【中学受験】春休みの過ごし方 4年生・5年生・6年生

【中学受験】春休みの過ごし方 4年生・5年生・6年生

さぁきました。春休みですよ。

春休みが明けたら新小学4年生は小学4年生に、新小学5年生は小学5年生へと昇格いたします。「新」がつくうちは仮免許みたいなものです。いよいよ本番といったところでございます。

で、春休みは幕間のような期間でして、準備に余念がない方もいらっしゃるでしょう。

 

ところが、中学受験生の春休みは春期講習の予定で埋め尽くされており、新年度の準備はおろか日々の宿題に追われて使える時間はとても少ないです。

色々やっておきたいこともあるでしょうが、ま、せいぜいできるのは一つくらいです。

あれもこれも手を出してすべて中途半端になるよりも、何か一つは「やったぜ」と言えるようにしておきたいものです。

 

そんなわけで個々人の事情は無視して、春休みにやっといた方がいいことを1個だけ学年別にご紹介するのが今回のお話です。

実に無謀なお話を大風呂敷ひろげてやってまいりますので、賢明なる皆様方におかれましては、血の巡りの悪いやつがなんか言ってるぞ、程度に聞いてくださるとよろしいのかと思います。

おし、だいぶハードル下げたZE!

新小学4年生の春休みの過ごし方

小学3年生の2月から急にテキストの内容が中学受験っぽくなって面食らっている保護者の方もいるでしょう。

新しく塾に入ったご家庭はなおさら。

「こんな内容を小学3年生の2月からやるの!?」

とびっくりされているかもしれません。

みんなできないに違いないと希望的観測気球を打ち上げたところ、3月実施の組分けテストで偏差値40と判定されて二重の意味でびっくりされている方もいらっしゃると思われます。

マジかよ、と。

 

ま、でも安心してください。小学3年生の2月以前から塾に入っている人もいっぱいおりまして、2月〜3月の内容は既習だったりします。本番は4月からです。

 

「うちはSAPIXのモグラ会に入っているから大丈夫」

とほくそ笑んでいる方もいらっしゃいますね。正しくはピグマキッズくらぶですよ。悪い顔をしていらっしゃいますが、もっと悪い顔をした人たちに騙されてます。偽物にはご注意ください。

 

さて、新小学4年生が春休みにやった方がいいのはずばり「計算」です。

計算能力を鍛えましょう。

「くもんでやってたから大丈夫!」

と、自信満々でいる方もご用心ください。

 

くもんでひたすら演習量をこなして処理能力は高まっていますが「計算能力≠処理能力」です。

くもんで身についた処理能力を計算能力として中学受験で活かすには、

 

計算のルールを厳守する

 

これが大事です。

どういうことか説明していきましょう。

春休みに身につけておきたい計算のルール

基本中の基本ですが、計算のルールをちゃんと把握していない子がいます。

つまり、四則計算の順序です。

 

たとえばですね、

25+40ー20ー15

なんて計算問題があるとします。

この計算問題を「60」と答える子がいたりします。

 

どうやってそんなトンチキな答えを求めたかというと、

25と40を足して65と求めたあとに、20から15を引いて5と求め、最終的に65から5を引いて60としてます。

 

そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、時間を計って計算問題集をやらせますとそのような間違いが頻出します。

 

あるいは、

25ー(60÷4+1)

で、60÷4をやってから1を足すところを、60を5で割ったりします。

 

くもんでも学校でも四則計算の順序は習いますが、いざ時間制限の中で解こうとすると間違いがちです。

四則計算の順序は下の3つを意識しておくといいです。

1.カッコの中から先に計算する

2.混合計算の場合は「掛け算・割り算」を第一優先とし、「足し算・引き算」は第二優先

3.優先順位が同じ場合は左から順番に計算する

 

これが基本です。

分数や小数の計算は小学4年生の春休みはまだいいです。

とにかく計算の順序を守るのを意識しましょう。

 

次に繰り上がり、繰り下がりがうまくできない子もいます。

これは練習あるのみです。

何回も繰り上がり、繰り下がりの計算を練習してできるようにしておきましょう。

計算練習で大事なポイント

要するに計算は演習量だろ?とおっしゃる方もチラホラおられます。

半分は合ってますが半分は違います。

大事なのは、正しいルールを知って正しい方法で演習量をこなすことです。

間違った練習をし続けると間違っておぼえます。

ほら、そこの貴女、丸付けさぼってますね。

丸付けは親の仕事です。丸付けをしてやり直さない限り、間違えたままやり続けます。演習量をこなしても何の意味もありません。

 

他にも計算の工夫、単位を揃える、虫食い算など中学受験でおさえておきたい計算の基本はありますが、4年生の春休みは基本ルールを知り、正しく演習するのが大事です。

 

つまり、

・計算の順序を守る

・繰り上がり・繰り下がりを間違えない

この2つができるようになれば大成功です。

 

え?2月〜3月の復習はしなくていいのか?

