【中学受験】SAPIXの学習教材、時間割、学習要領を学年別に紹介

【中学受験】SAPIXの学習教材、時間割、学習要領を学年別に紹介

SAPIXの合格実績は半端じゃありません。御三家に受かりたいなら(武蔵中学を除く)SAPIX!と言えるくらい飛び抜けています。

中学受験大手4塾の合格実績だけを見るならばこういったところです。1位のSAPIXは早稲田アカデミーをぶっちぎっています。

1位 SAPIX

2位 早稲田アカデミー

3位 日能研

4位 四谷大塚

※四谷大塚を4位としたのはダブルカウントが多すぎ、合格実績があてにならないため

SAPIXの合格実績は以下にて掲載しておりますので参考まで。

【中学受験2018】SAPIX合格実績と各塾合格実績の謎 合格者数合計が明らかにおかしい!

今回はそんなSAPIXの学習指導要領を学年別に紹介していきたいと思います。

使用する教材と時間割

小学1年生

時間割・月謝

週1日 45分×2コマ/週 17280円/月

教材

算数:デイリーサピックス、基礎力トレーニング

国語:デイリーサピックス

※理科・社会はなし

SAPIXで使われるテキストはデイリーサピックスと呼ばれるプリントです。サピックスではその日の授業に合わせてプリントが配布されます。

基礎力トレーニングは要するに宿題です。家で毎日学習するための教材で、算数ですと計算問題と一行問題が中心となります。小学1年生ですと足し算、引き算がきちんとできるようになる、そして速くできるようになることを目的としています。

公文の宿題プリントみたいなものですね。

 

基礎力、つまり計算力は基礎力トレーニングによって身に付けさせ、授業ではデイリーサピックスを使用した思考力の基礎を養うことが主になります。

問題を解く能力ではなく、基礎的な思考力を養成することを主眼とした授業が進められます。

例えば、算数であれば「数」「図形」等の性質を考えさせ、国語であれば「読み」「書き」によって文章を読解する力を身に付ける、といった具合です。

小学2年生

時間割・月謝

週1日 50分×2コマ/週 18360円/月

教材

算数:デイリーサピックス、基礎力トレーニング

国語:デイリーサピックス

※理科・社会はなし

1年生と同じく、算数は「数」や「図形」に慣らせることで算数的な思考能力の基礎を養成するのが主な目的となります。ちょっと固い言い方になってしまいましたね。要するに、「算数が分かるのって楽しい!」という状態を作り出すためですね。

当然ですが、勉強であれ何であれ楽しくなければ続きません。中学受験は一般的には2〜3年の期間、継続して勉強する必要がありますから楽しくなければ完遂させられません。

SAPIXで行われる1年生、2年生向けの授業は子供に勉強って楽しいと感じさせ学習習慣をつけるのが最大の目的です。

 

ですからテクニカルな解き方にはまだ入りません。これは国語においても同様です。

【コラム】学習習慣と分かることの楽しさ

子供が勉強しない、と困っている親御様は多いと思います。中学受験塾に通っていようがいまいが、勉強しない子は勉強しません。

なぜ勉強しないのかはシンプル。つまらないからです。

つまらない理由は分からないからです。逆に言いますと、分かれば楽しくなり、楽しくなれば勉強します。

当たり前のこと言うなって?だってそうなんですもの。さて、勉強が分からない子の多くは「何が分からないのか分からない」状態にあります。

例えば分数が分からない。分数が分からないのは分数の基礎である割り算が分からない。割り算が分からないのは割り算の概念が分からない(数字で数字を割ることの概念が分からない)。割り算の概念が分からないのはその基礎である掛け算と掛け算の概念が分からない。掛け算の概念が分からないのは足し算と掛け算の違いが分からない。

といったように紐解いていくと分数が分からない理由の根本にあるものが見えてきます。分数を分かるようにするために足し算からやり直すとか、掛け算を分かるようにするとか、何が元となって分数でつまづいているのかを特定する必要があります。

だから、以前に書きましたが、根本的な分からないところまで戻って、つまりいったん縮んで学習し直す必要があり、その分からない箇所をクリアしていくと今目の前にある分からないことが分かるようになります。

