【中学受験】国語における3つの苦手を克服する勉強法 語彙・読解力・解き方

【中学受験】国語における3つの苦手を克服する勉強法 語彙・読解力・解き方

国語は摩訶不思議な科目です。誰も体系立てて、ロジックで解き方を説明してくれません。

塾でもそうです。

 

塾で行われる国語の授業ときたら、国語の得意な先生の「はじめっ!」の合図とともに子供達が問題を解き始め、「終わりっ!」の合図とともに手を置く。

そして、解答を板書しながらどのようにして解くのかを解説する。

 

一見、ちゃんとした授業のように見えますが、国語が苦手な子供はもっと前の段階でつまづいています。

 

なぜ塾の先生がそのように解いているのかが分からない。

 

つまり、解答に至るロジックが見えてないんです。

 

ロジックが見えないのでその問題を解く方法は分かった気になりますが、他の問題を解いてみるとさっぱりできない。

本当に学習すべきは、塾の授業で出題された固有の問題を解く方法ではなく、解くための根本的な考え方です。

でもそれを教えてくれないので国語が苦手なお子さんは大変困っている。

 

まあ、何と不幸なことでしょう。

 

しかも、国語の解き方以前に、語彙力がなく文章が何を言っているのかさっぱり分からない、というケースも往々にしてございます。

 

何が分からなくて国語の成績が上がらないのか分からないと、親子共々国語の無限ラビリンスに落ちていくわけですね。

てな訳で、「女子は国語が得意」「幼児期からの読書習慣が差をつける」みたいな救いのない話がはびこるわけです。

 

国語の苦手な男子はモロッコに行け、とでも?

 

ドラえもんの助けを借りて幼児期まで戻らないと苦手な国語を克服できない?

 

そんなわけねえだろ。

 

ちゃんと、できない理由を紐解いていけば国語は確実に得点できる科目です。

ではいってみましょう。国語を苦手科目から満点が取れる科目に変えるための考え方をやっていきます。

国語が苦手な3つの理由

国語が苦手な理由は大きく分けまして3つに絞られます。

 

1.文章が読めない、意味が分からない

2.読解ができない

3.解き方が分からない

 

では、国語を解く、ということを図解します。

国語の苦手を克服するための構造

 

鏡餅ではありませんよ。

 

国語を解く、ということを構造化した図です。

 

国語ができる、という状態は国語が苦手な理由を一つずつ潰していくと実現できます。

 

どうしてこんなことが言えるのかというと、実際に国語の苦手な子を教えていたからです。

私は国語が大得意でして、始めはなぜ解けないのか意味が分かりませんでした。ただ、お金を頂いている以上期待に応える義務はあるだろうと思い、克服するための方法を考えました。

 

上であげている国語が苦手な理由は、苦手な子供を観察し、質問し、解答を見て出した結論です。

 

苦手な理由が分かれば問題はほぼ解けたようなもの。

苦手な理由を一個ずつ潰していけばいいわけですからね。シンプルぅ!

 

実際にそれで成績も上がりました。

 

まず始めにつぶすのは鏡餅の一番下の「文章が読める」という部分でございます。

文章を読むには語彙が重要

語彙力がないと文章はさっぱり読めません。

 

試しに次の文章を読んでみましょう。

「工学」とは、元来は無機的な世界を管理して人間の生活の便宜を図り、利潤を高める学問を言っていたと思います。

引用元:2018年度 栄東中学校<東大クラス選抜Ⅰ試験> 国語大問1 岡田節人『生命科学の現場から』

これ、小学生が入試問題で読む文章ですよ。

信じられませんね。

 

難しそうな単語を挙げていきましょう。

元来、無機的、管理、便宜、利潤

このあたりですね。

 

では上の単語の意味が分からない子供がどのようにこの文章に直面しているのかを見ていきましょう。

「工学」とは、××は××な世界を××して人間の生活の××を図り、××を高める学問を言っていたと思います。

引用元:2018年度 栄東中学校<東大クラス選抜Ⅰ試験> 国語大問1 岡田節人『生命科学の現場から』改

全く意味が分かりませんよね。

大事な部分が全く分からない。

 

では次に言葉の意味が分かるとどのように読めるのかを見てみましょう。

「工学」とはもともとは生き物のような複雑な世界ではなく単純な世界をちゃんと把握して、人間の生活がより良いものになるように知恵を絞って、生活のレベルを高める学問を言っていたと思います。

引用元:2018年度 栄東中学校<東大クラス選抜Ⅰ試験> 国語大問1 岡田節人『生命科学の現場から』改

これなら意味わかりますよね。

 

これができていないからそもそも読めないんです。その根本は語彙力です。

 