春期講習でやるでしょうよ。

それに長い目で見れば、もう一度やり直しますから短い期間の家庭学習でそこに時間を使う必要はあんまりありません。

 

ちなみに計算を速くできるようになると算数の学習の効率が爆上がりします。

小学4年生といえども4月以降は鬼のスピードで毎週新しい単元をこなさなくてはならなくなり、学習効率が悪いとついていけなくなります。

つまり計算が正しく速くできないとやばいんです。

 

正しく計算できるように春休みに練習してみてください。絶対後悔させませんよ、奥さん。

新小学5年生の春休みの過ごし方

新小学5年生の春休みの過ごし方は簡単です。

一言で終わりにしますよ、聞き逃さないでくださいね。

割合をやっとけ

以上。

 

一応説明しておきますよ。

中学受験の算数、、、というか算数とか数学ってのはざっくり下の4つに分類できます。

・数と式・・・計算、規則性、約数・倍数など

・幾何・・・平面図形、立体図形など

・場合の数・・・組み合わせ、場合の数、順列、条件など

・数量の関係・・・割合、速さ、比など

 

どれも甲乙つけがたい御馳走が並んでおります。

そんな美食の森から新小学5年生にとって大事なものを仕方なく一つだけあげるとすると、「数量の関係」でして、基本は「割合」なんです。

だから「割合」をやっとけ、と。

 

なにぃ!何を根拠に「数量の関係」が大事だって言ってんだ!

と、お思いの方。まあまあ落ち着いて予習シリーズの算数上巻の目次を御覧ください。「数量の関係」に占拠されてますよ。

第6回 濃さ

第7回 売買損益

第13回 速さとグラフ

第14回 水量の変化

第16回 旅人算とグラフ

第17回 いろいろな旅人算

引用:予習シリーズ算数5年生上巻 目次 より抜粋

総合回を除きますと、残りの12回のうち半分が「数量の関係」です。

しかも、ですよ。予習シリーズ算数5年生の下巻は速さの応用と、比で「数量の関係」まっしぐら。

 

つまり、小学5年生は「数量の関係」を中心にその他の分野も学習する一年になります。

その基本が「割合」なんです。

だから「割合」をやっとけと申し上げております。

 

「数量の関係」は苦手な子は本当に苦手でして、そうした場合は「割合」の習熟が足りていないんです。

ですから、教える際には「割合」を丁寧に時間をかけて教えます。

教え方は簡単。

基本問題をやっとけ、以上。

 

あぁ、一応、やり方もあります。

1.基本問題の数値を「もとになる量」「割合」「くらべる量」に分けさせる

2.ノートに「もとになる量」「割合」「くらべる量」の表を書かせる

3.計算させる

 

この前段階として、「0」もあります。

コップを2つ用意してください。

片一方に水を注ぎ、もう片方に水を半分注ぎます。

二つのコップに「A」と「B」と書かれた付箋を貼ります。

Aを「もとにする量」、Bを「くらべる量」としたときに割合はどうなるのか?

Aを「もとにする量」として、「割合」が20%のときにBのコップの水をどれくらい捨てればいいのか?

Bの水の量がAの30%だとしたら、空のBのコップにどのくらい水を注げば良いのか?

 

なぜこんなことをするかっていうと、

小学生や中学生は抽象的な概念をうまく扱えません

正確に言うと扱えない子もいる、と。

 

割合を理解するのに、抽象的な概念をそのまま理解する子具体から入って理解する子がいます。

割合が苦手な子は往々にして「具体から入って理解する子」なので、文章題だけではうまく理解できません。つまりテキストや塾での学習では理解しづらいんですね。

 

したがいまして、

コップの水とか、

すみっコぐらしのぬいぐるみとか、

オヤジの髪の毛の量とか、

まあなんでもいいんですが、その子が理解しやすい具体を使って説明すると、割と理解してくれたりします。

抽象をそのまま理解できる子、具体から入る子、どちらが優っているか劣っているかの話ではありません。それぞれの子の理解の仕方が違うので、それに合わせて教える必要がある、と。

ぜひ、ご家庭で試してみてください。

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