江戸川放水路にてボートでハゼ釣り 生態と釣りのコツみたいなもの

江戸川放水路にてボートでハゼ釣り 生態と釣りのコツみたいなもの

この三連休にボートのハゼ釣りに行ってまいりました。

受験系ブログでは随一の重厚長大な雰囲気を感じさせる(当社比)、中学受験ブログ界の京浜工業地帯と自称する当ブログで何故、ハゼ釣りなのか。

 

非常に楽しかったからです。

 

それにとても示唆に富む釣りでございました。

ではいきましょう。

ハゼの生態

一夜漬けでハゼの生態を学習していきました。

何はともあれ敵を知ることが全ての始まりです。

ハゼってのはこんな奴です。

ハゼの見た目

ハゼの姿

ハゼの生息域

この生き物、河口付近のいわゆる汽水域というところに巣食っています。海水と真水の交わるあたりですね。

そして、水底で上から餌が落ちてくるのを待っています。

水底と言っても岩石質ではなく、砂泥で這っているのを好みます。

ハゼの釣れる時期

釣れる時期は5月くらいから10月くらいまで。特に9月と10月がピーク。

なぜなら、夏から晩夏にかけて餌を食いまくって越冬、産卵を行うからです。餌を食いまくる時期に釣り餌を垂らすので釣れるという理屈でございます。

本当は11月以降の冬でも釣れるらしいですが、ちょっと玄人好みらしいのでパス。「玄人好み」にろくなものはありません。

ハゼの食べるもの

食べるものはゴカイとかアオイソメのようなニョロニョロした奴を中心にエビ、カニ、魚、貝と肉食系。とぼけた顔した奴くらい肉食系なのは人間界と、とてもよく似てますね!

私がハゼに目をつけた理由

何より私がこの間抜けな顔した魚に目をつけたのは、こいつら基本的に餌らしきものには飛びついてくるということ。つまり、めちゃくちゃ釣れると評判の魚なんです。子供に己の爆釣ぶりを見せつけて権威回復するにはうってつけというわけです。

 

私がこれらの生態から導き出した仮説はこうでした。

「なるべく目立つように水中での落下を演出し、無事着底させた後には絶え間ない上下動によりハゼのスケベ心を煽り、パクッと食いついたところをサクッと合わせればたくさん釣れるはず」

ロケーション

私が行ったのは江戸川放水路です。

江戸川放水路というのは、

江戸川放水路は、首都圏の生活用水等を確保するために設けられた行徳可動堰により、平常時は河川水が流れないため海の入り江と同様の形態で、首都圏の市民が水に親しむことのできる穏やかな空間

引用元 江戸川河川事務所

という空間であります。

上の地図の「市川市立妙典小」の右横の江戸川河川敷が、今回行った場所でございます。

ちなみに行徳可動堰というのは江戸川が2股に分かれた直後、右側の川を横切っている道路にあります。

行徳可動堰でせき止めているんですね。だから、行徳可動堰より海側(地図の下の方)の河口は海の入り江と同様の形態となっているんです。

 

この穏やかな空間で私の仮説が現実のものとなることを想像すると、いやが応にもアクセルを踏む足下が軽快になります。

駐車場代

場所は妙典付近、この辺りにいっぱい貸しボート屋さんがあるんです。そして、貸しボート屋さんの前は駐車料金無料。しかしながら、江戸川放水路の土手の上、妙典小学校の前辺りに駐車場がありますが、こちらは一日1000円。

 

事前のリサーチで分かっておるのだよ。駐車場代。

もちろん、私は貸しボート屋さんの前の駐車場にとめます。

貸しボート、仕掛け、餌の料金

ボート代と仕掛けと餌代、しめて5000円弱。

5000円弱で家庭における地位が復権するならば安いもの。

いざ釣りに出かけんとする

貸しボート屋さんで子供用のライフジャケットを借り(無料)、うっかり忘れてきたバケツも借り、慌てて出てきたがゆえ忘れていたお手洗いを借り、モーターボートで川の中程まで運ばれてくるとそこには幾艘もの手漕ぎボートが。

 

ヨタヨタと漕ぎ始め、何となくみなさんが釣りをしている場所までたどり着き、仕掛けをセットし、餌を針につけるまで30分。

いや、時間かかりすぎだとは言わせませんよ。

餌だと言われて受け取ったアオイソメとかいう、まるでナウシカに出てくるような怪物めいたフォルムの生物。モーターボートを操る船頭に言われたように1cmの大きさにハサミで切るのにマジで時間がかかりました。

1cmの大きさに切るまでに指を噛まれたり、ニョロニョロ逃げ出したり、悲惨な有様。

 

付近のボートで手際よくハゼを釣り上げる私と同年代らしき独り者の男を横目で見ながら。

 

そして水中に投入します。リールの扱いが違う!とか知ったような口を子供に叩きながら、水中投入です。

しかし、一投目で早くも糸が絡まります。

嘘だろ。何とかしようとして焦るうちになぜか流されて行くボート。お父さんと娘さんの乗ったボートにゴツン!

