【中学受験】算数で式を書かないのはなぜだ?式を書く大事さ

【中学受験】算数で式を書かないのはなぜだ?式を書く大事さ

「式書けやぁ!」

「なんで書かなきゃならないんだYO!」

「式書かないからここ間違えてるでしょ!なんで式書かないの!言うこと聞けないんだったら塾なんかやめさすわよ!」

 

おっとっと、クールダウン、クールダウン。

算数で式を書かないのはおたくのお子さまだけではございません。

日本中、式を書かない子どもがびっしりと存在しております。

ポツンと一家庭、ではございません。

 

我が家もそうでしたよ。

100回以上、式を書けと言いましたが書かないしなぜか消す始末。

 

貴様!書かないのは百歩譲って分かるがなぜ消す!?

 

一度問い詰めたことがあるんです。

「だって面倒くさいし、かっこ悪いし、暗算でやった方が早いじゃん!」

 

ちょっと待て。

 

かっこ悪い?暗算の方が早いだと?

こんなに間違えておいて何を言う。

もうね、怒り新党。

スーパーなんとか君の代わりに国政に打って出て、暗算禁止法令を出すぞとトチ狂うくらい。

式の夢も見ましたよ。もちろん悪夢。

 

塾の先生は、

「私たちも式を書くように指導してますから。式を書く大事さをご家庭でも伝えてあげてください」

と。

 

はぁー!?うっせぇわ。

こちとら100回式を書けと言ううちの75回くらいはメリットも含めて言っとるがな。

 

ところがある時から式を書き始めました。

まるでルネッサンス。

喜ぶどころか狼狽してしまいましたよ。

 

さぁ、この間に何があったのか、山田ルイ13世と一緒に語りますよ。

式を書き始めた時の問題

記念すべきadventの瞬間は旅人算を解いていた時だったと記憶しております。

旅人算を理解するコツは絵を描くこと。

とにかく絵を描け〜、と言って絵を描かせておりました。

 

すると、絵を描いて、速度と距離を求める最中になぜか式を書き始めたんです。

 

ん?

 

「こっちの人の速さは××で、こっちの人との距離は××で、だから・・・」

となんだか今まで聞いたことのないような論理的な独り言を言いながら式を書き始めたんですよ。

 

ついにクララが立つのか!?

 

絵の中で起きている事象を式に直し、またその式をもとに次の式をたて、答えまでたどり着いて一言

「これ合ってる?」

合ってるとも。お前の11年間全て正解だ。

 

後になって、なんであれだけ式を書けと言ってきたのに書かなかったのか、そしてなぜ旅人算を解いている最中に式を書き始めたのか、分かったような気がいたしました。

中学受験の算数で式を書かなくちゃいけない理由

算数では式を書けとよく言われますよね。

間違えないため?解けるようになるため?

 

うーん、どうも本質をついていないような気がいたしますね。

 

えーっとね、中学受験の算数って計算の速さや正確さを競うものじゃないんです。

ま、それも大事ですけど。

 

ましてや暗算できるかどうかなんてどうもでもいい。

 

本当に問われているのは論理的に解を導けるかどうか

 

論理的な解を導く、というのは与えられた条件を整理して順序立てて組み立て、矛盾や飛躍のない過程を経て答えを導くこと

計算力ももちろん必要ですが、それは脇役。つまり遠藤憲一。

 

で、式を書く、いえ書けるってのは組み立てる作業ができるってことなんです。

 

いくら条件を整理できたとしてもそれを式に変換して組み立てられなければ解は導けません。

そして、作問した教員は論理立てて解を導けるか試しているんです。

式書かなきゃチャレンジの土台にすら上がれません。

 

もちろん自分のためでもあります。

頭の中で組み立てた論理を形式に落とし込み、計算し、検証する、そういったことは式を書かなければできません。

 

中学受験の泥沼にはまり込んだ以上、式を書く営みは必須。

暗算が全く必要ないとは言いません。

例えば分数を小数に直す時にはいちいち立式しません。

典型的な数値は覚えておくといいですが(例えば1/8が0.125に変換できるとか)、非典型的な文章題を全て暗算で解くのは良くありません。

 

しかしながら、困ったことに中学受験の勉強を始めるまでは暗算で解ける技術を特別視されたり、「すごいね」と褒められる経験をしてまいりました。

 

それがですよ。

中学受験を始めた途端に、

「暗算なんかするな!」

と言われても子どもにとったらなんのこっちゃ、です。

 

今まで暗算すごいねって言ってきたよね?

