【中学受験】私立中学で成績不振に陥る生徒がいるのはなぜか 最初の1年が鍵を握る
やったぜ合格!私立中学に入学したらそのままエスカレーター式にいい大学に入れるんだよね!素敵な私学で切磋琢磨、すなわちトキワ荘!藤子不二雄A、B、C、D、イー!
YO!
そのようにお考えの元中学受験生の親御様、お疲れさまっす!いよいよ憧れの私立中学、公立中高一貫校の入学まで2週間ばかりでございます。ほっと一安心、未公開株でも手に入れたような気分になっていらっしゃるかもしれません。
そりゃそうですよね。ずっと目指してきたんですもの。気だるい午後を彩るコーヒーとパンケーキがすすむというもの。あまーい、そしてうまーい!
つーか、甘いっすよ。
パンケーキが?ホイップが?砂糖入れすぎ?
じゃなくて、入ったらOKみたいな考え方が、ですよ。
「んなこと分かってるわよ!どうせ中高一貫校入ったって努力しなくちゃいけないんでしょ!」
んー、半分正解。努力は最低条件です。
ところで、私立中学、公立中高一貫校って偏差値でランク付けされてるじゃないですか。80%合格偏差値とか、50%とか。ってことは学力において同質の生徒が集まってくるはずです。
普通に考えるとそうした中学、高校の生徒の成績分布って中央値あたりにギュッと凝縮されていないとおかしいですよね。
こんな感じに。
少なくとも入試のときの合格最低点以上、同じような学力を持った子達が集まっているのだから、同じような成績になるはず、だから成績が団子状態になっている、とお考えになるかもしれません。
私立中学に入るとなんか良さそう、というのはおそらく上のような分布を想定されているのでは、と。
ま、分布を思い浮かべないまでも、ある一定以上の成績は取れるはず、と考えているのではないでしょうか?
実態は全然違います。
なぜか同質の学力の生徒たちが集まってきたにもかかわらず、成績がとんでもなく悪い生徒から、とんでもなく良い生徒まで幅広く分布しております。
実態はこんな感じです。
たまたま入試でうまくいっただけの子が成績下位を占めてるんでしょ?なんて思いますかね。
私の通っていた中学は偏差値60くらいで御三家や難関校落ちの生徒たちでいっぱいでございました。
御三家に受かるとか言われてた子達も多数在籍しておりました。
そんな子の成績って上位だと思うじゃないですか。
いいえ、中間、期末試験でクラス最下位の子の第一志望校は某御三家だったりしました。
小学校時代は間違いなく成績が良かった子がなぜか中学に入ると成績が低迷しているんですね。
なぜそうなるのか、成績上位にいるための条件の半分が努力だとしたら、もう半分は何なのか?
先に答えから言ってしまうと、中学1年生でクラス5番以内に入り続けることがもう半分の条件です。
努力をして中学1年生でクラス5番以内に入り続けると下の図の「現役で旧帝大」ゾーンに入れます。
さて、まずは私の通っていた中学で何が起きていたのかをお話ししていきましょう。
私立中学の成績上位と成績下位を分かつもの
まあ偏差値60以上の学校だからほっといても早慶くらいの大学には現役でいけるんでしょ?余裕で。
っつーのは超甘い。
実際は入学時点では偏差値が60以上であっても、入学後に「浪人して私立大学」のトワイライトゾーンに定着する生徒はゴマンといます。
厄介なことに学年上位10%と学年下位10%はだいたい同じメンツです。
しかもそのメンツ、中学1年生から高校3年生まであんまり変動がなかったりするものだからタチが悪い。
「さすが私立、中間テストも期末テストもレベルが高い」
とか思います?
ブッブー!基本的には授業をちゃんと受けて、普通に勉強していれば70点以上取れるテストになってました。少なくとも私の通っていた学校では。
で、80点以上取れると学年で上位10%以内。90点以上取れると学年で10番以内に入れましたよ。
じゃあ、普通以上に勉強すりゃいいんじゃね?
半分ピンポーン!
100点の解答は「普通以上に勉強して学年で10%以内に中学1年生で定着する」です。
現役で旧帝大以上の学校に合格するリーズナブルな学歴ルートを歩む条件は以上です。
このゾーンに入れないと浪人か、あるいは不本意な大学に入ることになります。
どうしてこんなことになってしまうんでしょうか?
