【中学受験】担任の先生とのトラブルや嫌がらせを経験した私の失敗談
「もう来ないかと思ってた」
「何しに来たの?」(ボロボロの入試で打ちひしがれた翌日学校に行ったときのこと)
「あなたがいると悪影響」
「何様のつもり?」
「勉強できるからってなんなの?」
えーと、信じられないでしょうが、これ全部私が小学6年生の担任の先生に言われた言葉です。ま、30年も前のことなのでこの通りじゃないかもしれませんが、こんな感じのことを言われていたのは事実ですし、しっかり記憶に残っています。
「いやいやいや、ここまでひどい担任なんていないでしょ」
と思われるかもしれませんね。私だってこんな言葉なかったことにしたいですよ。
私が通っていた学校で中学受験をする子はあまりおりませんでした。
30人〜40人くらいのクラスで2人、3人くらいです。
今やすっかり市民権を得ている中学受験生ですが、当時はまだ珍しい存在でありました。ま、四谷大塚の日曜教室に来ている都内の子は「クラスの半分くらいが受験する」とのたまってましたけど。
そんなご時世でございますから、中学受験熱が弱火の小学校では珍獣を扱うかのようになるでしょうし、しかもその珍獣えらく生意気ときております。
だから大人げなくひどい言葉が出てきたのでございましょう。
さて、なにも小学校の先生を糾弾したいわけじゃございません。ここまでの言葉を大人に吐かせてしまう私にも確実に問題があったわけです。じゃなきゃ子供にこんなこと言わないでしょ?
罵声と冷たい視線を受け続け、私は勉強中に「仕返しをしてやる」とか「あの担任に恥をかかせるにはどうしたらいいか」なんてとんでもないことを考えておりました。で、考えるだけじゃなく実行する。
後ろ暗い思いを抱えながら色々な仕返しの手段を考え実行し、嫌がらせを受けることは分かっていてもなんとか屈服させたい。
壮絶なマウントの取り合い。
大人になった私は心から思います。
どうしてあのとき「色々失礼なことを言って(して)ごめんなさい」と言えなかったのか。
一方で私の中のリトルなんちゃらがこうも言っております。
「屈服させたかったんじゃなくて本当は認めて欲しかったんだよ、君は」
認められたかったんです。努力していることを。
私はスポーツが得意で好きでした。とくに小学4年生のころは真っ暗になるまで友達とバスケをやっていました。小学6年生になってそんな暇もなくなり、放課後にバスケの練習ができる子達が心から羨ましかったんです。
どんどんうまくなっていくクラスメートを横目に見ながら、「自分は勉強を頑張るんだ」と心に決めて帰る自宅までの帰り道。付言しておきますと勉強も好きでしたよ。
でも学校じゃ勉強できても大して褒められない。
こんなに頑張ってるんだから一言くらい褒めてよ。
そう思ったって仕方ないじゃないですか。
ただそんな経験をした私が確実に言えるのは、
「担任の先生とトラブるな、一つもいいことはない」
ってこと。
ははあ、調査書で悪く書かれるからだな、なんて思われますか?
違いますよ。
先生とトラブルを起こさない方がいい理由はただ一つ。
勉強に集中できなくなるからです。
本日は担任の先生とトラブルを起こしまくり、嫌がらせをし、嫌がらせを受けまくった失敗談をお話ししていこうと思います。
そもそも目をつけられた理由
なんで最初に私は目をつけられたのか、実はあまり自分自身の行動には心当たりがないんですよ。だって、学校に真面目に行ってますし、態度も悪くありませんし、勉強もスポーツもちゃんとやってましたからね。
嘘つけなんて言わないでくださいよ。
小学5年生のとき、別の担任の先生だった時は褒められまくってたんです。
「有言実行でクラスを引っ張っていってくれるって言ってたよ」
担任の先生との面談後に母が誇らしげにそう言っておりました。
ですから最初から素行不良だった訳ではございません。
では何がきっかけだったか?