計算速いって褒めてきたよね?

 

体制崩壊ですよ。

なぜか今まで褒められてきたことが褒められない、それどころか罵倒される。

子どもにとってみたらたまったものじゃありません。

 

まるでベルリンの壁崩壊。大政奉還。

算数の式を書かせるためには

常識が非常識に、SがMに、ZARAばっかり着てたママがクロエに・・・!ボリスヴィアン?

 

それくらい子どもにとって意味わからないのが式を書く営みです。

「式を書くとこんないいことあるよー」

「式を書く重要性はだな、かくかくしかじか」

 

はい、こんなん子どもに話して式を書きますか?

書きせんよね。

 

理屈で大攻勢をかける塾の先生は、

「式を書けと指示するだけじゃなくて、式を書く利点も合わせて伝えてください」

いやね、それで書けるようになるんだったら苦労しませんよ。

一度家庭での惨状を見せてあげたいくらい。

 

とはいえ式を書かせるようにしないと小学5年生あたりから本格的に困るのは自明の理。

たまたま旅人算を解いている最中に式に目覚めたのならいいですが、再現性はありませんよね。

 

ところで、どうして旅人算の最中に式を書き始めたんでしょう。

そこに式を書かせるためのヒントがあるような気がいたします。

 

「絵を書いててさ、なんか解けそうだなーって気がしたんだけど、難しくて。だから、分かりやすいようにしていこうと思って、何かないかなって考えてさ。書けばいいのかなって思ったんだよ。だから式を書いてみて、色々やったら解けるって分かって。でも、これ先生に見られるの恥ずかしいな」

 

以降、式を書くようになりました。

何が要因だったのか。

 

一言で言います。

成功体験です。

 

一度式を書いてうまくいったからやるようになった。

それ以上の理由はありませんでした。

 

論理もメリットも強制も子どもにとっては全然響かなくて、それでも式を書くようになった理由はシンプル。

「うまくいったから次も同じようにやってみよう」

 

つまり、算数の基本である式を書く習慣の第一歩は、

成功体験をつけさせる

これに尽きるかと。

具体的にどうやって成功体験をつけさせるか

簡単な問題をチョチョイと解く。

これ、成功体験ですか?

違いますよね。

 

成功体験は本人のレベルよりも少し上のレベルをクリアした時に得られるものです。

チョチョイと解くのは作業です、成功体験ではありません。

 

したがって、式を書かないと解けない問題を与えて、その途中で気付かせるしかない。

式を書くなんて大人からしたら当たり前の技を子どもは必要性も重要性も頭で理解できないのですから、体で理解させるしかない。

 

だから、苦手な問題や少し難しい問題を与えて、式を書くように誘導し成功体験をでっち上げる。

「式を書いたら分かりやすくなったね!」

と、満面の笑み。腹黒い本性。

 

そんなん面倒臭いって?

 

いいでしょう。

 

こんな方法はいかがでしょうか?

採点時に式を書かなかったら×にする。容赦無く×にする。

あー、ちなみに私はそんなんやったことありませんし、やりたくもありません。

うまくいくかも分かりません。

 

勉強って人が強制したり教えるものじゃなくて、本当は気づくものなんです、本人が。

気付かせるためだったら何でも仕掛ける覚悟を持って中学受験にのぞむ。

 

親はプロデューサーであり、マネージャーであり、忍者である。

あ、ハットリくんの真似しなくても大丈夫ですからね!

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