【中学受験】国語長文読解ができない子へ 田村の現代文講義で問題は解決する
「うちの子、国語の長文読解が苦手で・・・」とお嘆きの方、まさか読書させようとか朝日新聞読ませようとかしてないでしょうね?
いやね、私、読書とか朝日新聞を否定しているわけじゃないんですよ。受験勉強という意味では効率が悪すぎるからおやめなさい、と言いたいだけです。
さて、何故お嘆きなのでしょうか?
国語の長文読解の読み方とか解き方を親御様ご自身が分からないから?
教えようにも教えられないから?
しかも、塾の先生もちゃんと教えてくれないから?
おそらく、その全部じゃないですかね。
ってわけで一人でも多くの方が国語を得意科目にできるように色々書いてます。昨日は読み方を写真つきで解説していきました。
上の記事では問題までは解きませんでした。解いても構わないのですが、もっと親御様にとっていい方法はないかと参考書を探すことにいたしました。
だって、参考書の方が勉強しやすいじゃん?
1週間くらいかけて中学受験、高校受験、大学受験の国語の参考書で大きな書店にあるものはほぼ全て目を通していきました。
で、見つけました。
田村の現代文講義1です。
これ一冊でOKです。ではどんな参考書でどのように使うのかやっていきましょう。
田村の現代文講義1とは
これ、大学受験向けの参考書です。中学受験向けではありません。
心配しないでください。中学受験でも使えますから。だって解き方同じですもん。
中学受験向けの参考書もいっぱいありましたが、なんかねどれも本質的じゃないんですよね。どの参考書とは言いませんが、テクニカルすぎたり、精神論に近かったりと、実用では役に立たねえや、これ。みたいな感じのものばかり。
その点、この参考書を書いた田村おじさんは違います。冒頭の予講からいきなり受験国語というゲームのルールにズバッと切り込みます。
考えてみれば当たり前の話。受験の国語というゲームのルールを知らないのに問題を解けるわけがありません。
で、国語の長文読解ができない子はゲームのルールを知らない。
田村おじさんはいきなりそこを提示して、国語という入試科目に対する間違った頭にカナヅチを振り下ろしてくるんですね。
そんなに思いっきり振り下ろすなよ・・・、嬉しくなるじゃねえか。
田村の現代文講義1 予講の凄まじさ
では、冒頭の予講をいくつか引用します。凄まじいですからチビらないでくださいよ。
現在の大学入試では、文章を読んで自分の意見を答えるということをしてはならない。
引用元:田村の現代文講義1/代々木ライブラリー より
これ読んで私、本屋でヘッドバンギングしましたよ。YES!YES!ロンリーハート!ってね。
学校の勉強と入試問題は別のゲームです。学校では「想像してみましょう!」とか「色々な意見を出し合ってみましょう!」とかやるじゃないですか。あれ、受験じゃ全く役に立ちません。
これ、勘違いしやすいですからね。いいですか、中学受験と学校の勉強は根本的に全く違うゲームです。
あと、学校の勉強って倫理的に正しいかどうかが求められるじゃないですか。人としての立派な在り方、みたいな。そういったものも中学受験ではクソの役にも立ちません。
なぜなら文章に書いてあることだけを手がかりにして回答するのが入試問題だから。
理屈じゃないんです。そういうルールなんです。まずはそれを知る。
次に田村おじさん、こんなことを言ってます。
入試現代文において”客観的”であるとは、与えられた問題文の中に根拠のある解答を出すことである。
引用元:田村の現代文講義1/代々木ライブラリー より
選択肢は自分の意見を問われるものではないので、感情的に好き嫌いで選んではならない
引用元:田村の現代文講義1/代々木ライブラリー より
あー、ゾクゾクしますね!