一つだけ思い当たるフシがあるんです。
あるとき、小学6年生の担任との保護者面談から帰ってきた母は憤懣やるかたないという表情でした。そして言いました。
「あの先生ね、中学受験なんてさせて真面目に学校活動に取り組んでいないだって言ってたのよ。勉強ばっかりさせてかわいそうだって。学校対抗の球技大会の代表に選ばれたのに練習に参加しないなんて初めて聞いたって!」
小学6年生のとき、学校対抗の球技大会なんてのがありました。学校代表チームの選手に私は選ばれたのですが、塾の勉強と両立できないため特練(朝と放課後にやる特訓)を断ったんです。
どうやら母の話を総合しますと担任の先生と喧嘩をした様子。
もともと私の目から見てもえこひいきの激しい先生でして、良くは思っておりませんでしたので「いいぞ!やれやれ!」とその時は思いました。
そこから担任の先生とのトラブル、嫌がらせが始まったと記憶しております。
先生からの挑戦状に真っ向勝負してしまった
算数の授業のときのこと。
クラスの他の子たちが答えられないような問題を担任の先生が出題しました。
「わかる人!」
と聞いても手が上がらない。
仕方ないので私は手をあげて塾で習った方法を使って解いたんです。はい、正解!すごいね!なんて言われるのを期待しながら。
先生なんて言ったと思います?
「そんな解き方教えたかしら?教えてもいない方法で解いたって意味ないの!」
一瞬、何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。
ってか合ってるじゃん?何がいけないの?
小学6年生の私はマジで「この先生何言っちゃってんの?」と思いましたが、とにかく先生としては気に食わなかったようで調子に乗るなだなんだと言われてひどく傷つきましたよ。
で、私は考えました。あのクソ女教師を黙らせる。全員の前で恥をかかせてやる。今日、自分がされたのと同じように。
それからというもの、私は授業にチャチャを入れ、先生の間違いを指摘し、授業中居眠りしているふりをし、先生の出身大学をさりげなくディスりました。受験勉強をしながらどうやったらあのクソをとっちめられるか、そんなことばかり考えておりました。
実際に私がやった嫌がらせと受けた嫌がらせ
担任の先生と揉める、そんなバカなことは絶対にしちゃいけない。やってもいいことなんて一つもない。そんな反省とともに私がやったことをお話ししていこうと思います。
テストでわざと間違える
漢字の100問テストを実施したときのことです。超楽勝だぜ、と思いながら漢字を書いている最中に私は考えました。
「わざと一問だけ書けないふりをしてあとで『本当に解けないと思ったんですか?』と言ってやろう」
と思い、わざと簡単な最初の一問目だけ白紙にして提出しました。
全部白紙にしなかったのはなんで?と思うかもしれません。
当時の私の感覚では全部白紙にするのはいきなり首都を爆撃するくらいのインパクト、まずは辺境で小競り合いくらいにしておこうと考えたわけです。
そしたら何点で返ってきたと思います?
「はい、80点」
はぁ?と思いましたね。一瞬意味が分かりませんでした。で、答案を見ると白紙にした問題は当然として、他の問題もとめだの払いだのを細かくチェックして、難癖でもつけるように×をつけてきたんです。
他の子の答案を見てもそこまで厳格にやっておりませんでした。明らかに採点基準が違う。意図に気づいて仕返しをしてきたと思いましたね。問いただしても絶対に認めないでしょうけど。
辺境の地で鳴らした銃声に反応して正規軍が押し寄せて来た!と感じたんです。
頭の中で高らかに鳴り響くワルキューレの騎行、鼻腔をえぐるナパームのにおい、鼓膜を震わせる騎兵隊のラッパ。
↓こんな感じです。
出身大学をさりげなくディスる
次に私は担任の出身大学をさりげなくディスろうと思いました。
先生の出身大学を調べ、偏差値を調べ、自尊心を揺るがせる言い方を考えた末にこのように言うことにしました。
「××大学の偏差値って50くらいなんですよね?」
どんな反応返って来たと思いますか?
