【中学受験】小学5年生の算数 どうして難しく感じるのか・どう勉強すればいいのか
その三 作業の意味を意識しましょう
いきなり問題です。
「1から100までの整数に5の倍数は何個ありますか?」
100を5で割って20個と簡単に出ますよね。
じゃ、なんで100を5で割るんでしょう?100を5で割ると一体何が求められるんでしょう?
100を5で割るってのは、100の中に5が何個あるかを求める作業です。
100個のりんごを5個ずつお皿に盛っていく、と言うとわかりやすいでしょうか。結構でかい皿です。
この意味を説明します。
まず「1,2,3,4,5」「6,7,8,9,10」・・・、と5つの数を一つのまとまりと考えます。
一つのまとまりの中には5の倍数が必ず1個あります。
ってことは、このまとまりが何個あるのかを求めると5の倍数の個数が求まります。
つまり、100を5で割るわけです。
一つのまとまりの中に5の倍数が必ず1個ある点に注目した解き方が「100÷5=20」なんですね。
では次に5の倍数が等差数列になっている点に注目して同じ問題を解いてみましょう。
5の倍数は、5,10,15,20・・・100と続きます。
5から100までの差は100ー5=95となります。
間が5の等差数列になっていますから、95÷5=19と間の数が求められます。
19という間の数は最初の1個目を抜いちゃってますから、19+1=20と求められます。
普通は前者の100を5で割る方法で解きます。
が、割ると5の倍数の個数が求められる理由をちゃんと説明できる子はそうそう多くありません。
でも、答えが求められる理由が分からないのに、答えを求める方法だけ知ってるなんてやばくないですか?
理由が分からず求めた答えは、極端に言うと意味不明な数字です。
応用問題になりますと手順が複雑になります。
「最初にこれとこれを割って・・・」
「次に求められた数字にこれをかけて・・・」
「その数字に1を足して・・・」
「最後に2倍して・・・」
なんてやってると途中で「あれ、今出てきた数字なんだっけ?何を求めたんだ???」となる恐れがあります。
自分が求めた数字が何なのか分からなくなっちゃうんです。
自分が何をしようとしているのか、出てきた数字は何を意味しているのか。
間の数を求めたのか、要素の数を求めたのか、あるいは周期の数を求めたのか。
お子さんに是非聞いてみてください。
「これ、答えは合ってるけどさ、この途中の数字は何をあらわしてるの?」
うまく答えられなかったら感覚的に解いてるかもしれません。
感覚的でも構いませんが、感覚であるがゆえに時々間違えます。
その間違えが本番でないことをいのります。
小学5年生の算数、どのように学習していくか
上であげたようなポイントを押さえるためには予習シリーズの例題・類題を自分の頭で意味を理解しながら学習する必要があります。
例題・類題を理解したら、次は基本問題を反射的に解けるようになるまで練習するといいです。
理屈を覚えたら、基礎の反復練習です。
オオタニさんのスイングをビデオで見て理解しだけじゃ、オオタニさんのようなスイングはできません。反復練習しますよね。
勉強も同じです。
練習問題まで無理して手を出さなくて構いません。
基本問題を全部正解できて、かつほとんど考えずに解けるようになれば自然に練習問題を解けるようになります。
むしろ、基本問題でうんうん考えているのに練習問題まで手を出すのは消化不良になります。
きっとここまで読んで、
「え、例題・類題を自分の頭で理解するなんてハードル高すぎねえ?」
「基本問題の反復なんて時間ないんだけど?」
と思われるでしょう。
予習シリーズの1回1回には理解・習得しておくべきポイントが必ずあります。
私は4年生予習シリーズの算数を、たまーに気が乗った時に記事にしてきました。
和差算は「数字を線に置き換えて表す」
植木算は「間の数と要素の数の概念」
つるかめ算は「二量の増減の関係」
などなど「〜算」を通して理解しておくべき数の概念やポイントを紹介してきました。
このポイントを理解するのが例題・類題の目的であり、体になじませるのが基本問題です。
例題・類題には解き方がつらつら書いてありますが、本質的に理解すべき事柄はそう多くありません。安心してください。
また、ポイントを理解していたら基本問題にかける時間は圧倒的に減ります。
お子さんが困っていたらぜひポイントを教えてあげてください。
私はと言うと、、、今後も4年生、5年生の算数を中心に気が向いたときに何がポイントなのか書いていきます。
がんばるんば。
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