【中学受験】楽しい理科 水溶液④ 問題演習

【中学受験】楽しい理科 水溶液④ 問題演習

水溶液を3回ほどあれやこれやと説明を加えながらやってきました。

こんなんで解けるようになるのかよ?とお思いかもしれませんので、一度問題演習をはさみます。

 

身につけた知識をどう使っていくのか、どう解くのか。

カギは条件整理にあります。

 

今回は前の3回でつけた知識で問題を解くための条件整理を中心にやっていきます。

問題① 基本問題

問1 基本問題

食塩水、アルコール水溶液、砂糖水がそれぞれA、B、Cのビーカーに入っています。

A、B、Cのビーカーに入っている水溶液がどれかを調べるため、以下の実験を行いました。

実験1:A、B、Cそれぞれの水溶液に電気を通したところBの水溶液のみ電気を通しました。

実験2:A、B、Cそれぞれのビーカーをゆっくりと温めて蒸発させ、冷やしたところ、BとCのビーカーの底に白い固体が残りました。

 

(1)Bの水溶液にBTB溶液を加えるとBTB溶液は何色になりますか。

(2)A、B、Cそれぞれのビーカーに入っている水溶液を答えなさい。

まずは肩慣らしだ。

簡単な問題からいこう。

 

おっと、簡単だと言ってなめちゃいけない。

難しい問題を解くには簡単な問題をきちんと解けないといけない。

そして簡単な問題を解くプロセスと難しい問題を解くプロセスはほぼ同じだ。

単に条件が複雑になるってだけなんだ。

 

では解いていこう。

実験1から分かること

実験1から電気を通すのはBのビーカーの水溶液のみだって分かるね。

つまりBのビーカーに入った水溶液は食塩水だ。

食塩水、アルコール水溶液、砂糖水、これらのうち電気を通すのは食塩水のみだからだ。

実験2から分かること

次に実験2だ。

BとCのビーカーの底には固体が残った。

つまり、固体を水に溶かした水溶液ってわけだ。

固体を水に溶かして蒸発させると固体が残る。

 

固体を水に溶かしたのは食塩水か砂糖水だ。

Bは実験1より食塩水だと分かっているから、Cは砂糖水しかない。

よって、Cは砂糖水。

実験1、2から分かること

Bは食塩水、Cは砂糖水、そして消去法でAはアルコール水溶液。

これで(2)の答えが出てしまったね。

 

では(1)の問題にいこう。

中性の水溶液はBTB溶液を緑色にする。

Bは食塩水で、中性だ。

つまり、(1)の答えは緑色。

 

ここまではいいだろう。

簡単すぎてあくびが出るかもしれない。

ここでやっていたのは条件整理ってやつだ。

問題文で与えられた条件を持っている知識と照らし合わせて整理していく。

表に書き出すのは最高のやり方だ。

 

では次にこんな問題をやっていこう。

問題② 標準問題

問題2 標準問題

炭酸水、食塩水、砂糖水、塩酸、アンモニウム水、水酸化ナトリウム水溶液、ホウ酸水がA〜Gのビーカーに入っています。

A〜Gのビーカーに入っている水溶液がどれかを調べるため、以下の実験を行いました。

実験1:A〜GのビーカーにBTB溶液を加えたところC、E、Fのビーカーが黄色になりました。

実験2:A〜Gのビーカーを温めて蒸発させ、冷やしたところB、C、D、Gのビーカーの底に固体が残りました。

実験3:A〜Gのビーカーのにおいをかいだところ、AとEから鼻をさすようなにおいがしました。

実験4:A〜Gのビーカーにフェノールフタレイン溶液を加えたところAとDの水溶液の色が変わりました。

 

(1)実験1〜4では分からない水溶液をA〜Gの記号で答えなさい。

(2)(1)で分からなかった水溶液がどれなのかを調べる方法を以下から選びなさい。

ア ムラサキキャベツ液を加える

イ 水溶液にたまごのカラを加える

ウ 鉄粉を加える

エ 電気を通す

(3)石灰水を入れると白くにごる水溶液をA〜Gの記号で答えなさい。

(4)A、C、D、E、Fの水溶液を全て答えなさい。

これも条件整理をすると簡単に答えが出てくる。

基本問題よりちょっとだけ難しくなっているような気がするのは条件が複雑になっているからだ。

 

でも大丈夫。

きちんと整理すれば解ける。

じゃあいくよ。

実験1から分かること

BTB溶液が黄色になるってことは酸性の水溶液だ。

つまり、C、E、Fは酸性。炭酸水か、塩酸か、ホウ酸水のどれかだ。

 

BTB溶液の色の変化は基本知識だね。しっかり覚えておこう。

【中学受験】楽しい理科一問一答 水溶液② 水溶液の性質の表と覚え方

実験2から分かること

B、C、D、Gからは固体が析出したんだね。

ということは固体が溶けている水溶液ってことだ。

つまり、食塩水、ホウ酸水、水酸化ナトリウム水溶液、砂糖水のどれかだ。

 