先生、顔を真っ赤にして言葉が出ませんでした。
「あ、勝った」
と思いました。
幼稚で不寛容でこの世のクズだった小学生はマウントをとって屈服させたら人は自分を認めてくれる、と信じていたんです。
ところがそれ以降、我が身に降りかかった現象は想像と全く違った。
担任の取り巻きの女子から冷ややかな視線を浴び、お互いに悪いはずの喧嘩なのに自分が一方的に悪いと叱られ、授業で問題に答えているだけなのに態度が悪いから出て行きなさいと言われたり。
ちなみに、出て行けと言われて私は本当に帰り支度をしましたけどね。これも自分なりの嫌がらせです。本当に帰ったらあんた困るんだろ?と心の中で悪態を吐きつつ。
その他諸々の悪辣な行い
習ってもいない解き方でテストの問題を解く、居眠りしたふりをする、先生が別の子を注意している時にわざわざその子の肩を持って「何が悪いのかきちんと説明した方がいいと思います」など、とにかく私は先生の気に入らないことを沢山やりました。
私は私が全精力をかけて臨んでいる中学受験に対する努力を認めて欲しかった。
自分を見て欲しかった。努力を。存在を。
おそらく担任の先生は長年の教師生活で培ったやり方、考え方、矜持を曲げたくなかった。
この教室を守る必要がある。教師とはそういうもの。
まさにスタイルウォーズ。
でもね、ほんとはこれ勝ち負けなんかないのよね。
お互いがお互いの考え方を認めて、考え方は違うけど共生すれば良かっただけの話です。
どうしてそれができなかったんだろう。
あの頃の私に伝えたい。
人に期待するな。人は生き方が違い、生きてきた過程が違い、考え方が違うんだ。認めて欲しいのはよく分かるけれど、他人にそれを求めちゃいけない。自分の軸で自分を評価して、他人に押し付けることなく貫き通せば人は見てくれるものだ。それが人に認められるってことだ。
先生にも伝えたい。
バカなガキで申し訳ございませんでした。あなたには信念があって、強い責任感があったはずです。私は、あの時の私は、あなたの大事なものを踏みにじろうとしていました。ただ、少しでいいから聞いて欲しいことがあるんです。あなたが見ていた、中学受験をやってたバカなガキはバカなりに一所懸命だったんです。どうかただの子供だと思わず、一人の人間として対等に向き合ってくれるよう心から願っています。
担任の先生とのトラブルや嫌がらせを防ぐために
今は私が経験したようなトラブルは少ないのかもしれません。中学受験が、より一般的になってきてますからね。
今後はもっと一般的になってくるでしょう。
それでも小学校の先生が小学校の先生である以上、親御様が嫌な事態に遭遇することもあるでしょう。
そんな時、感情的にならないためには、自分の生きている世界が全てじゃないこと、先生は「教師という世界観」の中で生きていること、ご自分の軽率な言葉や態度がお子さんを苦しめる可能性があることに思いを至らせて欲しいと思うんです。
私の母はなんでも率直に、信念を曲げずに、言いたいことを言う性格でした。
ただ、世の中、人の信念を認めてくれる人ばかりではないんです。
多様性とか寛容とか共感、そんな精神を持ち合わせた人ばかりがいるわけではなくて、あなたが正義だと思ったことを気に入らない人もいる。
小学校の担任の先生を敵にまわしていいことは全くありません。
担任の先生が懐の深い人だとも限りません。
だったら取るべき態度は一つだけです。
中学受験と小学校の優先順位を人前で言わないこと。
中学受験を理由に小学校をないがしろにしていると受け取られるような言い方をしないこと。
そして担任の先生には最大限のリスペクトを。
ピース。One Love。
こちらでも直前期に学校を休んでひどい思いをしたときのことを書いております。
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