べると下のようになります。A、B、Cそれぞれの整数を答えなさい。
引用 私の怪しい記憶
上で色を塗った箇所が条件です。
条件整理その2 見えている条件から隠れた条件を導く
この問題の計算パターンは以下のようになりますよね。
A+B、AーB、A+C、AーC、B+C、BーC
で、計算結果は、
47、33、32、15、14、1
となってますね。
この計算結果の中でどれがA+BとかAーBだったりするのかが分かると解けますよね。
でも、見えている条件には書いてありません。
こういう時にどうするかというと、分かっているところを確定させてしまうんです。
論理を使って。
まず、A+B、AーB、A+C、AーC、B+C、BーCのうちどれが一番大きいでしょうか?
A+Bに決まってますよね。一番大きい数と二番目に大きい数を足しているんですもの。
次に大きいのはどれでしょうか?
A+Cに決まってます。
B+CよりA+Cは大きいですよね。だって、A>Bなんですから。
AーCやAーBよりも必ず大きくなります。正の整数ですから。
すると、A+Bが47で、A+Cが33と確定できます。
で、ここからBーCを導くことができます。
A+Bー(A+C)=BーCとなりますから、
BーCは47ー33=14
下の表の赤字部分は確定しましたね。
47(A+B)、33(A+C)、32、15、14(BーC)、1
で、次に一番小さい数の1に注目します。
この1はAーCかAーBのどちらかのように見えますが、BーCより小さいということはAーBしかありえません。
だって、見てくださいよ。
「AーCとBーC」だったらどっちが大きいですか?
Bより大きい数のAからCを引いているんですから、AーCは必然的にBーCより大きくなります。
ですから1に入るのはAーBです。
47(A+B)、33(A+C)、32、15、14(BーC)、1(AーB)
最後に残った32と15はB+CかAーCになりますよね。
おしりの2つの数、14と1に注目します。
14はBーCで、1はAーBです。足すと
AーB+(BーC)=AーCとなります。
つまり14+1=15となり、AーCは15と決まります。
んで、B+Cは残りの32になるというわけ。
47(A+B)、33(A+C)、32(B+C)、15(AーC)、14(BーC)、1(AーB)
ここまでが条件整理です。
ほぼ答え出ましたよね?次は計算していきましょう。
計算して答えを出す
まずAからいきましょうか。
A+B+(AーB)=47+1
A+A=48
A=24
次はBです。
47ー24=23
B=23
次はC。
33ー24=9
C=9
答えはAが24、Bが23、Cが9
条件整理の極意 問題文で与えられた条件から論理的に推理する
誠に遺憾ながら私が失念してしまったツイッターで流れてきた問題。
こいつを使おうと思ったのは、条件整理と計算だけで解ける問題だったからです。とってもプリミティブ。
この問題を解くのに大した知識は必要ありません。
足し算と引き算さえできれば小学1年生だって解ける問題です。
逆に学年が進んで色々な解法を学んでも、条件整理のスキルがなければ解けません。
んでね、応用問題がきちんと解けないお子さんって、条件整理がうまくできなかったりするんです。
つまり論理的思考ができてない。
基礎が大事だよ、という話は↓でやってますが、この条件整理というスキルは基礎よりも下位レイヤーのスキルです。つまり基盤スキルということですね。
ちなみにこの問題には(2)がありまして、そちらではA、B、C、Dの4つの整数となっておりました。確か。
でも、解き方は一緒。
与えられた条件から与えられていない条件を論理的に推察するだけです。
なお、中学受験においてこの条件整理のスキルが鍛えられる参考書を今、私は探しています。
条件整理だけに特化した本ってなかなかないんですよね。
見つけたらここで紹介します。
条件整理のスキルが身についたらマジで世界変わりますから。
で、お前はどうやって身につけたのかって?
問題を解きまくって身につけました。
単に問題を解いただけじゃないですよ。条件整理のスキルを身につけることを意識しながら問題を解きました。
勉強っつーのは何を身につけるか意識しながらやると効果が倍増します。
つまり目的意識。
私は、「算数の問題を解く」、という行為を分解してスキルの最小単位と構造を把握しピンポイントで身につけられるよう訓練をいたしました。
なんだか最後の方は難しい話になってしまいましたね。
「算数の問題を解く」という行為については、そのうち最小単位と構造を書こうと思います。
それまでやる気が続くかだけが心配ですが、ストロングゼロがあれば心配ないサー!
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