代ゼミのエース講師がはっきり言い切ってくれてます。
「問題文に書いてあることだけを根拠にしろ」ってね。あ、ちなみにこれ私も過去の国語の記事で何回も言ってますよ。
田村おじさんも↓こう言ってます。
文章の表面に書かれていることを追っていかなければならず、裏読みをしてはならない。
引用元:田村の現代文講義1/代々木ライブラリー より
そして、予講の中で多少、技術論的なことにも触れてます。
現代文読解でまず必要なのは、助詞・接続詞・指示語のような、”つなぐ”働きをする言葉である。
引用元:田村の現代文講義1/代々木ライブラリー より
私は助詞はさほど意識してませんでした。ごめんなさい、田村おじさん。
そして極め付けは私が独学で発見した「もちろん〜しかし〜」の必殺☆二項対立構文を田村おじさんも「超大事」と言ってます。
しかも譲歩逆接構文なんていうかっこいい名前をつけてます。
「逆接」の接続詞は、その前を「譲歩」に変え、後を強調して「本旨」とするという二重の働きを一瞬にしてなしとげている。
引用元:田村の現代文講義1/代々木ライブラリー より
UHO!それそれ!前回の写真付き論説文の読み方で「しかし」に注目しろ、と書きましたがその本質的な理由をズバッと言ってくれてます。
ここで紹介したのは予講で書かれていることのごくごく一部です。
他にもいっぱい田村おじさんは予講で書いてくれてます。
しかも、これ、予講なんです。予講だけでもこの参考書を買う価値があります。この内容が1000円でお釣りがくる値段で買えるんですよ。
でね、驚くなかれ、この後では本講があるんです。やべえ、やべえよ。
田村の現代文講義1 本講
本講は第一講から第八講まで、8つの長文読解とその解説で構成されています。
読む技術と解く技術の両面から、具体的な問題を元にして超詳細に田村おじさんがこれでもかと解説してくれてます。
あまりにも詳細で丁寧な解説なので途中で、
「そろそろ丁寧な説明もくどく感じているだろうし紙数の都合もあるから(中略)ここからの問題は説明を少し簡単にすることにする。」
などとご自分で反省なさいます。
ところがその後も反省に反して怒涛の詳細な説明が続きます。反省したんじゃないのか!なんて言わないでくださいよ。
ところで、大学受験向けということで文章が難しいんじゃないかと懸念されてませんか?
いいえ、大丈夫です。中学受験の論説文(説明文)のレベルとほぼ変わりありません。それどころかこの参考書の問題文より、中学受験の入試問題の方が難しい表現や漢字を使っている場合もあります。
断言します。中学受験でも全く問題なく使えます。
この参考書が向く中学受験生とは
国語の偏差値が50〜65の間で、調子の良し悪しによって偏差値52だったり、偏差値64だったり安定していない子向けです。
安定していないってことは読む方法と解く方法を自分の中で確立できていないってことです。だから確立しましょうよ、というわけで田村おじさんの出番です。
逆に偏差値が50未満でしたらこれに手を出すのはまだ早い。大抵、そういう子は語彙が足りてないので語彙力をつけてからやってください。
偏差値70以上を安定して取っている子はどうぞご自分の道を邁進してください。こういう子は国語のルールをちゃんと理解してますから大丈夫です。
田村おじさんの解説はとても詳細で、いちいち本質的なのですが、ちゃんと読み込まないと理解できない部分がありますのできちんと文章が読めるようになってからチャレンジしてください。
その目安が偏差値50以上ってわけです。
田村の現代文講義1の使い方
まずは、予講を読んでください。最低でも10回は読んでください。何なら音読してください。
ここに書いてあるのは国語という受験科目の基本的なルールです。これを知らない限り先には進めません。
予講は読みましたか?じゃあ次は問題を解きます。問題を解く時には時間をかけてしっかり「読むこと」に集中してください。
いいですか、「読むこと」です。「解くこと」よりも「読むこと」です。
では、どう読むか?
蛍光ペンを二色とマジックを一本用意して線を引きながら、著者の主張と反対意見をしっかり把握してください。上にもリンクはりましたがもう一回張っておきます。こういう風に読んでください。
一つの問題文をできるだけ丁寧に読みましょう。時間をかけてもいいです。つーか時間かけろ。
そしたら問題を解いてみてください。読めたら解けます。それでも不安な方には解き方の方法を紹介してます。
で、田村おじさんの解説を読んでなぜ合っていたのか、なぜ間違っていたのかを検証しましょう。
大事なのは合っているか間違っているかじゃないんです。合っていた理由と間違っていた理由をしっかり把握して、次で修正することです。
チャンスは8回。この参考書、問題文が8問しかないですから。
ちなみに「出口の国語」という参考書も良かったのですが、予講の内容が素晴らしいがゆえに田村の現代文講義1をおすすめの参考書といたしました。
ちなみに出口おじさんはナガセグループ、つまり四谷大塚一派です。田村おじさんは代ゼミグループ、つまりSAPIX一派です。
ここでも仁義なき戦いが繰り広げられていますね。
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