【中学受験】パパ塾開講 授業の一般的な方法と流れについて

【中学受験】パパ塾開講 授業の一般的な方法と流れについて

最近、「家庭での授業の仕方を教えて欲しい」とメールをいただきました。パパ塾開講希望なのであります。

「やめといた方がいいですよ」と返信いたしましたが、一般的なものでいいとのことなので全く責任感なく書いていこうと思っております。

 

さて、授業です。

授業にはやり方がありまして、「噛み砕いて教えりゃいいんだろ!」的な男らしいスタイルではあまりうまくいきません。

普通の先生は当然ご存知かと思いますが、授業は大きく3つに分けて進行いたします。

すなわち、

・導入

・展開

・まとめ

です。

 

他にもいろいろなパターンはございますが、基本形は上のとおりです。

この3つの構成を意識して授業をしますとそれっぽくなるんです。

では、この3つの構成でどのように授業を進めていくのかお話をしていきます。

授業の始まり「導入」について

さて、皆様、学校の授業参観とかで先生が授業冒頭で、

「今日は割り算の筆算をやりまーす!」

とか言っているのを聞いたことはありませんでしょうか?

 

これが導入です。

 

読んで字の如く、その日に学習する内容に行き着くためのさわりの部分ですね。

さわりの部分、とあなどるなかれ。

実はこの導入はめちゃくちゃ重要です。

 

導入はその日に学習する目当てを最初に提示して授業の目的を明確にする役割をもっています。

が、それだけではなく以下の2つを意識いたします。

1.子どもたちの心理的なしきいを低くする

2.リメディアル・フィードバック

 

いきなりよく分からない話が出てきましたね。

ではこの2つを説明していきます。

子どもたちの心理的なしきいを低くする

苦手意識を持っている子が顕著ですが、新しい学習内容が出てくると「なんか難しそう」「どうせ分からないんだろうなぁ」と心理的なガードが爆上がり状態で授業にのぞんでおります。

この状態ですと先生がどんなにかみくだいて話しても理解を拒絶いたします

 

たとえば、予習シリーズの例題・類題あるじゃないですか。

予習の際に親御さんがいくら説明しても「こんなんわかるわけねぇ」「わかんないから塾で聞くよ」とか言っていたとしたら、ガードが上がりまくってます。

この状態で何を話しても無駄です。いわゆる馬の耳に念仏ですね。

 

ですので、「これってお前にもできるんだぜ!」と実感してもらえるかが大事になってきます。

あと、興味ね。興味ないと理解しませんから。

 

小学1年生の足し算の授業で、りんごとかバナナとかみかんとか出てくるじゃないですか。

あれって身近なものでイメージをつけるために、りんごとかバナナとかみかんなんですよ。

小学1年生に仮想通貨で足し算の説明はしないですよね?

 

あ、なんか身近な話で分かりそう!面白そう!

この感覚を持ってもらうのが大事なんです。

 

ところが学年が上がっていくにしたがって、身近なものに置き換えにくくなってきます。しかも、前の単元を理解していないため最初の話からチンプンカンプン。

結果、ガードが上がりまくってアッチの世界にいってしまう事態が頻発いたします。高校の数学までいきますと、生徒の2/3は鉄壁のガードでいかに意味不明な授業を1時間耐え忍ぶかがテーマになってたりします。

ま、ほんとは高校数学レベルくらいだったら身近なものに置き換えられるんですが、放棄しちゃってる先生が結構おられます。あるいは記述力をきたえる名目で生徒の理解を逸脱した授業を展開する先生もおりますね。ま、仕方ありません。

 

まずは心理的なガードを下げる。興味を持ってもらう。子供の好きなものに置き換えて話をしていくといいです。

リメディアル・フィードバック

とくに算数は地続きの教科ですから、以前の学習内容が頭に入っていないと理解がおぼつきません。

そこで実施するのがリメディアルです。

これは一言で言いますと、前やった内容の確認するよ?、ってやつです。

 

手法は色々ありますが、

「今から簡単なテストするからね〜」

と、小テストを使って実施するのが多いです。

 

予習シリーズ小学4年生算数下第4回の「立方体、直方体」ですと、理解の前提になる単元は上巻の9回「いろいろな四角形」と、同じく上巻の19回「立方体と直方体の性質」です。

