公文が中学受験に役立つ理由 学習習慣と正確な計算能力の獲得は弊害に勝る
公文から中学受験へ、と皮算用している親御様はとても多いと思います。
ところが、公文の弊害が気になる、と。誰が言ったのか知りませんが、公文は役に立つ反面、弊害もあるとまことしやかにささやかれております。
文章題が解けないとか、応用問題が苦手になる、とかね。
そりゃ公文のせいじゃありません。文章題を解いたり、応用問題を解く訓練をちゃんとしてないだけです。
さてそんなわけで、公文に通わせるのがいいのかどうか判断付きづらく二の足を踏んではいませんかね?
そりゃ勿体無い。
公文は中学受験で役立ちます。二つの点で役立つと考えます。
学習習慣の獲得と正確かつ高速な計算能力の獲得です。
ではいってみましょう。
公文の学習方法とは
うちの子供は週2回公文式に通っています。
学習の流れはこんな感じです。
家で一日に行うプリントの量が決まっているのでこなす(1日10枚のプリントとか20枚とか)
↓
公文の教室に行く
↓
(親は)家で待つ。(子供は)その日に配布されたプリントに取り掛かる
↓
プリントが終わるまで帰れない
↓
プリントが終わると宿題の誤答箇所の直しをする
↓
誤答箇所の直しが終わると親の電話を鳴らす(このとき出ちゃだめです)
↓
迎えに行く
↓
次の公文の日までのプリントを持って帰ってきている
↓
公文がない日に、一日に決められた分量のプリントをこなす
↓
繰り返し
ある単元がきちんとできていると判定されるまではその単元をやり続けます。
下手したら3か月、1+1、1+2、1+3・・・のように同じ問題をやり続けるときもあります。
これ、何してるかって計算を覚えちゃいましょう、ってことなんです。
かつ、毎日やらないといけないので半強制的に机に向かうことになります。
これが、公文によって学習習慣が(半強制的に)身につき、計算スピードが速くなる所以です。
でもね、半端な覚悟じゃ無理っすよ。
耐えられなくて辞めた人、いっぱい見てますからね。
公文式学習法つまりは反復学習に耐えられますか?
反復学習の成果は正確な暗記である
我が家の子供は公文式に通って3年。現在、算数はほぼ4学年先まで進み、昨年、一昨年と3学年先以上まで進んだ証であるトロフィー(オブジェ)をもらっています。
習っている教科は国語と算数、国語はまだ2学年先くらいです。
公文式を始めた理由は数に興味があったからです。最初は算数しかやっていませんでした。
公文式は反復学習を旨とします。足し算の単元だったら足し算の問題がいっぱい並んでいるくらいだと思っていますかね?いやー、公文をなめすぎですよ、それ。
ひたすら1+1、1+2、1+3・・・。そしてまた1+1、1+2、1+3・・・というようにひたすら同じような計算の反復問題が並びます。
見てるこっちがマジで吐きそう。
ところが、これを反復するうちに覚えてしまいます。
単純計算だったら覚えてしまった方が圧倒的に計算は速いです。公文式では覚えさせることを目的として、反復学習をひたすらやらせます。
挫折した親御様
知り合いの親御様で挫折した方いっぱいいます。公文式のストイックさについていけなかった(子供が飽きてしまった)と言っている方が多かったです。
本当はストイックさについていけなかったとか、飽きてしまったのではなく、先に進むための方法を知らなかっただけなんですけどね。
克服方法はこちらで書いてます。
人間、成長できていれば多少の苦労は厭わないものです。逆に成長できないと詰まらない。だから飽きる、それだけの理屈です。
また、公文式は終了時刻が決まっていません。解けるまでやらせ続けます。うちの子供の最高記録は2時間超です。
それに耐えられないお子さんもいます。また、親御様も「いつ夕食を作ればいいんだ!」とさいなまれて辞めてしまうケースもあります。
夕食までの空き時間を利用して公文式に入れたい?甘い!夕食時刻はどんどん読めなくなり、場合によってはどんどん遅れていきます。
公文式は中学受験の役に立つのか?
高速かつ正確な計算力
100%役立ちます。
論理的に文章題を読み解く能力は身に着きませんが、高速かつ正確な計算力は身に着きます。算数の基礎能力として、高速かつ正確な計算力は絶対に必要です。
中学受験専門塾に通ってからでは公文式のような反復学習をする時間はありません。
忍耐力
終わるまで帰れない公文式に慣れていることで、うちの子供は机に向かって長時間学習をすることが苦ではないようです。
学習の習慣
これが最大のメリットです。公文の教室から帰ってくると必ず毎日の宿題を持って帰ってきます。これ、公文式に通うのであれば必ずやらなければいけないのですよね。
だから必ず毎日机に向かいます。今では「やりなさい」と言うこともありません。勝手に机に向かって、勝手にプリントをやります。
机に向かうことを苦としない学習の習慣が身に着いていることは中学受験では大きなアドバンテージになります。
逆にデメリットは?
覚えることを旨としますので論理的思考が身に着いていないとはたから見ていて思います。
文章題が出てきたときに、足すのか、引くのか、掛けるのか、割るのかを文章をもとにして考えていないので、出てきた数字をその単元で習っていること(つまりは足し算なのか、引き算なのか、掛け算なのか、割り算なのか)の通りに演算している様子が見受けられます。
国語をやり始めたことで改善されるのかと思いきやそうでもありません。
解くための読解力を養うのには向いていないと思います。
ま、でもそれは公文で学ぶことではありません。公文で学べないことは他で学べばいい。
公文の弊害やらデメリットやらというのは、公文の学習方針を理解していないから出てくるお門違いの文句に過ぎないと考えております。
万能の学習方法なんて存在しませんから。
で、結局行った方がいいの?
いわゆる幼児の能力を開発する系の塾に行かせるよりは絶対公文式です。原理原則に則った勉強法を採用しているので、成果が目に見えます。
我が家の子供は学研教室に行っていたこともありますが、学研の「思考力を育む」学習法は成果が見えず、退屈してました。
学習進度が目に見えて分かり、正確に速くできるようになることは子供が自分自身の成長を感じやすいと思います。
中学受験においても正確に速く計算したり、正確に速く文章を読む能力は必ず役に立ちます。
また、中学受験では学習習慣をつけることが案外大変だったりします。
気づくとスプラトゥーンをやっているというのが子供の常でございます。
公文から中学受験への切り替えタイミングはこちらで紹介してます。
公文式最強講師、小林恭子先生をリスペクト記事はこちら
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