開成中学入試問題「算数」を徹底解説、平成29年度「算数」大問4(1)図形ー第4回
step1さえできれば解けてしまう問題
今日は開成中学校平成29年度入試問題「算数」の大問4の(1)を解いていきたいと思います。
これから解いていきますが、この問題はstep1をきっちりとできればそれだけで解けてしまう問題です。では四の五の言う前に解いていってしまいましょう。
step1 問題文を読み解く
図1のように、底面がAB=4cm、BC=3cm、CA=5cm、角ABCの大きさが90°の三角形であり、側面がすべて長方形の透明な三角柱のガラスでできた容器があります。この容器には水を入れることができ、どのような向きに置いても水はもれないものとします。また、容器のガラスの厚さは考えません。
まず、この容器に少し水を入れたところ、面DEFを下にして水平な床に置いたときと、図2のように面BCFEを下にして水平な床に置いたときとで、容器の下の面から水面までの高さが等しくなりました。
次に、この容器に、これまでに入っていた量の5/4倍の水をさらに追加したところ、面DEFを下にして水平な床に置いたときと、図3のように面ABEDを下にして水平な床に置いたときとで、容器の下の面から水面までの高さが等しくなりました。
ただし、下の図において斜線の部分は入っている水を表しています。次の問いに答えなさい。
(1)図3の「う」の長さは、図2の「あ」の長さの何倍ですか。
図形の問題における条件の整理、導き出し方のコツは、まずはとにかく設問で述べられている文章を図形にしていくことです。つまり、文章で出てくる線を引っ張ったり、文章から導き出される数字を書き込んだり、文章で出てくる図形を書いたりするということが基本で、それによって与えられた条件の整理や隠された条件の発見を行うのです。
①の文章
容器に少し水を入れたところ、面DEFを下にして水平な床に置いたときと、図2のように面BCFEを下にして水平な床に置いたときとで、容器の下の面から水面までの高さが等しくなりました
②の文章
次に、この容器に、これまでに入っていた量の5/4倍の水をさらに追加したところ、面DEFを下にして水平な床に置いたときと、図3のように面ABEDを下にして水平な床に置いたときとで、容器の下の面から水面までの高さが等しくなりました
この①、②の文章を図形にしたものを下にひとまとめにしてみました。
上の図から「あ」は4/4で、「う」は9/4です。
さて一気にstepを飛ばしてしまいましょう
step5 計算する
設問は「う」の長さは「あ」の何倍ですかという問題ですから、
9÷4と解いて、
答えは2.25倍です。
ちょっと簡単すぎますね。
最初に述べましたようにstepごとにしっかり解いていけば開成中学校の算数で解けない問題はほぼありません。
しっかり段階を追って解いていくことを意識していきましょう。
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