【中学受験】小学5年生の算数 どうして難しく感じるのか・どう勉強すればいいのか

【中学受験】小学5年生の算数 どうして難しく感じるのか・どう勉強すればいいのか

「小学5年生の予習シリーズになってから急に難しくなりました。どうしたらいいですか?」

とメールを頂戴いたしました。

いやー、どうしましょうかねー。

確かに難しくなってます。最近、5年生の予習シリーズを購入いたしまして「株式会社ナガセが本気を出してきたナ!」と思いましたよ。

 

そもそも小学4年生までの算数と、小学5年生以降の算数の違いはなんでしょう?なんで難しく感じるんでしょうか?

最近はいろいろな方が中学受験について発信するようになり、

「小学5年生になると難しさは2倍になる!」

などと当社比で語っておられます。

 

では難しさとはなんでしょう?

「難しい」とか言われても何がどう「難しい」のかあいまいで、私にはさっぱりわからんちんです。

 

私なりに「難しい」を言い表すと、「解答に至るまでのステップが増える」です。

手順が増えて複雑になる、おそらくこれをもって頭の良い皆様は「難しい」と言っておられると推測いたします。

 

料理にたとえますと、

小学4年生までの算数はエビの丸焼きをつくる感じ

小学5年生の算数はエビのチリソースを市販のソースを使ってつくる

さらに小学6年生ではそれまで作ったこともないエビのマヨソースをつくる

そんなイメージです。

要するにだんだんと手順が増えたり、これまでの知識を使って解いた経験のない問題が出てくるようになるんです。

 

手順が増えますと、考える量も増えます。

すると、一つ一つの作業の意味が分からず「あ!エビを料理酒につけるのを忘れた!」とか抜け落ちが出てきます。あるいはエビを片栗粉にまぶしたあとで料理酒につけこんだりしちゃいます。

複数の作業手順があると途端になにかを忘れたりします。意味が分からないからです。

ちなみにエビを料理酒につけこむ意味はわかりますよね?くさみを抜くためです。

 

だんだん料理のブログみたいになってまいりました。

 

さて算数です。

算数も基本事項は4年生でほぼすべて習います

5年生で新しく習う概念は比ぐらいじゃないですかね。

旅人算?あれは速さの応用です。食塩水?まんま割合じゃないスか。

 

5年生以降の算数は4年生で習った内容を組み合わせたり発展させて解くようになります。

チリソース的です。

手順も複雑になりますし、一つ一つの手順の意味が分からないと途中で何をやっているのかわからなくなります。

つまり、解き方の丸暗記では通用しなくなってまいります

 

もう一度、料理の話を。あ、ちなみに私は料理人ではありません。

 

さて、エビのチリソースを作るのに何が必要でしょうか?

材料?そうですね、材料が必要です。

では、どんな材料が必要でしょうか?

エビ、片栗粉、日本酒、食塩、市販のチリソース、長ネギ・・・などなど。

まず、エビのチリソースに何が必要なのか思い浮かべますよね?

 

次に、どんな手順で作るかが必要です。いわゆるレシピですね。

 

そしてレシピ通りに正確に材料を調理していく、調理の技術も必要ですね。

 

算数で言いますと、問題を解くのにどんな条件、数値が必要かを思い浮かべます。

次にその条件や数値から答えを導くための手順を思い浮かべ、式に直します

式に直しましたら、正確に計算していきます。

この際の手順の数が増え、複雑になるのが小学5年生以降の算数です。

 

ですから、

「Yeah!算数は毎回偏差値60以上取りまクリクリ!」

なんて小学4年生まで算数パリピだったのが、5年生そして6年生になった途端、陰キャに落ち着いちゃったりする子も出てまいります。

公式や典型題の解き方を覚えるだけじゃ通用しなくなるからです。

 

成績が落ちて浮上の糸口が見えなくなると元気がなくなります。

「偏差値40以下取りまクリクリ!」とは絶対に言いません。

そもそもパリピが「クリクリ」言うのかは知りませんが。

 

今日は算数の成績が小学5年生から落ちちゃった人、そしてこれから5年生に突入していく小学4年生を対象に大事なポイントと学習の仕方についてお話をしてまいります。

小学5年生以降の算数で大事な3つのポイント

小学5年生以降の算数で大事にしてほしいポイントが3つあります。

一つ目は問題の正確な把握。

二つ目は解く過程を思い浮かべて立式する。

三つ目は作業の意味を意識する。

その一 問題を把握しましょう

問題を正しく把握しないと解けません。

 

信じられないくらい普通の話をしております。

「問題を把握してないなんて、そんな馬鹿な!」

と笑うかもしれません。

が、問われていることを把握してないまま解こうとする子は跡を絶ちません。

 

時速を聞かれているのに、分速で答えたり

とか

間の数を聞かれているのに要素の数を答えたり

とか

橋の入口に差しかかってから完全に橋を通過するまでの移動距離を聞かれているのに橋の長さを答えたり

などなどつまらないミスが起こります。

そんなバカなと思いますか?小学生ならではのミスだと思いますか?

いえいえ、今年の大学入学共通テストでも「タンジェント16°の値を1/4しなさい」とかいう問題の意味が分からない高校生、浪人生がいっぱいいたようです。

 

笑っている場合じゃありません。

「1月21日が土曜日だとして、その年の5月30日の曜日を聞く問題」があったとします。

これは要素の数を聞かれていますか?

それとも間の数ですかね?

答えは出せたとしても、どうしてそんなやり方をするのかちゃんと説明できる人はそうそう多くないんじゃないでしょうか。

 

上のような単純な問題でしたらすぐに解答できますが、ひねりが加わって、解答までの手順が増えてきますと途中で何をやっているのかわからなくなってしまいます。

エビのチリソースを作るつもりが、エビの唐揚げを作っていたなんて話にもなりかねません。

基本事項の定義、意味があいまいですと何が問われている問題なのかよく分からなくなります。

なんとなくのやり方暗記で解けてた小学4年生から5年生になるとそんな落とし穴がございます。

 

じゃ、どう解決するのかって、例題・類題を丁寧に読み込むのが最も効率的です。

どうしてこんなやり方で解けるのか腹落ちするまで読み込む、と。

なぜ割るのか、なぜ掛けるのか、なぜ足すのか引くのか。

その数字は何を意味しているのか。

一つ一つ意味を確認しながら取り組むといいですね。

その二 解く過程を思い浮かべて立式しましょう

初めて作る料理をレシピを見ずにいきなり調理しはじめるとまずくなりがちです。

やけに塩っぽいとか。

普通はレシピを見て、作る手順を頭に思い浮かべますよね。

 

算数もそれと同じです。

問題を見て正しく把握したら、次は解くまでの手順を思い浮かべ立式する。

立式=レシピです。

 

式も書かずに筆算を書きなぐって答えを出すのは、行きあたりばったりのやり方でございます。

おたくのご息女、ご子息も筆算を書きまくった挙げ句、途中で「うーん」とか手が止まってたりしませんか?

 

「この数字なんだっけ?」ってね。

レシピもなく、うぉーっと調理していったものの、「え?この数字は何の数?これ答えなの?」状態になってます。

 

もちろん筆算を書きなぐるのが絶対ダメとは言いません。

簡単な問題、今までに解いた問題だったらそれでも答えは出るでしょう。

あるいは、猪突猛進的に頭が良ければそれでもいいでしょう。

 

が、解答までの道筋を思い浮かべ立式するクセを身に着けたほうが安定的に問題を解けるようになります。

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