【中学受験】偏差値40から65までは簡単に変動する 基本の大切さについて

色々書いてて塾の先生に殴られないかと心配になってきました。
私です。
ま、私はドMなので心配ないのですが。おい、お前、殴る角度には気をつけろよ・・・!
さて、受験勉強では基本が大事!とか、塾の先生が言いますよね。
参考書でも、受験指南本でも、何なら先輩ママも口を揃えて言うんじゃないでしょうか。
「基本が大事」ってね。
ただ、成績が伸びないとお悩みのお子さんならびに親御様が聞きたいのは「基本が大事」って言葉じゃないんだと思います。
「そもそも基本って何!?それどうやってやるの!?食えんの?成績上げてえ!うおー」
ってな具合じゃなかろうかと思います。興奮して基本を食っちゃダメですねえ。腹下しますよ。
さて、基本って何でしょう?算数だったら計算?国語だったら漢字?単語?熟語?
確かに正しいのですが、何か大事なものが抜けているような気がいたしますよね。
例えば公文で計算バリバリの子でも中学受験の基本問題は解けません。入塾テストの問題すら解けませんよ。
国語だって同じです。漢検1級持ってても訓練してなかったら中学受験の問題は解けません。基本的な問題でもね。
つまり、基本の正体は計算とか語彙ではありません。
今回は基本の正体を明らかにしつつ、何をすると基本を身につけられるのか実践的に説明していこうと思います。
ちなみに偏差値40から65くらいまでは基本をしっかり理解すれば割と簡単に上がります。ちなみにSAPIXの偏差値ではありませんよ。マンスリーで65は基本だけじゃ無理です。
なお、国語で偏差値40から65まで上げたいんだったら読解力、つまり読む力を鍛えるのが近道です。
解き方のテクニックやコツは後でも身につきます。
小学4年生、5年生は読む力が圧倒的に足りていませんからね。
じゃあ計算とか語彙って何なんだ!?
基本訓練として推奨されている計算とか語彙。通常は「基本」と称されていますが、正確に言うと基本ではございません。
計算とか語彙は言葉です。
野球に例えてみます。
野球の基本動作は「投げる」「取る」「打つ」です。ただ、そのような動作は体を動かせるという大前提があって初めてできることです。
腕を上に上げられないのに投げることはできませんし、手を前につき出せないのに取ることはできませんし、腕を振ることができないのに打つことはできません。
基本動作は体を動かせるという前提があって初めて成り立つものです。
これは知的活動における言葉に該当するんですね。
では、知的活動とはなんぞや?
知的活動の前提となるのは言葉です。算数だったら計算、国語だったら語彙。
つまり、知的活動である入試問題を解くためには基本が必要で、基本の前提には言葉があるわけです。
野球で言いますと、基本問題を解くのは「投げる」「取る」「打つ」練習ですし、言葉にあたるのは「体を動かせる」ということなんです。
確かに体を動かせないと基本動作はできませんが、体を動かせるだけでも基本動作はままなりません。下手くそでもいいなら別ですけどね。
というわけで、計算とか語彙は確かに大切なのですが、問題を解くための基本ではありません。
基本の前提となる言葉です。
この関係をよく理解しておいていただきたいと思います。
計算と語彙の勉強で成績が上がらない理由
計算と語彙の勉強、たくさんやってます?やってますよね。それが推奨されてますもの。基本演習としてね。
でも成績が上がらない、とお悩みでしたら違う所に問題があると考えた方が良いかと思いますよ。
基本が身についていない、だから計算と語彙を一所懸命勉強しようというのは、野球に例えると投げ方が分からないのに腕を上にあげる練習をしているようなものです。
だから、いつまで経ってもきちんと投げられるようにならない。そりゃそうですよね。投げ方分からないのに腕を上にあげる練習をしたところで、うまくなるわけがありません。
勘違いして頂きたくないのですが、計算や語彙を軽視しているわけではございません。正しく計算ができる、正しく語彙を覚えるのは、正しく体を動かす訓練のようなもので、これがなければ基本もおぼつきません。
ただ、それだけでは基本演習とは言えないというわけ。
基本ってなんなんだよ、それ食えんの?