心ある講師でしたら、この2回についてチェックを行います。

だって、この2回がよく分かってないと下巻の第4回は理解できませんもの。

 

で、分かっていなさそうなところを発見したらですね、いきなり今回の内容に入らずに以前の学習内容の振り返りを行います。

すなわち、「四角形の面積の求め方」であり「正方形の性質」であり「立方体の面、辺、頂点の数」等なのであります。

 

小学4年生は1ヶ月くらい経つとやった内容の半分以上を忘れています

ですから、忘れているところや理解できていないところを発見して(リメディアル)、振り返り(フィードバック)を行うのが大事なんですよ。

ただ、このへんをよく分かっていない先生はいきなり単元の内容から入ってしまったりします

 

結果として基本を忘れたボンクラ小学生が量産されます。

え?どうすりゃいいかって?

ご家庭での過ごし方が大事、と中学受験の評論家の先生が言っておられますよ。

あるときは家庭学習での親の関わりを否定したり、あるときは親の関与がないとだめと言ったり素晴らしい商売ですよね。

 

えーと、ある単元の予習が難しかったら、その単元に紐づく前の単元をやり直すんです。

どこがどう紐付いているのかはそのうち書きます。超面倒くさいので。

 

ちなみに予習シリーズは「予習してこい!」って立て付けになっております。

塾の授業も予習が前提のはず。

こういうのを反転授業と言ったりしますが、学力差がありすぎると成立しません。

したがいまして公立の小中学校で反転授業をやる教員はあまりいません。

授業の中盤「展開」について

「導入」で抜け落ちている点の発見とフィードバックが終わります。

すると、今回内容にようやく入っていけるんですね。

ここまででおおよそ10分〜15分。

これまでの学習内容を踏まえて、今回はどのように考えていくかを教えるのが「展開」です。

 

展開の方法にもいくつかあります。

1.教師が全解説

2.子どもたちに解き方を考えさせて発表させる

3.さらっと解説後、教え合いを実施

 

1は一番簡単な方法です。

分かっていようが分かっていまいが先に進めて義務教育終了、となりますからね。

まぁ、こういう授業ばかりやってると往々にして義務教育終了なんですが。

 

2もよくある方法です。

子供目線で解いて発表するのでいかにも良さそうな気がしますよね。

これ、見た目はいいんですが本当に分かるのは発表をした生徒と、その周辺くらいになってしまいます。

毎回発表する子は一緒、分かんない子も一緒。

1よりはまだましですが、教室全員の理解は深まりません。

 

3の教え合いは今現在取りうる最も良い手段の一つです。

教わるよりも教えるほうが100倍くらい理解は深くなります

分かる子の学びが深くなり、かつ分からない子にとっては一対一で教わることができるので、全体の理解度が深まるやり方です。

 

先生の役割放棄ですって?

一人で30人以上見るのなんて不可能ですからね。

小さい先生がいっぱいいた方が効率的です。

 

ただし、小さい先生はあくまで小さい先生でして、大きな先生にはかなわないわけです。

そこで、机間指導です。

要はうろちょろ教室をまわって、教え方や教わり方を見て回るんですよ。

 

ちなみに教わるほうの飲み込みが悪いほど、教える方の学びが深くなるんです。

自分が理解している内容を噛み砕いて噛み砕いて、理解をミクロン単位まで落とし込めるからです。つーか、そこまでやらないと理解できない人は理解してくれないんですよ。

 

つまり、ですね。

よく評論家の先生方が「子供に説明させた方がいいです」と言いますよね。その際に親御さんの頭が悪ければ悪いほどいいんです。もっと正確に言いますとどれだけ頭が悪いフリができるかキモです。

「はい、まぁ、そうだよね。だから?」

とか上から目線で聞いてはいけませんよ。

マジで教わる気持ちがないと、成立しないんです。

教わる側が上から目線ですとただの理解度チェックになります。この場合、教える側は正解探しをしますので、テキストの内容通りに教えようとします。

要するに自分の頭を使わなくなっちゃうわけですね。

 