学習というのはシンプル、原理原則に基づいています。

偏差値30からの中学受験 教科別弱点学習法と個別指導塾・家庭教師の選び方

小学3年生

時間割・月謝

週1日 60分×2コマ/週 20520円/月

教材

算数:デイリーサピックス、チャレンジサピックス、基礎力トレーニング

国語:デイリーサピックス、チャレンジサピックス

理科:デイリーサピックス(サイエンス・ウォッチ)

社会:デイリーサピックス(ソシオ・スコープ)

 

小学3年生にしてついに4科目になりました。でも週1日は変わらず。しかも2コマです。なんかおかしいですね。そう、小学1、2年生は週2コマで国語、算数の2科目なのに、小学3年生は週2コマで国語、算数、理科、社会の4コマなのです。

月になおしてみますよ。月間で小学1、2年生は合計8コマ、算数4コマ、国語4コマ。

対して小学3年生は月間で合計8コマ、算数2コマ、国語2コマ、理科2コマ、社会2コマと、算数と国語のコマ数が減っています。

内容が難しくなるのにコマ数減らしていいのか?といった気もしないではないですが、その分算数と国語でチャレンジサピックスなる教材が追加になっています。

 

チャレンジサピックスというのは授業の中で使う教材で、算数だと計算問題が中心。国語だと単語と漢字の学習のための教材です。

「チャレンジ」という割には基礎力養成のための教材となっております。

小学4年生

時間割・月謝

週2日 60分×6コマ/週 39960円/月

教材

算数:デイリーサピックス、基礎力トレーニング、基礎力定着テスト

国語:デイリーサピックス、言葉ナビ

理科:デイリーサピックス

社会:デイリーサピックス(ソシオ・スコープ)

 

さあ、4年生。中学受験勉強はここから本番を迎えます。週2日、6コマ/週にパワーアップ。

ん?週6コマ?そうです。1日あたり3コマやるんですよ。時間帯は17時〜20時まで。半端じゃねえっす。9歳、10歳の子供が17時〜20時まで塾に通うんですよ。

迎えに行って、帰ってきたら20時30分。ご飯食べたら21時。お風呂入ったら21時30分。就寝時間は22時???

おいおい、DSやる時間はどこにあるんだ。SWITCHやる暇なんてないぞ。塾に行く日はイカにペンキ塗る時間もございません。

 

教材では算数で新たに「基礎力定着テスト」と、国語で「言葉ナビ」が追加されました。国語はなぜか「チャレンジサピックス」じゃ無くなってるんですね。

算数の基礎力定着テストは、授業前の30分で行われる復習テストです。復習してないと解けない問題が出題されます。復習中心とうたうSAPIXならではの試みですねえ。

こいつは復習やってれば解ける代物ではありません。デイリーサピックスで学んだ解法や解法パターンをしっかり身につけた上で、そこから応用を効かせていかないと解けません。

ただね、テストっていうのは本番以外はいい点数とるのが目的じゃないんですよ。自分の弱点を発見するためのツールがテストなんです。だから基礎力定着テストが解けなくてもOK。むしろどこでつまづいたのかを分析して、解けない理由とその対策をひねり出せれば大丈夫です。

ひねり出すのは親御様の役割です。そりゃそうでしょ。20時まで授業受けて、22時に就寝する子供に分析までやらせるのは酷というものです。

 

国語で使われる「言葉ナビ」というのは慣用句とかことわざの暗記学習用の教材です。

はい、暗記でたー。ちなみに暗記バカにしてませんか?違いますね。暗記は全ての学習の基礎です。暗記以上に効率的な学習方法はありません。

それはさておき、国語では「言葉ナビ」を使って分からない慣用句やことわざを覚える訓練をし、長文読解で分からない表現を潰していきます。

【コラム】暗記をバカにすんな

思考力とかいう言葉に騙されて暗記をバカにしてませんか?暗記を旧態依然とした学習方法だと理解していませんか?

