【中学受験】国語で8割正答する解き方と勉強法 理由問題編

【中学受験】国語で8割正答する解き方と勉強法 理由問題編

中学入試国語の理由問題の解き方、ならびにその他の類型的問題の解き方については以下の記事を読んでください。

【中学受験】国語で8割正答する解き方 3つのフレームワークと9つのバリエーション

読んできましたか?OK、やっていきましょう。

理由問題の見分け方

問題文に「なぜ」「理由」という言葉が入っていたらそれは理由問題です。

傍線部の意味ではなく、傍線部の理由を答えさせる問題です。見分け方は分かりましたね?

 

国語の読解問題には3つの種類の問題があり、それぞれに解き方があると言いました。

すなわち、説明(同義)問題、理由問題、空欄問題です。

それぞれ解き方が異なります。だから、まずは問題文で何の問題なのかを判断することが重要になってきます。

理由問題の解き方

1.傍線部に至る過程を文章中から拾ってくる

2.文章中から拾ってきたパーツを組み合わせて再構成する

3.傍線部に至った理由を定義する

 

傍線部は結論、結果であり、その背景には理由があります。したがって、傍線部に至った過程を文章中から拾ってきて、理由になるように再構成すると理由問題の答えになります。

ではやっていきましょう。

理由問題実践編

平成26年度 開成中学国語 大問1 問2

平成26年度 開成中学 国語 大問1

問2

ー①「僕は余計なことをしてしまったのかもしれない」とありますが、なぜ「余計なこと」というのですか。理由を説明しなさい。

引用元 平成26年度 開成中学 国語 大問1 問2より

開成中学の国語の問題の特徴は記述が中心で、かつ字数が指定されていないことです。だから適当に解くことはできません。漏れなく文章中から必要な文章を拾ってくる技術を身につけ、字数制限のヒントなしに、必要な要素を余すことなく解答欄に書くことが求められます。

いいですねえ。基本通りの解答ロジック(=フレームワーク)を身につけていないと、簡単には正解させないという魂胆ですね。

逆に言えば、基本通りの解答ロジック(=フレームワーク)を身につけた者からするとちょろいものです。

 

ではこの問題を解いていきましょう。

解き方

基本に忠実にやっていきましょう。

傍線部に至る過程を拾ってきます。

「オバケの出るところがなくなっちゃう」とある小さな子が泣き出しそうな声で言った。

子どもたちはもうだいぶ前から、夏の夕暮れに肝だめしというかオバケごっこをして遊んでいた

大人が草や灌木を刈るとオバケの隠れている場所がなくなるのが不安だった

ぼくはいくつかの「オバケの隠れ場所」を残してもらった

けれどそれ以後、子どもたちのオバケ遊びはすたれてしまった

自分たちだけの秘密が大人に知れてしまったから

ぼくは余計なことをしてしまったのかもしれない。

引用元 日高敏隆「”祟り”という思想」

「ぼくは余計なことをしてしまったのかもしれない」という思いに至るまでに以上のような過程が存在しています。

 

あとはこれをまとめるだけ。

でも開成中学の国語の問題では字数が決められていません。ということは真に必要な文章のみを解答として記述する必要があります。

 

まずはざっくりまとめてみます。

「子どもたちがオバケ遊びをするための場所を残してもらったが、秘密が大人に知れてしまい、オバケ遊びはすたれてしまったから」

げ、これでも答えになっちゃいますね。

 

ちなみに参考書の解答例はこのようになってます。

「筆者が子供達の遊び場を守るためにしたことで、子どもたちの秘密を大人に教えることになり、場所だけ残ってオバケ遊びはすたれたから」

 

この手の記述問題では必ずしも解答例通りにならなくても構いません。理由となる要素を漏れなく記述できていれば大丈夫です。

 

この問題で重要なのは、「子どもたちがオバケ遊びをする場所を残してもらった」「子どもたちの秘密が大人に知られた」「オバケ遊びがすたれた」という3つの要素が記述されていることです。

 

その意味では私の解答も参考書の解答例も要素を満たしています。

 

何しろ理由問題は傍線部に至る過程を文章から抜き出して再構成することが重要なんです。

コツを掴むためにもう1問やりましょう。

平成27年度 早稲田中学国語 大問1 問2

平成27年度 早稲田中学 国語 大問1

問2

ー線2「兄さんが僕たちの味方になったんだ」とありますが、このように言う理由として最もふさわしいものを次の中から選び、記号で答えなさい。

ア 兄さんはロバートたちに大人になる方法を教え、それを実行するように勧めているから。

イ 兄さんはロバートたち二人がともにハイスクールの生徒として成長するように、公平に諭しているから。

ウ 兄さんはロバートたちが自然と成長していくことを願い、無理やりオール先生のところへ行かそうとはしていないから。

エ 兄さんはロバートたちより先輩であるけれども、そのことで大人ぶったりしていないから。

オ 兄さんはロバートたちの気持ちを、オール先生の立場よりも優先してくれているから。

引用元 平成27年度 早稲田中学国語 大問1 問2

ロバート・ニュートン・ペック 金原瑞人訳『続・豚の死なない日』より

選択肢問題だろうが記述問題だろうが関係ありません。粛々と理由問題の解き方のフレームワークに則って解くだけです。

 

