精読は中学受験の国語以外の能力を伸ばすか
精読の効果
本を読む力、つまり読解力は国語だけでなく他の教科においても基礎となる、とかいう意見は良く耳にします。
じゃあ、本を読ませよう。本を読んだら感想をまとめさせよう。そういう思考に陥ってしまいがちになります。
が、断言しておきましょう。
本を読むことによって養われた読解力は算数、理科、社会には直接的に役に立ちません。
理科、社会は私の専門分野ではないので算数に限って話をする点、お許しください。
中学受験の算数で解を得るロジック
結論から言いますと、中学受験の算数では読解力は解答するにおいて必要な能力ではあるものの、それさえあれば解けるというものではありません。
中学受験の算数を解くロジックが、
解法、または解法のパターンを知っており、それと問題文との間にある隔たりを埋める作業を行い、自分の知っている解法、または解法のパターンに当てはめることにより解ける
というものだからです。
これを図示しますと、
問題文
↓
条件を整理
↓
隠れた条件を発見
↓
解くための方向性を定める
↓
解き方を設計する
↓
解法、または解法のパターンを利用する
というように解答を導くのは解法、または解法のパターンと問題文の隔たりを埋める作業と言い換えることができます。隔たりを埋めるには問題文を解法、または解法のパターンに咀嚼していく作業が必要になります。
これは国語を解答するための読解力とは異なります。
開成中学校の算数の問題を実況中継していますのでどういったロジックにより解いているのかと国語の読解との違いを知っていただきたく思います。
精読によって得られるもの
とはいえ精読によって身につけられることは確かにあります。
それは、「〜だからこう」「〜によりこうなる」という論理性です。こうした論理性は他の教科を解くにおいても役立つことでしょう。
しかしながら、算数を解くためには算数特有の解法や解法のパターンを導くための論理性や問題文の解きほぐし方が必要であり、前提が「解法や解法パターン」を知っていることにある以上、単なる文章の精読だけでは解答には行き着かないのです。
それぞれの教科の前提知識を身に付ける
ここから導き出されるのはそれぞれの教科の前提知識を身に付けることとと、その知識を活用するための読解方法を身に付けるのが重要であるという事実です。
算数であれば、解法や解法のパターンに関する知識を前提として、そこまで至るための問題文の解きほぐし方です。
まずはそれぞれの教科において必要な解法や解法のパターンといった前提知識を身につけていきましょうそしてそれを導くための読解方法を身につけていきましょう。
幸い、私は算数と国語については人に教えられるレベルにあります。
じっくり読んで、どのようなロジックで解いているのかを知って頂き、学習に役立てて頂きたいと思います。
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