【中学受験】小学校4、5年生のテストと6年生の模試の違い
学習院中等科、数の性質の整理で解く問題
大きい順に3つの2桁の素数A、B、Cがあります。Bは25より大きい数で、AをBでわったときの余りがCになり、Cを7でわったときの余りは6になりました。
このとき次の問いに答えなさい。
(1)7でわったときの余りが6になる2桁の素数をすべて答えなさい。
(2)AをBでわったときの商を答えなさい。
(3)素数A、B、Cを答えなさい。
引用 学習院中等科 入試問題 算数
はい、これも6年生の模試の応用問題の初歩くらいの問題です。
ではまずは条件整理です。
条件整理の方法その1 書かれている条件を書き出す
問題文で書かれている順番に条件を書き出していきますよ。
・B>25
・A÷B=?・・・C
・C÷7=?・・・6
これだけだと、どうも答えを出すのが面倒くさそうですね。
そこで書かれていない条件を考えます。
数の性質に注目ですよ。
数の性質は当然塾で習います。テキストにも書いてあります。
問題は使えるかどうかです。
大量の演習がものを言う?
そうかもしれません。
ですがね、大量の演習で何を学ぶかが大事ですよ。
ある問題を解くための手法を学ぶのか。あるいは、汎用的な論理性を身につけるのか。
汎用的な論理性なんて難しい言葉を使っちゃいました。
なんかかっこいいかなと思いまして。
言い換えます。
「この条件だったらこうなる」
です。
では、どんな具合で考えていくのか問題を解きながら見ていきましょう。
条件整理の方法その2 書かれていない条件を見つける
・AはBよりも大きい ←A÷Bが成立しているから
・A>B>Cとなる ←A÷Bの余りがCになるから
・素数は「2」以外は必ず奇数になる、よってA、B、Cは奇数である ←数の性質
・Cは25よりも小さい ←A÷Bの余りがCになり、B>25だから
・Cは7の倍数に6を足したものである
↑は書かれている条件から導き出せる条件です。書かれていない条件ですね。
こんなふうにして「この条件だったらこうなる」を導きます。
(1)の問題を解く前にCが簡単に特定できそうです。
が、一応問題に沿ってやっていきましょう。ちなみに(1)みたいな問題を私は親切問題と呼びます。
(1)以降の問題の答えを出すための手がかりを提示してくれてるんですよ。
応用問題によくありがちなパターンです。
(1)を解く
(1)は7でわったときの余りが6になる2桁の素数をすべて答えなさい。
って問題でしたね。
7で割って余りが6になる一番小さい素数は13です。
(1)の答えを出すには13に7を足していって素数を見つければいいです。
が、数の性質に注目しますともっと簡単に素数を見つけられます。
↓な感じです。
偶数+偶数=偶数
奇数+奇数=偶数
偶数+奇数=奇数
つまり、13(奇数)に偶数を足した数字の中にしか素数は存在しません。
「2」以上の素数は必ず奇数になりますからね。
そこで、13に7の倍数で、かつ偶数の14を足していきます。
13、27、41、55、69、83、97
これらの数字はすべて7で割ると6余ります。
この中で素数は、13、41、83、97です。
答え 13、41、83、97
(2)を解く
(2)はA÷B=?・・・C
の?を求める問題です。
ちなみにCは特定できましたね。嘘でしょ?とかお思いですか?くっきりはっきり、モザイクのかかっていないCが丸見えです。
Cは13です。
なぜかって?
Cは25より小さい素数です。
だって、25より大きいBで割って余りが出るんですから、25より大きいわけがありません。
(1)で求めた13、41、83、97の中で25より小さいのは13だけです。
よってCは13になります。
これを式で整理すると、
A÷B=?・・・13(C)
となります。
(2)は「A÷B=?・・・13(C)」の「?」を求めろって問題です。
はてさて「?」にはどんな数が入るでしょうか?
上の式を変形するとこうなります↓。
B×?+13=A
Aは奇数です。だって「2」よりも大きい素数ですから。
13は奇数ですから、B×?は偶数しかありえません。
つまり、B×?は偶数です。
ここでも数の性質を思い出します。
偶数×偶数=偶数
偶数×奇数=偶数
奇数×奇数=奇数
Bは奇数なので、B×?が偶数になるためには?は偶数しかありえません。
そうすると、「?」の候補は2、4、6、8・・・となります。
もし「?」に6が入るとするとB×?は100以上になります。するとAは3桁の数字になってしまいますからダメですね。
A、B、Cはすべて2桁の素数であるのをお忘れなく。
では4は?
これもだめ!絶対ダメ!
だって、B×?が100以上になりますから。Aも100以上になります。
よって、?は2しかありえません。
答え 2
(3)を解く
さぁ、いよいよA、B、Cの正体を暴くときが来ました。
まず、Cは13で確定してますね。
ではAとBは?
(2)で以下の式が成り立つのが分かりました。
A÷B=2・・・13
Bは25よりも大きい素数です。
29、31、37、41、43、47・・・・
とBの候補をあげていけますよね。
このうち2をかけて13を足したときにAが2桁になるBは以下のとおりです。
29、31、37、41、43
実際に上の数字に2をかけて13を足していきましょう。
71、75、77、85、99
このうち素数は71しかありませんね。
よって、Bは29、Aは71と出ます。
答え Aは71、Bは29、Cは13
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