【中学受験 理科・社会豆知識】十勝平野でじゃがいも、小麦、てんさい、大豆の生産が盛んな理由

【中学受験 理科・社会豆知識】十勝平野でじゃがいも、小麦、てんさい、大豆の生産が盛んな理由

「社会なんて暗記科目でしょ。あとでまとめてやりゃいい」

そうです、社会は暗記科目です。

暗記した知識を問題文に沿って書けば終了。

 

さぞかし100点が連発されそうです。

しかしそんな簡単にもいかないのが現実。

 

なぜなら覚えた知識が頭から出てこないからです。

暗記って単なるインプットじゃないんです。

アウトプットができないと暗記とは言えません。

頭に入れるよりも頭から出すための工夫をするのが暗記の極意だったりします。

 

中学受験ではたくさんの知識を仕入れることになります。

バックヤードは知識で目一杯。

まるで一昔前のドンキホーテ。

小学4年生だったらまだ開店直後でバックヤードは溢れておりません。

小学6年生ともなるとドンキホーテどころか頭の中が大変な汚部屋になっているかもしれません。

 

そこでなるべく取り出しやすいように知識は整理して入れる習慣をつけといた方がいい気がしませんか?

 

とはいえそこは小学生。

情報にラベリングして、整理して、頭に入れるなんて芸当はできません。

が、その代わり興味があることへの集中力、執着は大人顔負けでございます。

びっくりするくらい短時間で暗記して、しかも忘れないものです。

 

ですので、暗記科目と言われる理社をただの暗記とするんじゃなくて、なるべく興味を持てるようにしてほしい。

そのきっかけになればと思い、豆知識シリーズをやっていく所存であります。

十勝平野でじゃがいも、小麦、てんさい、大豆の生産が盛んな理由

予習シリーズでは

「十勝平野は火山灰土で水はけがよく、土地がやせているから畑作が盛んになった」

と書いてあります。

 

火山灰土?水はけ?土地がやせている?

それがじゃがいも、小麦、てんさい、大豆となんの関係があるのかさっぱり分かりません。

塾の授業で補足説明がなければただの暗記です。

ただの暗記ですと、てんさいを「天才」と書いて×をもらうかもしれません。

 

十勝平野が火山灰土でできているのはおよそ4万年前に支笏湖付近で火山の爆発があったり、その後も恵庭岳が噴火したりと、周辺で噴火がいくつも起きたからです。

支笏湖は札幌から30km程度南の支笏洞爺国立公園の中にあります。恵庭岳は支笏湖から北東に15kmくらいにあります。

参照:環境省 支笏洞爺国立公園 ※別ウィンドウが開きます

 

この支笏洞爺国立公園、今でも活動が続いている活火山を擁しております。

今後またいつ噴火が起きてもおかしくありません。

支笏湖は火山の真ん中にポッカリと存在しているカルデラ湖です。

 

さて、これらの噴火による火山灰は西から東へ向かう風に乗って東に流れていきました。

さて、支笏湖から東の方には山地を除くと何がありますか?

石狩平野、十勝平野、さらに遠くだと根釧台地ですね。

 

上の3つの平野・台地全てで火山灰がどっさり積もっていそうですね。

じゃあ3つの地域全てでじゃがいも、小麦、てんさい、大豆とかを作っていそうじゃないですか?

だって、火山灰が東に流れていったんですもの。

 

答えは、

石狩平野:稲作(主に米)

十勝平野:畑作(じゃがいも、小麦、てんさい、大豆など)

根釧台地:酪農(牛とか)

 

はい、全然違いますね。

 

どうしてでしょうか?

では支笏湖からの直線距離をざっくり見てみましょう。

石狩平野:約40km

十勝平野:約120km

根釧台地:約300km

 

どうやらこの距離が関係ありそうです。

 

では火山が噴火すると何が噴出するでしょうか?

岩石、小石(つぶ)、火山灰等。

一番重いのは岩石です。次に小石(つぶ)。最も軽いのは火山灰です。

すると、噴出した岩石は比較的近くに落ち、次に小石(つぶ)、最も遠くまで運ばれるのが火山灰。

 

つまり、石狩平野よりも十勝平野にはより細かい火山灰が降りました。地質調査からわかっております。

火山灰土はなぜ水はけがいいのか

火山灰土は土の中に隙間が多くあります。

カッチカチに固めた土とサラサラした砂に水をかけたらどっちの方が水が浸透しますか?