ちなみにロバートは「ぼく」、ウィルはジェイコブの兄、「ぼく」とジェイコブは同級生です。

 

傍線部に至る過程を拾ってきます。

ウィル:「おまえたちは、そうすべき(=オール先生に謝るべき)なんだ」

ウィル:「(もしまだオール先生に教わるのだったら)オール先生にあやまったって、ただのごきげんとりさ。でもおまえたちはもう図工を教わらない。」

ウィル:「大人になるって言うことはがまんしなくちゃいけないってことなんだ。」

ウィル:「むりにやれとはいわない。(中略)やるもやらないもおまえたちしだいなんだ」

ジェイコブ:「おまえ、兄ちゃんの味方をするのか?」

ぼく:「ちがうよ、兄さんがぼくたちの味方になったんだ。ぼくも、去年オール先生にしたいたずらのことが気になっていたんだ」

引用元 ロバート・ニュートン・ペック 金原瑞人訳『続・豚の死なない日』より

ではこいつをまとめて正解を作りましょう。

「「ぼく」はオール先生にしたいたずらが気になっていたが、謝ることができなかったのに対して、ウィルが大人になるにはがまんしなくちゃいけないと説いてくれたことで謝る決心ができたから」

 

ポイントは、ウィルが大人になるための方法を示唆し、オール先生に謝るように後押ししてくれたことです。

解き方

では選択肢を消去法で落とします。

ア・・・これは趣旨と合っています。正解候補として残します。

イ・・・「ハイスクールの生徒として成長するように」というのが違います。「大人になるため」です。

ウ・・・「自然と成長していくことを願い」というのが違います。ウィルは明らかに二人に対して、謝りに行けと言っています。

エ・・・全然違います。話になりません。

オ・・・「ロバートたちの気持ちをオール先生の立場よりも優先」してくれてはいません。あくまで、ウィルは謝りに行くことは大人になることだと二人に諭しているんです。

 

よって正解はアです。

国語の勉強法 理由問題編

どうでしょう?理由問題の見分け方と解き方は分かりましたか?

おさらいです。

見分け方は問題文の中に「理由」「なぜ」という言葉が入っていることです。

解き方は傍線部に至る過程を抜き出していくことです。

 

シンプルでしょう?

 

正確に抜き出して再構成すればそれが答えになります。また、選択肢問題よりも記述問題の方が簡単な気がしませんでしたか?

そう思ったあなたはえらい!分かってます!

選択肢問題の方が「なんとなく正解に見える」選択肢があるので心を惑わされてしまうのです。その点、記述問題だったら心を惑わされることなく、必要な要素のみで解答を作れます。

 

選択肢問題における迷いを払拭するには、自らが作った解答が正しいと確信を持てるまで訓練を続けるほかありません。

過程を漏れなく抽出する訓練

結論に対する過程を漏れなく抽出する訓練を行うことが重要です。とにかく線を引っ張る。

いいですか、線を引っ張るんです。

初めは余計なところまで線を引っ張ってもいいです。解答と見比べてみて、余計なところに線を引っ張っていたとしたら、次からは正確に線を引っ張るように意識するだけです。

家庭での勉強のコツは余計かなと思われるところまで線を引っ張ることです。出し惜しみしてはいけません。

 

線を引っ張る箇所は少ないよりも多い方がいいんです。なぜなら、多く線を引っ張ってしまったら再構成するときに削ればいいだけだからです。

良くないのは線を引っ張るのを出し惜しみすることです。

少ないより多い方が良いです。断言します。多ければあとで精査できますが、少ないと精査ができませんから。

過程をつなぎ合わせ理由を抽出する訓練

まずは過程を日本語の文章となるようにつなぎ合わせる訓練をしましょう。漏れなく必要な要素のみをつなぎ合わせるんです。

いきなりはできませんよ。

つなぎ合わせる、解答を見る、間違っていた箇所を検証する、つなぎ合わせ方を検討する、またつなぎ合わせる、解答を見る・・・、こういった訓練を積み重ねることで解答を作る力を鍛え、精度を上げていくんです。

 

家庭ではこういう学習をすべきです。

そして塾では課題を持って、実践的な問題を解く。実践する、検証する、修正する、方法を微調整する、実践する、検証する、修正する・・・そうやって精度がどんどん上がっていくんです。

 

入り口までは案内します。でも扉を開けるのはあなた方です。

【中学受験】国語で8割正答する解き方と勉強法 説明(同義)問題編

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