語彙が増えるとたちどころに成績が上がります。だって、これまで××だった箇所の意味が分かるんですよ。成績が上がらないわけがありません。

 

語彙を増やすには2つの方法があります。

 

1つは問題文を読みながら、国語辞典を引いて解読していく方法。

もう1つは重要単語をまとめて覚えていっちゃう方法。

 

時間があるなら国語辞典を引くのがおすすめです。

が、時間がないならまとめて暗記しちゃうのがいいです。

 

まとめて暗記するなら↓この参考書がいいと思います。単語の意味だけじゃなくて暗記分野はほぼ網羅してます。

中学入試 国語 暗記分野3700: 国語の点数がみるみる上がる

 

で、言葉の意味が分かると次に必要になってくるのが読解でございます。

読解力をつける・読解を克服する

読解力は二つに分けられます。一つは一文を把握するための読解力。もう一つは文章全体を把握する読解力。

読解力その1 一文を把握する

もう一度、先ほどの文章をそのままの言葉の意味で置き換えた文章と、読解後の文章を見比べてみましょう。

 

①元の文章:「工学」とは、元来は無機的な世界を管理して人間の生活の便宜を図り、利潤を高める学問を言っていたと思います。

 

②そのままの意味で置き換えた文章:「工学」とは、もともとは生命力の感じられない世界を取り仕切って人間の生活が好都合になるように図り、利益を高める学問を言っていたと思います。

 

③読解後の文章:「工学」とはもともとは生き物のような複雑な世界ではなく単純な世界をちゃんと把握して、人間の生活がより良いものになるように知恵を絞って、生活のレベルを高める学問を言っていたと思います。

 

はーい、①は意味が分かりにくい文章であることは間違いありませんが、国語辞典そのままの意味に置き換えた②もよく分かりませんよね。

②を③に変換してやっと意味が分かるようになりました。

 

これが読解力です。

 

前提として言葉の意味が分からないといけませんが、それだけですと文章の意味がいまいち把握しにくい。

ですから、国語辞典に載っている言葉の意味をさらに自分の言葉に置き換える必要があるんです。

 

さて、どうすればいいのか。

 

文章の流れに沿って自分の言葉に置き換えるんです。

 

これは訓練です。意味が分からない文章は自分の言葉に置き換える。

単語の意味も把握し、その意味を自分の言葉に置き換える訓練です。

 

どうやって訓練するのか?

 

「それってどういうこと?」という自問自答ですね。

 

もしくは投げかけてあげるんです。

 

「それってどういうこと?」ってね。

読解力その2 文章全体を把握する

論説文(説明文)と物語文で文章の把握の仕方が異なります。

これを読んでいただければ文章全体を読解するコツは把握できると思います。

 

論説文(説明文)を読解するテクニックとかコツとか。

【中学受験】国語論説文の読み方・読解 著者の主張を構造で読み解く

 

物語文を読解するテクニックとかコツとか。

【中学受験】国語物語文で満点取る3つの読む技術 構造・関係性・テーマ

国語の解き方

ざっくり言っちゃいますよ。

国語の問題は6割くらいが傍線部の意味や理由を選択肢から選ばせる問題と記述させる問題です。

2割が空欄の穴埋め。

残りの2割が漢字、四字熟語、ことわざ、文学知識などの暗記問題です。

 

上で紹介した参考書に出てくることを暗記すると、漢字、四字熟語、ことわざなどの問題は解けるようになります。

これで2割はOK。

 

残りは傍線部と空欄の2つです。

どうやって解くのかと言いますと、空欄の問題は傍線部問題に変換しちゃいます。

次に、傍線部と同じ意味になるように文章中の言葉を使って言い換えたり、傍線部の理由を文章中の言葉を使って作るんです。

 

解くためのコツは全ての問題を記述して自分なりの

 

正解形を作ること。

 

記述問題じゃなくても記述するんです。選択肢をいきなり選んではいけませんよ。選ぶ前に記述する。そして消去法で選択肢を落としていく。

これが満点を取るための国語の解き方です。

 

詳しくは↓で紹介してます。

【中学受験】国語で8割正答する解き方 3つのフレームワークと9つのバリエーション

まとめ 国語という苦手科目を克服する

第一に語彙。国語辞典と暗記用参考書!

第二に読解。「どういうことなのか」という問いで一文を把握!次に論説文(説明文)と物語文の全体的な読み方を覚える!

第三に解き方。記述して自分なりの正解形を作る!

 

解き方を分かれば解けるようになるのが国語。分からなければ解けないのも国語。

安易にセンスだの、才能だの、女子だの、読書習慣に逃げずに立ち向かってくださいヨ。

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