サラサラの砂ですよね。

水はけがいいってのは水を通しやすいって意味です。つまり火山灰土は水はけがいい、と。

 

また、土の中に隙間があると空気が入り込む余地があります。

 

これが畑作に向いているんです。

仮に水はけが悪くて空気が入り込む余地がない土壌だったら根腐れを起こしやすくなります。

根腐れってのは一言で言うと根が呼吸をできず発生する病気です。

 

逆に土の中に空気が入り込んでいると、根から水と一緒に酸素を吸収できます。

植物が育ちやすい環境にあるってわけ。

 

では、なぜ稲作は向かないのか。

水はけがいいと水がどんどん土の中に浸透していきますから稲を作るのには向いてないんですね。

稲は常時たくさんの水を必要としますから。

したがって火山灰土の多い十勝平野では稲作は発達いたしませんでした。

 

ところで石狩平野では稲作が発達しております。

十勝平野ほどではないとしても火山灰も火山灰の固まった小さな石も降り注いだはずです。

実は石狩平野でも100年以上前は稲作に適さない土地でした。

そこで客土(他の土地から土を持ってくること)を行い、稲作に適した土地に土壌改良したんです。

参照:国土交通省 北海道開発局ウェブサイト

やせた土地なのになぜ作物が育つのか

やせた土地ってのは栄養分が少ない土地って意味です。

火山灰には植物の栄養分となるような成分が少ないんです。

火山灰って微細なガラスや鉱石が主ですから。

 

なので栄養が少なくても育つ作物を栽培するってわけ。

 

じゃがいもはもともと高地の荒れた(やせた)土地で育っていた植物です。

 

さつまいもも同様にやせた土地でも育つ植物です。

ちなみにさつまいもは茎に窒素固定細菌が居候しており、土中に窒素がなくても空気中の窒素を取り込むことができます。

窒素は植物が育つのに必要な栄養です。

参照:農研機構ウェブサイト

なお、窒素固定細菌はマメ科の植物と共生していますから、枝豆とか大豆とか小豆なんかも火山灰土で栽培できそうですね。

ちなみに鹿児島でさつまいも栽培が盛んなのも理由がありそうですね。考えてみてください。

 

てんさいは寒冷で水はけの良い土地でよく育ちます。

 

小麦は寒くて雨の降らないやせた土地でも育つめちゃ強い植物です。

ところでヨーロッパの方ってパンとかパスタみたいな小麦で作られた食べ物を主食にしてるじゃないですか。

あとドイツだとジャガイモばっかり出てくるのが有名ですよね。

あれってヨーロッパ中部の気候が寒冷で、かつ、やせた土地が多いからなんです。

過酷な環境でも育つ作物をなんとか美味しく食べようっていう努力の結果、パンとかパスタ、ピザ、フリッツみたいな料理が誕生したんです。

まとめ

十勝平野は支笏洞爺国立公園付近の活火山の噴火によって降った火山灰が積もった土地である。

火山灰土は水はけがよく、栄養分が少ない。

だから、畑作が向いており、栄養分が少なくても育つ作物を栽培する必要があった。

また、北海道は寒冷で降水量も少ない。そういった土地で栽培できる作物は限られている。

具体的にはじゃがいも、小麦、てんさい、大豆など。

 

その土地で栽培されている作物や行われている農業、食べ物には必ずその土地ならではの理由がある

それでも社会は暗記科目である

社会も理科もなぜを繰り返して調べていくと理由が見えてきます。

地図帳と年表片手に見ていくと背景が見えてきて楽しい科目です。

 

が、それでも暗記科目です。

とにかく暗記をしないことには話になりません。

 

暗記をして知識を手に入れるんです。

人間、何もなしで思考はできません。

だから知識をたくさん頭に入れて、それをつなぎ合わせていく、と。

 

そういう勉強の仕方をしていくと得意科目になり好きな科目になるんじゃないですかね。

 

知識を入れて点数取れるようになってきて、ちょっとだけ理科や社会が好きになってきた時にお子さんに披露できる豆知識、そんなのを今後ぶっこんでいきたいと考えております。

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