【中学受験】国語長文読解を写真で解説 論説文の読み方のコツや読解方法を紹介
国語の長文読解の成績を伸ばしたいのに勉強方法がさっぱり分からん!という人にいいニュースと悪いニュースがあります。
どっちから聞きたいですか?
OK。いいニュースからいきましょう。
このページの内容を上から下まで読めば中学受験の論説文の読み方や読解のコツ、勉強方法が分かる。
GOOD。
では、悪いニュースは何かって?
近所のスーパーに蛍光ペンが二色しかなくて三色で色分けする予定が狂っちまったYO!
というわけで機械にめっぽう疎い私が四苦八苦しながらコピー機を使い、スマホで撮った写真をもとに解説していきます。スマホで写真撮影なんか人生で5回くらいしかやったことなかったゼ・・・!動画はマジで勘弁だ。
どうやって動画撮るのかすら分からねえ・・・。
蛍光ペンを三色、マジックを1本用意
はい、では準備です。何事も準備から始まります。
蛍光ペン三色とマジック!・・・あれ?
二色しかなかったんですよ。スーパーに。もう一色売っとけ。
というわけで蛍光ペン二色とマジックをお手元にご用意ください。
あと、基本的な読み方は下のページの通りの手順でやっていきます。
手順1 接続詞に二重線を引く
題材は平成28年度栄東中学校A日程 国語大問2です。
まずは手順通り、接続詞に二重線を引いていきましょう。
はい、できましたか?接続詞に二重線を引くだけなので簡単ですね。
線を引く接続詞は「しかし」「ところが」「でも」「だから」「したがって」「なぜなら」「というのも」「つまり」「すなわち」「また」「ただし(ただ)」くらいでいいですよ。「そして」は引かなくてもいいです。
「しかし」「ところが」「でも」の役割
前の文章を否定したり、打ち消す効果を持った接続詞です。この接続詞の後ろには9割がた著者の意見が書いてありますから大事な接続詞です。
この接続詞の後ろの文章に線を引っ張りましょう!
「だから」「したがって」の役割
前の文章を受けて後の文章で結論を述べる接続詞です。この接続詞の直後には著者の意見が書いてあるとは限りません。「どうかな〜?」と思いながら読んでくださいね。
この接続詞の後ろの文章に線を引っ張りましょう。
「なぜなら」「というのも」の役割
前の文章で述べたことの理由を後の文章で述べる時に使う接続詞です。「理由を答えなさい」系の問題ではしばしば答えのヒントになるやつです。
この接続詞は接続詞の前後に線を引っ張りましょう。
「つまり」「すなわち」の役割
前の文章を要約する時に使う接続詞です。わかりやすくまとめてるわけですね。
なんかよく分からないよー、という難しい文章の後に「つまり」「すなわち」がきたらしめたものです。著者が分かりやすくまとめてくれます。
最初から分かりやすくせぇよ!なんて言わないでくださいよ。
著者の意見、反対意見両方とも後ろの文章に入ってきますので安易に「著者の意見ゲット!」とは思わず、まずは冷静な判断を。
接続詞の後に線を引きます。
「また」の役割
前の文章と同じ趣旨の文章が後に続く時に使われる接続詞です。
例文:「彼はバカである。また、アホでもある」
みたいなね。
「また」があったら、「同じ趣旨の内容が来るんだなー」と思っておいて間違いないです。
「また」の後ろに線を引いておきましょう。
「ただし(ただ)」の役割
前の文章の一部否定、または留保する際に使われる接続詞です。
例文:「彼はバカである。ただし運動神経は良い」
みたいな。
バカなんだけど、実はこんなところもあるんだよー、って時に使われる接続詞です。
著者の意見が「ただし(ただ)」の前にきて、後に文章が続く場合は、著者の意見に何らかの留保があるものと考えてください。
留保なんてちょっと難しいですね。簡単に言い直します。
「俺の言ってること100%正しいわけじゃないんだよ!条件とか状況によるよ!」って時に使われます。
「ただし(ただ)」は接続詞の前後に線を引きます。
手順2 接続詞の前後に一本線を引く
さて、接続詞に二重線を引いた後は一本線を引いていきます。
上の写真では「ただ」「つまり」「しかし」「また」「しかし」と5箇所で接続詞が登場いたしました。
「ただ」は前後に、「つまり」は後に、「しかし」は後に、「また」は後に線を引くんでしたね。
※注 間違えて「その活動が」〜「しれません。」まで線を引いてしまいました。コピー機はもう使いたくないのでご勘弁を。
できましたか?ここまではなるべく機械的にいきましょう。線を引くことだけに集中しましょう。文章は読まなくていいです。
では、次に著者の主張を明確にしましょう。
手順3 著者の主張を特定する
さて、この文章は何について書かれた文章でしょうか?
何について書いた文章なのかはたいてい問題文の冒頭の文章に書かれていると思っておいていいでしょう。
冒頭では環境問題がふんちゃらかんちゃらと書いておりますので、環境問題について書かれたものだと推測できますね。
で、著者の主張です。
環境問題についての文章なので著者の主張も環境問題に関連したものに決まってます。そして、著者の意見はどの接続詞の後に来ることが多いんでしたっけ?