違いますよ。暗記は全ての基礎です。

解法を暗記しているから、言葉を暗記しているから、初めて思考力が働くんですよ。国語の文章中の単語が分からないのに文章の意味は分かりません。同様に解法が分からないのに算数の答えは導けません。全ての基礎が暗記にあるのはこれが理由です。

とにかく暗記してください!解法、解法パターン、ことわざ、漢字、慣用句、まずはぜーんぶ暗記してから応用に移りなさい。二乗の計算だって、50×50くらいまでは暗記しちゃえばいいんです。

 

で、暗記の方法ですが、1日で全部暗記してください。「言葉ナビ」だったら1週間で暗記しなければいけない慣用句やことわざを1日で暗記してください。100個もあるから無理?

甘えんな。

やる気になりゃ、例えば英単語だったら1000個、派生語も含めて3000個くらい1日で暗記できます。100個なんてしょぼいもの。ちなみに私は特別な人間じゃなく、ごくごく平凡な人間です。それでも1日で派生語も含めて3000個くらいは英単語の暗記できましたよ。

 

暗記の方法を教えます。

唱えて書く。唱えて書く。唱えて書く。それだけです。一つの慣用句やことわざを唱えながら書く、その慣用句やことわざの意味を唱えて書く。それを一つにつき20回程度は繰り返します。

100個やったら頭がクラクラする?そうしたら寝てください。翌日もう一回唱えて書く。唱えて書く。唱え書く。前日よりはスムーズになったでしょう?

次の日は慣用句やことわざの意味を隠してください。

隠した上で慣用句やことわざの意味を口にしてください。6割くらいは答えられるんじゃないですか?そう、その調子。その6割はしっかり身についてます。問題は残りの4割です。

次の日は残り4割の慣用句やことわざを50回唱えて書く。唱えて書く。唱えて書く。その日のうちに、もう一回、残りの4割の意味を隠して口にしてください。答えられないのが1割くらいに減るはずです。そうしたら速やかに寝てください。

次の日は4割の、意味が答えられなかった慣用句やことわざの意味を隠して口にしてください。2割くらいが答えられないと思います。はい、それじゃあいきますよ。残りの2割を100回唱えて書く。唱えて書く。唱えて書く。

そうすると意味が口にできない慣用句やことわざが10未満になるはずです。

10未満の慣用句やことわざは何か別のものに記録しておいてください。暗記カードみたいなものが望ましいですね。その10未満は頭に入りにくい慣用句やことわざです。覚えたと思ってもすぐ忘れてしまいます。印象に残りにくい、もしくは分かりにくいからです。

こんな作業を続けていると覚えにくい慣用句やことわざだけが詰まった宝のような暗記カードが完成します。

実はすぐに覚えてしまった慣用句やことわざはたまに見返すだけで記憶に定着します。ところが、宝の詰まった暗記カードは記憶に定着しにくいのです。だから何度も何度も見返して覚えちゃうんです。

小学5年生

時間割・月謝

週3日 90分×6コマ/週 50760円/月

教材

算数:デイリーサピックス、デイリーサポート、基礎力トレーニング、基礎力定着テスト

国語:デイリーサピックス、言葉ナビ

理科:デイリーサピックス、理科コアプラス

社会:デイリーサピックス、社会コアプラス

 

おお、60分が90分になりました。週で見ますと、算数2コマ、国語2コマ、理科1コマ、社会1コマ。10歳か11歳の子供が1コマ90分、20時まで授業を受けるわけですよ。

泣けてきます。

ちなみに5年生の一年間で中学受験で必要な解法は全て網羅します。5年生までで全ての基礎が終わるということです。つまり、新小学5年生が中学受験塾に入塾して私立中学を志すリミットです。

6年生から入塾したとしたらいきなり応用問題に放り込まれます。

無理っすよ。

6年生から中学受験を始めるのは無理ゲーです。だから本気で私立中学に入れたいと思ったら5年生までに塾に放り込んでください。6年生になったら普通は手遅れです。

 

5年生になると新たに算数でデイリーサポート、理科・社会でそれぞれ理科コアプラス、社会コアプラスという教材が追加されます。

 