お腹が空いているみなさんに心から陳謝いたします。基本は食えません。
さて、基本とはなんぞや、という話です。
直球で言っちゃいましょう。基本とは考える道具をたずさえ使うことです。
はー、また訳分かんないこと言っちゃってますねー。
詳しく説明していきましょう。
つるかめ算を題材に、基本の本質を知る
つるかめ算を塾のテキストではどう説明しているか
むかーし、むかし、ざっと30年前。中学受験の批判をする人たちはなぜかつるかめ算にターゲットを据えることが多かったです。鶴と亀が弱そうに見えたんですかね。
「なぜつるかめ算だとか意味不明なやり方を教えるんだ!連立方程式で解けるじゃないか」と。
このいじめられっ子のつるかめ算を使って基本の本質を説明していきたいと思います。
つるかめ算というのはこういう問題です。
問題:鶴と亀が合わせて10匹いました。足の数は24本でした。鶴と亀は何匹ずついますか。鶴は足が2本、亀は足が4本とします。
解答:(4×10ー24)÷(4−2)=8・・・鶴、10ー8=2・・・亀
答え:鶴は8匹、亀は2匹
ちなみに連立方程式で解くとこうなります。xを鶴の数、yを亀の数とします。
①2x+4y=24、x+y=10
②2x+4y=24
2x+2y=20
③(24ー20)÷(4ー2)=2・・・y
10ー2=8・・・x
④鶴は8匹、亀は2匹
中学受験で方程式を使わないのには理由がありますが、それは今回の主題とは関係ないのでいつか説明します。
つるかめ算を予習シリーズの小学4年生のテキストではこう説明しています。
<一方におきかえて解く方法ーつるかめ算>
(中略)
2種類の量の合計(上の例では、頭の数の合計と足の数の合計)からそれぞれの個数を求める問題をつるかめ算といいます。
引用 予習シリーズ算数 4年上 より
なんだか木で鼻を括るような説明ですね。
これを読んだ小学4年生は、
「なるほど!全部鶴か亀だと仮定して解いたらいいわけね!」
と思うんじゃないですかね。
そらそうです。ちゃんと説明してないんですもの。
「どちらか一方のみだと仮定して、差で割ると答えが出る。それがつるかめ算」と理解すると、全く応用がきかない理解となります。
ではつるかめ算の本質とは何か?
つるかめ算の本質的な理解
じゃあ、つるかめ算の本質ってなんでしょう?
結構難しいので頑張ってついてきてください。負けるな!絶対負けられない戦いがあるゾ。
下の表を使って説明しましょう。
鶴 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
亀 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
足の数合計 | 40 | 38 | 36 | 34 | 32 | 30 | 28 | 26 | 24 | 22 | 20 |
亀が1匹減り、鶴が1匹増えるごとに足の数の合計が2ずつ減っていってますよね。
全部が亀だと仮定して、亀が1匹減り、鶴が1匹増えるごとに2本ずつ足の合計が減るという関係が見えますね。
はー、長かった。これでつるかめ算の本質をズバッと言えます。みのもんた!
「2量の増減による合計数値の増減に注目し、仮定から実数値を求める」
これがつるかめ算の本質です。
めっちゃむずくないですか?
でもね、これが基本です。
今回はつるかめ算を例にしました。これを自分の言葉で説明し、人に分かるように教えられる。それが基本を習得したってことなんです。
基本の難しさ
基本とか言うから簡単そうに思ってませんでしたか?
いいえ、基本は難しいんです。
解法、つまり考えるための道具の本質的な理解こそが基本。したがって難しいんですよ。
トンカチに例えます。
トンカチで釘を叩くのは誰でもできます。
でも、どのくらいの強さで、どんな角度で、どのような材質に釘をさしてトンカチで叩くと理想通りの釘打ちができるのかを説明するのはとっても難しい。
しかしながらご安心ください。
つるかめ算の本質をきっちり説明できる小学生などほとんどいません。めっちゃできる小学生だって、ほとんど論理的に説明できませんよ。
ではどうして基本をマスターして応用問題や難関校の問題を解くことができるのか。
それはきちんと塾のテキストを読んで問題を解きまくったからです。頭と体で本質を理解したってわけ。
つまり、テキストの精読により基本を習得したという事です。
ちなみに予習シリーズは本当によくできていて、つるかめ算を言葉で説明してもいますし、私が説明に使った図表もきちんと載せてます。
四谷大塚とか早稲田アカデミーに通っている方、安心してください。
お子さんの通っている塾はきっちり本質的理解をお子さんに促してますよ。
ところが本質的理解に辿り着いているお子さんは少ない。
なぜならお子さんが予習シリーズをはじめとしたテキストをしっかり読まずに問題が解けたら良しとしてしまっているからなんです。
基本をしっかり習得する勉強方法
基本の難しさ、基本の大切さ、基本とは何かが見えてきましたか。
では、次は基本を習得する方法が気になってきますよね。
当たり前のことを言いますよ。
塾のテキストをめっちゃ読んでください。
大手塾のテキストってのは本質的な理解に辿り着いた人たちが練りに練って作ってます。だから、無駄なことは書いてません。
基本問題が解けたら「基本が分かった」ということにしちゃうのはダメダメ。
次に、塾のテキストに書いてあることを自分の言葉で説明してください。
例えばつるかめ算だったら「2量の増減による合計数値の増減に注目し、仮定から実数値を求める」みたいにね。
私は、今は家庭教師をやってませんし、今後もやるつもりはありません(だって、超神経すり減らすし、儲からないもん)。
ただ、20年くらい前にやっていた時はこういう理屈を手を変え品を変えクッソわかりやすく説明してました。
1ヶ月で偏差値20くらいは当たり前のように上げておりました。
で、自分で教えなくても同じくらい効果的な方法を考えまくり、やっと結論が出ました。
塾のテキストと塾技という参考書を併用してください。
どうやって塾のテキストと塾技を併用して勉強するのかはまた説明します。
あ、いけね、国語の説明をし忘れた!
国語は色々書いているので探して読んでみて下さい。
では、ダフストレーチ!
ちなみに基本とはなんぞや、基本を身につけるとどうして成績が上がるのか、みたいな話を↓で書いてますのでご参考まで。
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