このうち、Cは酸性で固体が溶けている水溶液だってことが分かる。

酸性の水溶液は炭酸水、塩酸、ホウ酸水のどれかだったよね。

ってことは、Cはホウ酸水しかない。

炭酸水は二酸化炭素、塩酸は塩化水素という気体が溶けている水溶液だからだ。

実験3から分かること

AとEからは鼻をつくようなにおいがした。

この中で鼻をつくようなにおいがするのは塩酸とアンモニア水だけだ。

そして、実験1よりEは酸性、Aは酸性以外だね。

 

つまり、Eは塩酸、Aはアンモニア水だと分かるわけだ。

そして酸性の水溶液のうち、CとEがホウ酸水と塩酸だって分かったから残りのFは炭酸水だ。

実験4から分かること

フェノールフタレイン溶液はアルカリ性かどうかを判定する指示薬だったよね。

AとDの色が変わったということはAとDはアルカリ性だってことだ。

Aはアンモニア水だと分かっているから残りはD。

 

炭酸水、食塩水、砂糖水、塩酸、アンモニウム水、水酸化ナトリウム水溶液、ホウ酸水のうち、アンモニア水以外でアルカリ性の水溶液は水酸化ナトリウム水溶液のみだ。

つまり、Dは水酸化ナトリウム水溶液。

実験1〜4で分かる水溶液

Aはアンモニア水、Cはホウ酸水、Dは水酸化ナトリウム水溶液、Eは塩酸、Fは炭酸水。

分からないのはBとGだけだ。

 

つまり(1)の答えはBとG。

整理する方法と解くコツ

さあ、ここまではいいかな?

水溶液の基本的な性質を知っていれば解けてしまう。

だけども、もしかしたら頭がこんがらかってしまっているかもしれない。

 

そういう時は表を書くんだ。

頭の中だけで解こうとしてはだめだ。

整理するためには書く。

それが条件整理の鉄則だ。

算数だって条件整理するときには絵を描こうと僕は言った。

必ず書く。

【中学受験】算数が苦手な子のための奥義 問題文の条件整理 苦手を克服しよう

では水溶液の問題の場合はどう書いて整理するかをやっていこう。

 

結論から言ってしまう。

表にするんだ。

下に表を書いてみたよ。

実験ABCDEFG
①酸性××××
②固体×××
③におい×××××
④アルカリ性×××××

こんな立派な表じゃなくても構わない。

僕が問題を解くときだって、サササッと書く。

自分が分かればそれでいい。

 

このような表にすると、

 

Aはにおいがあってアルカリ性だからアンモニア水

Cは酸性で固体が溶けているからホウ酸水

Dはアルカリ性で固体が溶けているから水酸化ナトリウム水溶液

Eは酸性でにおいがあるから塩酸

Fは酸性で、塩酸、ホウ酸水以外、かつ固体が溶けていないから炭酸水

 

と分かるはずだ。

 

いいね。大事なことだからもう一度言っておく。

条件整理するときは絵や表を書くんだ。

分からなかったBとGをより分ける方法

BとGは食塩水か砂糖水だ。

この2つの違いは何にあるんだっけ?

両方とも固体が溶けている。

だけども、食塩水は電気を通すし、砂糖水は電気を通さない。

 

だからBとGをより分ける方法は電気を通すかどうかだ。

なめてみてもいいけど、選択肢にはないよね。

(2)の答えはエだ。

石灰水を加えると白くにごる水溶液

石灰水に二酸化炭素を加えると白くにごる。

詳細は次回やっていくけれども、石灰水に二酸化炭素を加えると炭酸カルシウムができる。

炭酸カルシウムは水に溶けない。

よって、透明だった水溶液が白くにごる。

こういう理屈だ。

 

二酸化炭素が溶けている水溶液は炭酸水だね。

よって答えはFだ。

A、C、D、E、Fの水溶液はなんだ?

Aはアンモニア水

Cはホウ酸水

Dはホウ酸水

Eは水酸化ナトリウム水溶液

Fは炭酸水

答え

(1)BとG

(2)エ

(3)F

(4)A:アンモニア水、C:ホウ酸水、D:水酸化ナトリウム水溶液、E:塩酸、F:炭酸水

まとめ

基本知識をしっかり頭にいれておいて条件を整理すれば、ちゃんと答えは出てくる。

条件整理する時は頭の中でだけやっていてはいけない。

必ず書くんだ。

 

さて、次回は水溶液の反応についてやっていこうと思う。

反応を覚えると水溶液はほぼマスターしたも同然。

 

入試レベルの応用問題?

そんなもん、基礎知識が頭に入っていて条件整理ができれば簡単に解ける。

反応をやったら、反応も含めた条件整理の方法と溶解度の計算もやっていこうと思う。

 

大丈夫だ。絶対に解ける。

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