中学時代ずっと上位10%以内に入り続け、高校2年生以降ずっと下位10%以内に入り続けていた私が答えましょう。
諦めるからです。
成績上位と下位を分かつものは諦めてしまったか諦めていないかの違いでしかない、そう断言いたします。
ちなみに諦めた生徒は他に楽しみを見出していました。音楽、運動、ゲーム・・・etc、とても良いと思います。諦めていない生徒は大学受験まで勉強し続けました。さも当たり前のように。
成績上位10%の憂鬱
「学年5位に入るなんて頭いいんだね」
と言われまくるのが上位10%の宿命でございます。
ファックユー。
ちげー、ちげー、お前らより真剣に授業受けて勉強してるだけだよ。予習とか復習とか先生に言われたこと当たり前にやってんの!頭良いとかまるで生まれながらの性質のように言ってるけど、それはお前が頑張ってない言い訳じゃねーの!?
私は少なくとも中学ではクラスでは1位か2位をキープし続けていましたし、学年では余裕で上位10%以内に入ってました。でも一度も自分の頭がいいなんて思ったことはありません。
上位をキープし続けるために努力し続けていただけだからです。
成績が上の方にいたって、絶えず「頑張らなきゃ順位が落ちる」と思い続けてやることをやっていただけなんです。
そのうち10番以内に入るための努力はどのくらいのものか、5番以内は、そして1番になるためには?と順位と努力の相関関係が見えてくるんですよね。
成績上位に入る努力はどんなものかが分かる。いつかその努力が当たり前になる。そして、同時に諦める。
同時に諦める?
そうです。諦めるんです。成績上位にいると1番になるための努力がいかほどのものかが分かるんです。そして、そんなにやらなくたって死にはしないし、とか自分を誤魔化しまくって納得させる。
だから、学年10番以内には入るけれども、1番にはなれない、いやならない。
なぜならそこまで努力する理由がないから。
気持ちの良い、途方もなく気持ちの良い安住。
これ、成績上位だけの話じゃないんです。成績下位もなんです。
同等に気持ちが良い。
成績下位10%の悦楽
高校2年生になって私の成績は、まるで富士急ハイランドのドドンパのように落ち続けました。
落ちて、落ちて、また落ちて。
勉強よりも大事なことを見つけてしまったんです。
すなわち狂うくらいの恋。
変?そうとも言えるでしょう。でも変でもなんでもなくて恋だったんです。
もうね、勉強なんてどうでもいい。大学?煮付けてイモにでもしとけ、この野郎。
そして成績は下降し続け、気づいたら学年ブービーに。
信じられます?学年で10番以内に入っていた生徒が学年ブービーですよ。
もはや私のことを頭がいいなんて思う生徒は誰もいませんでした。
クズ。
クズ中のクズ。
アホ中のアホ。
この時、私は何を思ったか?
アホはお前らだ、スットコドッコイ。ケツの穴にDUO突っ込んで複素数平面のXとYの波状攻撃食らわしてケツの穴を使い物にならないようにしてやる。
そのうち、下位10%でいることが当たり前のように思えてきました。
下がり続ける努力の基準。
あぁ、もう無理だ。上には行けない。上位は勉強をし続けてる。もう脱落しちゃったんだ。行けない、行けない、行けない。でもここでもいいかも。上の方にいる奴らのクソみたいな青春を嘲笑いながら、自分の気持ちに正直に生きよう。ここは自分のいるべき場所。
成績下位にいる、とは自分の道を見つけた状態、つまり楽な道を見つけた状態なんです。少なくとも私立中学、高校では。
私立中学における最初の1年の大切さ、について
私は中学生のときと高校生のときと全く異なる三年間を過ごしました。
上位10%と下位10%。その両方に定着してみて気づきました。
大事なのは頭の良さではない。諦めたか諦めていないか、だけの違いだ。諦めていなければどこまでも頑張れる。あるいは諦めてしまえばどこまでも落ち続けることができる。それは選択だ。
結果、私はどうにか持ちこたえて自分の行きたい大学に行き、生きたいように生きているわけですが、その選択の根本には「やりゃできる」という思いがあったように思います。
中学時代の、頑張ればできる確信。どのくらい頑張れば上位に行けるか、という推定。
もし、中学時代の3年間をデタラメな成績で通過していたら、もしそこで諦めていたら。
きっと、高校3年生の秋から頑張れなかったはず。
そして中学時代の3年間の基礎になったのは、最初の一年の「やればできる」という経験なんです。
だから、言いたい。
最初の一年は努力と結果にこだわろう、そしたら見えるはずだよ。努力と結果の相関関係が。
生きていくのに大事なことが。
頑張れよ、新中学一年生。応援してるぞ、マジで。
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