さて、人に教えることで一番得をするのは教える方です。

自分の理解を言語化すると、理解が浅い部分に気づいたり、理解をより深くできます。

ところが、教える方は自分の理解が深まった=教わる方の理解が深まったと勘違いしちゃいがちです。

すると、

「自分はこんなに分かりやすく教えたのになんでわからないのだ!」

こんな気持ちがムクムクわき起こってまいります。

違う違う、ご自分が分かるようになっただけですよ。教わる方の都合を考えておりません。

 

予習シリーズを使って授業をする場合は、さらっと例題で出てくる考え方を説明して問題を解かせる。

で、最後にどうやって解いたのか、そしてどうやって考えたのかを説明してもらうといいんじゃないスかね。

 

さて、一連の「展開」を通して、目当ての単元の考え方を習得させます。

ところが、考え方を習得しただけで使えるものにはなっていません。

そこで最後に「まとめ」をするんです。

授業の終盤「まとめ」について

「まとめ」では算数や数学では適用題を解かせます。

予習シリーズ算数で言うところの類題、基本問題が該当します。

 

理科、社会は実験や調べ物、あるいはまとめプリントを使ったりします。

実験や調べ物は予習シリーズにはありませんが、問題集の「まとめてみよう」が該当します。

 

国語は学校ではまとめて発表とかしますよね。

予習シリーズでは問題演習が該当します。

 

「まとめ」は学習した内容を使えるようにするのと、理解度チェックが目的です。

とくに理解度チェックとフィードバックがとても大事です。

これ、30人以上いる教室では今までほぼ不可能だったのですが、最近ではロイロノートを使ってなんとかかんとかできるようになってきました。これがとても秀逸なソフトでして。

ちなみに私立ですとロイロノート使ってる教員は多いですよ。公立?そうですね、教育委員会のやる気しだいで導入されてたりしなかったりします。要するに運しだいです。

 

普通は「まとめ」で利用方法およびフィードバックを行うんですが、先生がまとめまくるだけの授業もあります。

そういった授業ですと先生の中ではまとまってますが、子どもたちはまとまっていない状態になります。

 

で、最後に

先生「はい、そこまでー!じゃあ今日の大事なところを黒板に書きましたから写してくださいねー!宿題は○ページから○ページまでですよー!」

子どもたち「えー!?」

となって授業は終わります。

さ、これで果たして無事に授業終了と言えますでしょうか?

授業だけで学力は上がらない

うまい授業、巷で言われるところの神授業をしたら学力が上がるのか?というと私はあまり関係がないと思ってます。

実際、うまいこと授業をしても理解してる子はしてますし、してない子はしてません。

そりゃ下手よりは上手な方がいいんですがね。

 

理解力の差、と一言で言ってしまうとそれで終わってしまうんですが、理解力の差がどこで生まれるかというと、

1.興味を持っているか

2.練習が足りているか

の2点です。

 

とりわけ興味を持っているかはとても大事でして、興味があれば練習もします。

授業の仕方をあれやこれやと書きましたが、授業はいかにうまくやるかよりも、いかに興味を持ってもらうかに尽きます。

 

昨今、動画で人気先生の授業配信なんてのもありますが、動画を見るまでが大変です。そもそも興味なかったら見ませんから。

逆に言いますと、動画を見ている子は自分から学習しようとしているわけで、最大の難関である「興味を持つ」をクリアしているんですよね。

 

ではどうやって興味を持つのか、が問題です。

鉄道オタク、辞書オタク、もともと算数が好き、生き物が好き等々、勉強に関連する物事に興味を持っているなら話は早いです。

が、そんな子ばかりではありません。

 

では発想を変えましょう。

私は、興味を持たないと勉強しない、ってのは合っているようでちょっと違うなぁと思っています。

それじゃあ興味を持たなかったら一生勉強しませんよ。運良く興味持てればいいですけどね。

そうじゃなくて、勉強すると興味が出てくる、って発想に切り替えた方がいいと思うんですよね。

 

最初から勉強に興味なんかあるわけないのでして、これはゲームでも料理でもスポーツでもそうです。

初めは観戦したり、少しやってみたりして面白そうとか、うまくなりたいって気持ちを持つじゃないですか。

 

興味を持つための一つの手段として授業があるわけで、ご家庭で授業をしたい人は学習を通した興味づけを大切にして欲しいなと思っております。

謝謝。

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