【中学受験】予習シリーズの難易度と使い方

【中学受験】予習シリーズの難易度と使い方

四谷大塚が出している予習シリーズが中学受験ど真ん中のテキストであることは異論をまちません。

ところが、太古の昔から予習シリーズは多くの子どもたちを苦しめてまいりました。

何が苦しいって、一人で予習するにはハードルが高いんです。要するに難易度が高い、と。

 

ですから本当の名称は「予習(をできるように作りましたが保証はしません)シリーズ」なのでして、どうも看板に偽りがあるように思えて仕方ありません。

だって、そうでしょ。

「焼肉屋」と銘打っているのに、実は「焼肉(を食べられるように最大限努力しますが野菜しか出てこないこともあります)屋」なんて店は詐欺ですよ。

そんなわけで「予習シリーズ」という名称は悪魔的です。

 

だいぶ脱線いたしました。

予習シリーズは昨年度の小学4年生から新版が出ておりまして、今年度は小学5年生と順次切り替わっております。

旧版と新版の最大の違いは表紙が写真かイラストかでございます。

旧版は大した特徴のない空とか森とかの写真でして、新版は主に動物のイラストです。

「おや、新しくなってなんか可愛くなったぞ」

と思いきや、内容はゴリゴリになっております。

めっちゃマッチョの櫻坂46みたいな感じです。

ここでとっておきの豆知識ですが、坂道の名前のついた46人組を「坂道シリーズ」と言うらしいですよ。

 

さて、以前から予習シリーズは予習を保証していないわけでありますが、新しくなってからは「(もう)予習(はできないかも・・・)シリーズ」となってしまいました。

きっと四谷大塚もやけくそ気味で「予習シリーズ」としているに違いありません。

 

本日は予習シリーズの難易度や使い方についてお話していくのが本旨です。

一通りディスりましたので本題に入っていきましょう。

予習シリーズの特徴と難易度

予習シリーズ最大の特徴は「わかりやすさ」と「網羅性」です。

例題・類題ごとに身に着けてほしい技能がはっきりしていますし、解説もていねいです。

そしてカラフル。

なお、N能研究所(仮称)のテキストを初めて見たときは間違えて写経の本を買ってしまったと思ったものです。

きっと四角い頭を丸くするため、読解力の必要なテキストになっているんですね。焙煎のきいた大人の知恵です。

 

予習シリーズではところどころで四谷くん(通称よっくん)が出てきて嬉しいアドバイスもしてくれます。ちなみに四谷くんのアドバイスで更に分からなくなる現象は昔から報告されており、「こいつが出てくるとやばいぜ」と気を引き締めたものです。

また、4科目すべてにおいて中学入試で出てくる問題が網羅されておりますので、予習シリーズ以外の参考書を買う必要がないのもいいですね。

 

ただし、見た目のわかりやすさとは違って難易度が高いのは最初にも申し上げたとおりです。

とくに新版になってからは進度が速まり、情報量が多くなりました。

以前までは小学5年生でやっていた内容の一部が小学4年生に繰り上がり、最近の中学受験で出題される問題はすべて小学5年生までに詰め込んでしまおうといった魂胆に違いありません。

 

量もさることながら難易度も高いです。

たとえば小学5年生の予習シリーズ算数の例題・類題は中学入試で出題された典型題です。

「例題なんて言ってるくらいだからちょろいぜ」

なんてわけありません。だって、例題は中学入試で出る問題そのものです。簡単なわけないじゃないですか。

これは国語、理科、社会も同様です。問題やテキストの中身は中学入試そのもの。

中学入試の問題は公立高校の入試問題よりも思考力を問われるのでありまして難易度は高いです。それを小学生がやるわけですから推して知るべしです。

普通の中学生、高校生は中学入試の問題を解けません。

 

そこへ持ってきて、4科目の演習問題集と算国2科目は「計算テキスト」と「漢字とことば」、さらに算国の2科目では最難関問題集もあります。

表にするとこうなります。

算数国語理科社会
予習シリーズ予習シリーズ予習シリーズ予習シリーズ
演習問題集演習問題集演習問題集演習問題集
計算漢字とことば
最難関問題集最難関問題集

※最難関問題集は必修ではない

 

表まで持ち出して言いたいのは、全部を終わらせるつもりでやるとやばいよ、ってことです。

一週間で4教科のテキスト・問題集に掲載されている問題をすべて終わらせるのは無理ゲーです。

 

ところが、親御様がスケジュールを組んでいますと、「あれもこれも」となりがちです。

練習問題レベルや、応用Bまでやらなくていいのになんだかやらせたくなってまいります。

どこまでやればいいのか分からないからでしょう。

 

どこまでやるかは難易度で考えるといいです。

難易度は以下のようになっております。

難易度算数国語理科社会
基本基本問題

トレーニング

基本問題まとめてみよう

練習問題(4年)

基本問題(5年)

まとめてみよう

練習問題

上級練習問題

実戦演習

応用A

発展問題発展問題(4年)

練習問題(5年)

最上級応用B発展問題(5年)発展問題

「基本」は偏差値50くらいまで。

「上級」は偏差値60くらいまで。

「最上級」は偏差値60以上といったイメージです。

 

「基本」は全員やったほうがいいですが、それ以上は今の実力と目指すレベルに応じてやる/やらないの取捨選択が必要です。

たとえばですね、偏差値40くらいの実力なのに応用Bを解かせようとするのは無茶です。

 

全部やっとかないと安心できない?

カリキュラムは親御様ご自身が安心するためのものではありませんよ。

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