【中学受験2018】SAPIX合格実績と各塾合格実績の謎 合格者数合計が明らかにおかしい!

2018年の合格実績にツッコミを入れる企画。
ちなみに2019年度合格実績にもツッコミを入れております。
今回は泣く子も黙るSAPIXに資料請求いたしまして資料が届きましたので、ツッコミを入れながら2018年合格実績を紹介していきたいと思います。前回の日能研では、四次元学びワールドに強制転移させられてしまいましたが、今回は強い気持ちでのぞんでいきたいと思います。
費用や教材、指導方針、カリキュラム等多角的に書いていきたいのですが、そもそもの合格実績で疑問が溢れ出てきましたので今日はそこから。
SAPIX小学部 2018年度中学入試合格実績
分かりやすい!封を開けたらまずは合格実績です。日能研の資料を最初に読んだので、SAPIXの分かりやすさが際立ちます。
御三家のみ合格実績を紹介します。
男子校
開成 263名
麻布 181名
武蔵 46名
女子校
桜蔭 164名
女子学院 141名
雙葉 51名
この合格実績凄すぎませんか?
あまりに凄すぎるSAPIXの合格実績、ふと思い立ってこれら6校の学校発表の全合格者数を調べてみましたよ。
男子校は、開成388名、麻布378名、武蔵185名。
ん?少々気になりますが、先に進みましょう。
女子校は、桜蔭280名、女子学院275名、雙葉120名
んん?あまりにSAPIXの合格者の割合が多すぎませんか?
表にしてみます。
中学名 | SAPIX合格者数 | 全合格者数 | SAPIXの合格者割合 |
開成中学 | 263名 | 388名 | 67.8% |
麻布中学 | 181名 | 378名 | 47.9% |
武蔵中学 | 46名 | 185名 | 24.9% |
桜蔭中学 | 164名 | 280名 | 58.6% |
女子学院中学 | 141名 | 275名 | 51.3% |
雙葉中学 | 51名 | 120名 | 42.5% |
ええ?何ですかこれは。SAPIXの合格者割合が50%を超えている中学が御三家の半分、開成中学、桜蔭中学、女子学院中学の3校。開成中学にいたっては約7割。えげつない実績ですね。
すると、開成中学に入ったらクラスの約7割がSAPIX出身者?少なくとも半分以上はSAPIXで占められていると覚悟しなくてはなりません。
この実績ですと、もはやSAPIXを御三家の付属小学校にした方がいいくらいだと思いましたよ。
もうちょい気になったので、開成中学だけ他の中学受験塾の実績を調べてみました。大手4塾のみに絞ってます。
塾別開成中学合格者数
塾名 | 合格者数 | 全合格者に占める割合 |
SAPIX | 263名 | 67.8% |
四谷大塚 | 103名 | 26.5% |
早稲田アカデミー | 93名 | 24.0% |
日能研 | 42名 | 10.8% |
大手4塾の合格者数の合計 | 501名 | 129.1% |
開成中学全合格者数 | 388名 | 100.0% |
ほら、やっぱりおかしい。開成中学の全合格者数よりも各塾の合格者数が上回ってますよ。この他にも浜学園とか希学園とか栄光ゼミナールとか市進学院とかありますが、それらを省いてもこんな感じです。
こんなことになるには各塾が嘘ついてるか、合格者のダブルカウントがあるかのどちらかです。
各塾の合格実績の定義
こんなおかしなことになっているのは合格実績の定義に問題があると考え、実績の定義を調べていきましたよ。てゆうかこんなこと調べさせんな。
SAPIX
内部生手続きを行い、継続的かつ2018年1月まで在籍した生徒のみを合格実績として掲載しております。テスト生や各種講習生などは、実績に含んでおりません。
四谷大塚
合格者数は、四谷大塚ネットワーク(四谷大塚・YTネット・四谷大塚ネット)に継続的に在籍し、四谷大塚が開発した教材および教育システムで学習した生徒を対象として集計しております。
※YTネット、四谷大塚ネット:四谷大塚の準拠塾や四谷大塚のテストを受けている生徒を含むという意味です。
早稲田アカデミー
早稲田アカデミー・国研・SPICA・MYSTA・早稲田アカデミー個別進学館、及び早稲田アカデミーシンガポール校に、塾生として正規の入塾手続きを行い、受験直前期まで継続的に在籍し、授業に参加した生徒のみを対象に集計しています。