デイリーサポートというのは授業でやる問題が表、全く同じ問題が裏面に記載されています。裏面は家庭学習用です。しかもろくな解説が付いていないという代物です。

サポートする気あんのか、SAPIX。

しかしこれには狙いがあります。バッチリ解説が書いてあったら授業なんて聞かないでしょう。よもや授業の内容を思い出すなんてしないでしょう。

この狙いは授業の内容を思い出し、反芻することで解法を頭と体に定着させる点にあります。

 

SAPIXに通う全生徒、そしてその親に言いますが、デイリーサポートは真面目にやってください。授業の内容を思い出しながらやってください。授業中に講師が解説する内容をしっかり書いて、家庭のデイリーサポートを解くために役立ててください。

学習の原理原則は反復にあります。反復して解き方を体にしみこませるのです。それにはうってつけの教材がデイリーサポートです。

 

理科・社会のコアプラスは中学入試で頻出する理科・社会の知識を徹底暗記させるための教材です。量が多すぎる?覚えきれない?

バカか。覚えるんだヨ!

分けて覚える?アホか!一気に覚えて、反復しまくるんだよ!分けて覚えてどうする。覚える作業はいっぺんにやるのが原則です。そして反復しまくるのです。

小学6年生

時間割・月謝

週2日 80分×6コマ/週 58320円/月

※上記は平常授業、別途、土曜志望校別特訓(通称 土特)がある

教材

算数:デイリーサピックス、デイリーサポート、ウィークリーサピックス、サンデーサピックス、基礎力トレーニング、基礎力定着テスト

国語:デイリーサピックス、ウィークリーサピックス、サンデーサピックス

理科:デイリーサピックス、ウィークリーサピックス、サンデーサピックス、理科コアプラス

社会:デイリーサピックス、ウィークリーサピックス、サンデーサピックス、社会コアプラス

 

さあ、ものすごいことになってきましたね。

ウィークリーサピックスとサンデーサピックスが各教科で追加されました。

ウィークリーサピックスとは平常授業とは別に開催される「土曜志望校別特訓」で使用するテキストです。

サンデーサピックスとは難関校合格のために日曜日に行われる特別授業で使用するテキストです。

 

なんとサンデーサピックスは月謝に含まれていません。日曜日は朝9時から18時45分まで授業やります。9月から1月の半期にわたって行われる授業で、全18回で263520円が平常授業とは別にかかります。これじゃあ、笑点も鉄腕DASHも見られねえ。食事は毎日お粥だぜ。世の親ども覚悟しやがれ。

 

ちなみにその他にも特訓はいっぱいあります。

GS特訓(ゴールデンウィークの特訓)、春期講習、夏期講習、夏期集中志望校錬成特訓、冬期講習、正月特訓。

ジーザス・・・。いくらあったら足りるんだ。

6年生の一年間で130万は見ておくといいですね!宝くじで一発当てれば余裕で払える費用です。

 

なんてこった。

学力が足りない?違う、金がない

というわけでSAPIXの紹介です。全部きちんと学習すると御三家に受かります。でも5、6年生にもなるとすごい分量になりますから、よほどの克己心がないとこなすのは不可能です。

しかも金が虫けらのように飛んでいく・・・。

年間130万の費用がかかって、それだけでカツカツなのに家庭教師雇うのなんて選ばれた家庭しかできません。

 

ではどうするか。

中学受験の学習なんてものは裏側のロジックさえ分かれば大したことはありません。

牽強付会ではございますが、このブログでは裏側のロジックを明らかにして、どうしたらお金がない親御様が御三家にお子様を入れられるかを解説するのが本分であり、私はそれを教えられるスキルがあると考えています。少なくとも算数と国語は。

 

それはさておき、今日も早稲田アカデミーから資料が届きましたので、こいつをもとに早稲田アカデミーにツッコミを入れていきますよ。

え?なんで日能研は詳しい解説がないのに、SAPIXは詳しく解説しているのかって?察してくださいよ。察し、これすなわち読解力。

塾別の比較とどの塾に入れたら良いのかはこちらから参照ください。

【中学受験】塾の選び方決定版 日能研、SAPIX、早稲田アカデミー、四谷大塚の特徴比較

SAPIXの入室テスト、費用についてはこちらでまとめてます。

【中学受験2018】最強受験塾SAPIXの入室テスト対策と費用(月謝)

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