そうですね、「しかし」「ところが」「でも」という否定の接続詞の後です。
上の写真では2箇所、「しかし」が出現します。注目すべきは2番目の「しかし」です。
前後の文章を抜粋いたします。
大量消費が原因なのですから、それをやめればいいという単純な発想です。しかし、それは正しいのでしょうか。
引用元:平成28年度栄東中学校 国語大問2 池内了『科学の考え方・学び方』
「正しいのでしょうか」というのは、著者が「正しくない!」と思っている時に書く言葉です。
その証拠に後の文章では「なすべきことは」とより強い表現を用いて著者は意見を言っております。
「べき」と言っている点に注目です。これは著者の意見が強く反映されるような事柄を言う時に使われます。
じゃなかったら「べき」なんて言いませんよ。
さて、この「べき」の後ろには何が書いてあるのでしょうか?
なすべきことは、現在の私たちの生き方を振り返り、いかなる価値観の変更が必要で、そのためには科学がいかなる役目を果たすべきかを考えることではないでしょうか。
引用元:平成28年度栄東中学校 国語大問2 池内了『科学の考え方・学び方』
そうです、この著者は「価値観の変更が必要」と「科学が環境問題にどんな役割を果たすべきか」という意見を持ってます。
では、どんな風に「価値観の変更」をして、「科学が環境問題にどんな役割を果たすべき」だと考えているんでしょう。
この段落以降に書いてあるはずです。探していきましょう。
著者は「現在のやり方はダメよ〜。環境破壊につながっちゃうよ〜」と前段で言ってますから、現在のやり方は著者の主張したい方法とは違うわけです。
さ、上の私の影がバッチリ写ってる写真を見つつ、二重線を引いた接続詞の後ろに注目してみましょう。
「つまり」の後に書いてある文章では、現在のやり方は「安上がりで大量の生産ができるという経済論理が優先されているのです」ってなわけ。
「むしろ」の後に書いてある文章は、「今までは大規模生産しか考えず、それに適した技術しか開発してこなかったといえるかもしれません」と書いてますね。
「また」の後に書いてある文章は「巨大化・集中化は「画一化」につながっています」と書いてます。
これらは全て否定的な文脈で書かれております。大規模生産、巨大化、集中化、画一化は著者が否定したいということが伺われます。
つまり、今までの大規模生産(巨大化・集中化)とか画一化はやめて別の方法を考えよーぜ、というのが著者の主張です。
はい、ここまでほとんど文章読んでませんね。
冒頭の文章を読んで、接続詞に注目して、線を引っ張って、まとめただけです。
手順4 著者の「主張」「説明」「反対意見」に線を引く
さ、手順3までで著者が「俺とは違う意見だぜ!」と言っている意見が見えてきましたね。
そう、キーワードで言いますと「巨大化」「集中化」「画一化」です。
では、著者が「違う!」と思っている箇所を黄色の蛍光ペンで塗りつぶしていきましょう。
はーい、塗れましたね。
では次に著者が「俺と同じ意見だぜ!」という文章をピンクで塗りましょう。
「巨大化」「集中化」「画一化」を否定する箇所や、その反対のことを言っている箇所が著者の「主張」です。
「巨大化」「集中化」「画一化」の反対ですので、「微小化」「分散化」「多様化」が著者の意見です。
てゆうわけでそれに該当する部分をピンクの蛍光ペンで塗っていきます。
対立構造が見えましたね。
「巨大化」「集中化」「画一化」と「微小化」「分散化」「多様化」の仁義なき戦いってわけです。そうしたら、これを手がかりにして前半部分も黄色とピンクの蛍光ペンで色を塗っていきましょう。
こんな感じになりました。
前半部分に黄色が多くて、後半部分になってやっとピンクが出てきますね。
なんでだと思います?
平成28年度栄東中学校国語の大問2って典型的な問題提起→著者の意見の文章だからなんです。
最初に著者が問題だと思うことから語り始めますので、問題だと思うことが前半にいっぱい書かれるに決まってます。問題をいっぱい書いた上で、最後に著者の意見でズバッと切る、と。
すなわち、水戸黄門スタイルです。見たことない?助さんと格さんに謝れ。
ここまでできると論説文(説明文)の長文読解は8割解けます。余裕で合格点です。
論説文(説明文)は著者の主張と否定したいことの二項対立がほとんどです。だったら、その2つを把握することが大事です。
そうしたら絶対、8割解けますから。
論説文(説明文)読解の練習、勉強方法
ここまで見てきましたように、論説文(説明文)には必ず構造があります。受験で出てくる論説文(説明文)の構造はほぼ二項対立です。
だったら、二項対立となっている二つ(著者の主張と反対意見)を把握すりゃ読解は完了です。
そのために大切なのは何でしたっけ?
そうですね。
①接続詞に二重線を引っ張る。
②接続詞の前後に線を引っ張る
③著者の主張を捉える
④著者の主張と反対意見に線を引っ張る
でしたね。
この練習をめちゃくちゃいっぱいやっていただくと、いいことが待ってます。
国語の論説文で必ず8割取れるようになります。
ただし、大前提として語彙力(漢字、言葉の意味など)が必要です。もし、偏差値が40〜50くらいだったらまずはそこを鍛えましょう。長文読解はそれからです。
どんな参考書を買ってもいいですけど、私は「中学入試 国語 暗記分野3700: 国語の点数がみるみる上がる」がおすすめです。一冊でいっぱい網羅してますし、カバンに入れて邪魔にならないくらいのサイズなので。
あ、あと、国語の長文読解でいい参考書も見つけました。
実は↓の記事で応用問題の正体をみやぶりまして、算数だけはいい参考書を紹介しているのですが、国語は「全く見つからねえ」と文句を言ってます。私が。
ところがあったんですよ。国語の長文読解のいい参考書。捜索範囲を大学受験の参考書まで広げてやっと見つけました。
その参考書については下で紹介してます。現在最強の国語参考書です。
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