テストのみを受験した生徒、夏期合宿・正月特訓・その他選択講座のみを受講した生徒は、一切含んでおりません。
日能研
定義が書いてません。
さすが日能研。期待を裏切りませんね。
「みんなが開けたドアの数」を紹介しているのに「みんな」が誰なのかさっぱり分からないのは、ミライを担う子供たちに定義なんて不要!と解しているからでしょう。
とはいえ、日能研は直営店舗しかなく特別講習や日能研のテストは入塾しないと受けられませんので入塾者のみが合格実績に含まれると理解しておきましょう。
ダブルカウントの正体を探る
四谷大塚は直営と準拠塾に分かれております。準拠塾というのは緩いフランチャイズみたいなもので、四谷大塚のテキストである「予習シリーズ」をもとにしたテキストを作成している(もしくは予習シリーズそのものを使用している)塾です。
大手4塾のうち、早稲田アカデミーは土曜YT講座など、四谷大塚と関連性があります。この2塾でダブルカウントが発生しているものと考えて間違いないでしょう。
バッサリ、四谷大塚の合格実績を省いてみます。本当は直営もあるので、省いたらいけない人たちも省いてしまうのですがこの際仕方ありません。
ではいきます。じゃじゃん。
501名(大手4塾合計)-103名(四谷大塚合格者数)=398名
・・・なぜですか。これでも開成中学の全合格者数の388名を上回っていますよ。
四谷大塚合格者数を省いたことで、「早稲田アカデミー×YTネット」を省けたはずです。もしくは、あり得ない想定ですが「SAPIX×YTネット」「日能研×YTネット」も省かれたはずです。過去に四谷大塚準拠塾に通っていたり、過去にYTネットに入っていた会員でSAPIXに転塾、もしくは日能研に転塾も省けたはずです。
もはや意味不明です。
というわけで更に考えていきます。
ダブルカウントが発生する可能性
転塾した生徒をダブルカウントしている
これはあり得ますね。少なくとも「日能研→SAPIX」「日能研→早稲田アカデミー」「早稲田アカデミー→SAPIX」「早稲田アカデミー→日能研」はありえます。
※四谷大塚はダブルカウントの可能性がありすぎて、もはや四谷大塚としての合格実績には信頼性が無いと言っても過言ではないでしょう
ただし、「SAPIX→日能研」「SAPIX→早稲田アカデミー」はほぼないでしょう。SAPIXの合格実績では「2018年1月まで在籍した生徒」と明言しているからです。2月にテストを控えているのに1月にSAPIXから他塾へ転塾させるのは考えにくいです。
ダブルスクール
「SAPIX+日能研」「SAPIX+早稲田アカデミー」「日能研+早稲田アカデミー」は僅かながらあり得ます。とはいえ、週4日同じような時間帯に授業をしているのにダブルスクールで塾に通うのは難しいですね。
例えばSAPIXで4科目取っていて、日能研で2科目、週6日塾に通っているみたいな感じでしょうか。うーん、現実味に欠けますね。
合格実績不整合の結論
転塾とダブルスクールによるものだとしても、他の塾も含めた全塾の合格実績と学校が発表している全合格者数を付き合わせてみると不自然すぎます。
そこで、推論から合格実績の実態を導いてみました。
塾の合格実績は基本的に生徒の親へのアンケートや電話での聞き取りによって集計されます。
その時には合格証明書を見せろ、とは聞かれないことが普通です。
つまり、生徒の親の証言が頼みになっています。
この事実から推察するに、親が見栄を張って「合格した!」と言ったか、アンケートや聞き取りを実施した塾関係者が合格実績を作りたいがあまりに合格実績に含めるべきでない生徒まで含めてしまったかのどちらかです。
前者を「儚い親心」と言い、後者を「水増し」と言います。
これくらいしか合格実績の謎は説明できないです。それくらい乖離しています。この推論はそれほど間違ってはいないでしょう。
それでも際立つSAPIXの合格実績
だとしても、SAPIXの合格実績は異常です。開成中学付属小学校、桜蔭中学付属小学校と言ってもいいくらいです。なぜ、これほどまでに開成中学や桜蔭中学に強いのか。
せっかく資料をもらったので調べていきたいと思います。
併せて費用(月謝)もご参照ください。
SAPIXの教材、時間とかはこっち。
ついでに日能研も。
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