【中学受験】中学受験の沼 親がはまりがちな深淵事例 Part.1
「うちは夫婦二人とも中学受験したことないから〜」
とおっしゃる方は結構います。
その後の言葉は察してくれと言わんばかりにアルカイックスマイルを浮かべますが、無理やり補足しますと、
「子どもに聞かれても教えられない」
が次に続く言葉なのでしょう。
要するに中学受験経験者よりも不利ですよ、とアピールする深遠な狙いがございます。
で、本当に子どもの成績が悪い場合は、
「まぁ、うちは不利だから仕方ないでしょ」
でしょうし、
子どもの成績が良い場合は、
「うちは不利なのに結構すごいでしょ」
と思って欲しいわけで、腹の底が垣間見えて人間の業の深さを感じる春うららでございます。
「そうそう、よく聞く!ウヒヒ」と思われた方には映画「Abyss」の有名なセリフをおくりましょう。
「深淵をのぞく時、また深淵からものぞかれているのだ」
引用:映画「Abyss」より
ウカウカしておりますと、ご自分が深淵にパックリいかれてしまいます。
そうならないためによくある中学受験の沼、深淵事例なんぞを紹介しようってのが今回の趣旨です。
ご自分があてはまるからといって怒らないでくださいよ。
クレームは一切受け付けません。
教えすぎる父親
中学受験経験のあるお父様がいらっしゃるご家庭では時としてお父様がやたらハッスルいたします。
で、こういったお父様は世間一般で言うところのいい大学を出てたりします。
子どもから「所持金の20%が100円だとすると、どうして所持金は500円になるの?」と聞かれているのに、
いろいろな方向に話が飛んで、
「割合は比例に通じ、比例は1次関数に通じ、1次関数は2次関数に通じているのだ!さぁ、放物線を描くぞ!」
などと聞かれてもいない話題に発展しがちです。
とがめようものなら、
「いやいや将来的にこういう勉強まですることをイメージしないと・・・」
と、余計なおせっかいをしたりします。
その根底には、ご自身の成功体験を知ってほしい!足が臭いだけじゃないんだ!とアピールする狙いがありますが、結局子どもには、
「足が臭くて話が長いオヤジ」
だと思われるのが関の山です。
教訓:聞かれたことだけに答えましょう
テスト後どうだったと聞く母親
さ、父と母に分けて深淵事例を紹介してまいりますが、ジェンダー関係の人が聞いたら卒倒するかもしれません。
まあいいでしょう。私、SDGsにも興味ありませんし。あ、SDGsは関係ないですね。沼、深淵です。いきましょう。
子どもを模試会場に送り出し、テスト終了まで4時間。
大体は近くのスタバにいます。
皆さんもお暇でしたら、合不合判定テストの日に会場近くのスタバをのぞいてみましょう。
40代くらいのお母さんがグループでおしゃべりしていたり、一人で真剣にスマホを見ている様子が見られますから。
そんな観察するほど暇じゃない?そりゃそうです。
で、テスト終了時刻に近くなると、4時間居座ったスタバからそそくさと出てくる様子が観察できます。
子どもがテスト会場から出てきますと開口一番
「今日のテストどうだった?」
と聞いていたりします。
中学受験に関わっていない方は信じられないかもしれませんが、本当によくある光景です。
すると子どもは面倒くさそうに
「うーん、まあまあ」とか「よくできたんじゃないかな」とか「あー終わった・・・」と言います。
私も小学生時代よく聞かれましたが(私は四谷の日曜教室の後に)、
「うるせー、こっちは疲れてるんだ」
と思ったものです。振り返って感想を言う気になんかなりません。面倒くさくて適当に答えます。そしていい感情は小指ほどもわきません。
スタバでお茶してるだけの人にはにわかに信じがたいかもしれませんが、テストが終わった後ってめちゃくちゃ疲れてるんです。
真剣にいい点数をとりたいと思っている子ほど疲れております。
テストの感想聞くくらいいいだろ、と思いますか?
いやいや、「テストどうだった?」現象ってテスト特有の現象だと思うんですよ。
サッカーの試合で全力出して疲れ切った子に「さっきの試合、振り返ってどうだった?」と聞きませんよね。
普通は「お疲れ様」でしょうよ。
え?うちのサッカークラブでは親が試合終了後にダメ出ししてるって?
この世の終わりですね。
教訓:テストが終わった子にかける言葉は「お疲れ様」だけでいい
テストだけ興味のある父親
普段送り迎えもしない、宿題の進捗も興味ないくせにテストの点数だけ目をキラキラさせて眺める父親もよくいます。
「合格判定Dだったぞ!この前はEだったからいい調子だ!」
などとダジャレを交えて鼓舞してみたり、
「大問1の(2)は基本問題だろう。つまらないケアレスミスは命取りだぞ!」
なんて最上段からありがたいお言葉を授けてくれます。
えーと、普段の様子を見ていない父親からの叱咤激励なぞひろゆき(※注 2ちゃんねる創始者)の子育て論くらい響きません。
説得力が全然ないんですよね。
むしろ、結果だけ見てどうこう言ってくる人間には大抵の場合、嫌悪感を抱くものです。
テストの点数を見てオヤジギャグをかましたり、ありがた迷惑な言葉をかけてくるだけだったら害は比較的少ないです。
これが小学6年生になると、
「この時期にこんな成績でどうするんだ!第一志望を偏差値10くらい落とした学校にするほうがいいんじゃないのか!?次のテストで決めるからな!」
ってな具合でせっかく塾、お母さん、子どもで決めた志望校を勝手に変えようとしたり、踏まなくてもいい踏み絵を迫ってくる暴挙に出がちです。
本人が一所懸命になるほど周りは引いていきますので、こういった行動はやめておきたいものです。
教訓:普段関わらない人間は口出ししない
過去問を入手する母親
志望校の過去問ではありません。
組分けテストの過去問です。
「え?そんなやつ世の中にいるの?」と思われた方はまだまだ世間知らずでございます。
メルカリを見ると山ほど組分けテストの過去問が出品されてますし、土曜日に行われた組分けテストを土曜日の夜に解説するお節介な人もいます。
日曜日に受ける人もいますからね。せめて解説は月曜日にしておきましょうよ。それじゃPVを稼げない?いやいや、子どもたちに毒を食わせてまでPV稼がなくてもいいのではと思ってしまいます。
で、それを見て前日対策と称し、出題される問題を解かせて所属クラスをキープしたりする親御様が一定数いらっしゃいます。
信じられないでしょうが確実にいます。
もしご自身がそのような行為をしているのであればただちにやめたほうがいいです。
倫理とかいうチャチな問題じゃありません。テストを受ける意味がなくなっちゃうからです。
いえ、それどころか苦手分野を克服したり、分からない部分を復習したりする機会を奪っているわけでして100%害悪です。
テストは子どもの学習方法を見直すいい機会なんですが。
そこへもってきて、
「テスト前にお母さんがやってくれる対策をすると点数がとれるんだ」
なんて言っちゃったりします。筋金入りのろくでなしですね。
こんな意味の分からない行為をするのはクラスが落ちると授業のレベル、先生のレベルが落ちると信じているからです。
どこかの萩生田大臣が仰っていたように私は身の丈をわきまえた方がいいと思うんです。
悪い意味じゃないですよ。授業は自分のレベルに合っていたほうがいいんですよ。
学習方法の見直しもできない、レベルに合った授業も受けられない、二つの意味で悪い効果しかないので絶対にやめましょう。
教訓:模試の過去問やカンニングサイトを見ない
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