 

「錨を下ろしてないでしょ。それだと流されますよ」

と言われ、はっと船頭に言われた言葉を思い出す私。

「錨を下ろさないと流されますよー」

そして、さも当然のように錨を下ろす私。

「ここ、私たちが釣っているんでもう少し離れてもらっていいですかねー」

ですよね。

 

急いで錨を引き上げ、またヨタヨタと漕ぎ始める私。子供はもはや呆れ顔、ボートに乗ってから釣り始めるまでに約1時間が経過しております。

ようやく良さそうな位置まで来て、錨を投入し、先ほど針につけた1cmの怪物の切れ端を水中に投入。

 

ところが、釣れまくると噂に聞くハゼ釣りとは違い、待てど暮らせど何の反応もなし。そのうち、子供は飽き始め、ボート乗船から1時間半。

「早く帰ろうよ」

と言われてしまう始末。

 

おかしい、おかしいぞ。

着底の感覚からすると(多分)水底は砂泥質。つまり、ハゼがウヨウヨいるはず。なのに何の反応もない。合間、合間で細かく竿を動かしたり、水底を引きずる動作もしている。なぜ反応すらない。

向こうの独り者の男はこうしている間にも次々にハゼを釣っていく。

リア充の私に遠慮しているのか?遠慮はしなくていいぞ。さあ、針にかかるのだ。

釣れない理由と釣れる理由

安心できる場所で錨を下ろしてから1時間。ここまでの釣果は二人で5匹。100匹くらいいけるんじゃなかったんですかね?

子供は早く帰りたいと文句を言い、私はアオイソメを1cmの大きさに切りまくり、時々リールに糸が巻き込まれて釣りにならなくなり、ふと立ち上がるとボートが左右に大きく揺れ、危うく水の事故として報道されるような危機にさらされる。

 

私が思い描いていたハゼ釣りと全く違う。

 

そこで少しアプローチを変えることにしました。

ハゼ釣りの基本は仕掛けを水底に着底させることです。おそらく釣れていない理由はきちんと着底できていないのではないかと仮説を立て、どうしたら着底させられるのか、そして着底させた事実をどうしたら知りえるのかを考えました。

 

そして出した結論は、仕掛けを着水と同時に自由落下させ、糸が緩んだ時点で着底とし、着底を維持しつつ緩みを解消できる地点までリールを巻くことによって正しいハゼ釣りの状態となるのではないか、と。

 

▼糸が緩んだ状態=着底とする

糸が緩んだ状態

 

▼着底の状態を保ったまま糸がピンと張った状態

糸をピンと張った状態

 

糸が緩んでいる状態ですと、ハゼが食いついて来ても竿に反応はないはずです。ピンと張っておくことでダイレクトに当たりを感じ取れるはず。

そして、今まで釣れなかったのはうまく着底できていなかったからではないか。

 

そうしたところ何が起きたと思います?

今まで全く反応がなかった竿に次々と当たりの反応が起こり始めたんです。

最初の1時間で5匹しか釣れなかったのが、方法を変えてのぞむことでその後の1時間で50匹以上釣りました。

 

もちろん自信満々で子供にも釣るための方法を教えましたよ。

「釣りの基本は底を取ることなんだ。まずは糸を自由落下させる。緩む。多分、着底した。ピンと張る位置までリールを巻く。ちょいちょい動かす。ほら、きた!いきなり合わせるんじゃない!待つんだ。掛かるまで待つんだ!」

正しい方法はある

私ね、今回ちょっと怒ってるんです。

インターネットを見ても、書籍を読んでも正しいハゼの釣り方を手順で説明していないからです。ましてやボートの操縦法と、錨を下ろす必要性なんかどこにも書いてません。そのせいで私、子供の前で恥をかいたんです。プンプン!

その代わりに何を載せているかというと、ハゼの基本的な生態とか、仕掛けの針のサイズとか、釣れる時期とか。それはそれで大事な情報なのですが、実践的な手法については殆ど書かれていないんですね。

 

ハゼ釣りは着底の感覚が大事です。これは身を以て断言します。ところが着底をどうやって把握するかがどこにも書いてないんです。

初心者が着底を意識するために必要な手順が書かれていないのは、書いている人が初心者ではないか、単に調べただけの情報を載せているかのどちらかです。

 

すごく無理やり教育に結びつけますと、教科書を編纂する人たちや教える人たちは読み方をロジックで説明しませんし、よもや解き方の手順なんか教えてくれません。

どうしてそんなことが起きているのか私にはさっぱり分かりません。

絶対に読む手順や解く手順を説明すべきです。

 

とても頭の良い人たちが作り、教えているからなのでしょうか。

だとしたら私は頭の悪い人たちの代表として読む手順、解く手順を普通の人に教えてまわりたい。

 

ハゼ釣りのボートに乗って悪戦苦闘している私に、

「釣れない理由を考えて、釣りの思考力を鍛えるべきですよ」

と言うんですか?

 

そうじゃないでしょう。

「ハゼ釣りは仕掛けを着底させることが大事なんです。分かりやすい着底の目安は、着水後に仕掛けを自由落下させて、糸が緩んだ時点です。緩んだ状態では当たりが取れませんから糸が張るまでリールを巻くんです。そこから仕掛けを上下させて踊らせてください。ほら、ビクビクきたッ!我慢、我慢、それッ合わせろ!ね、釣れたでしょう?さあ何で釣れたか考えましょう

これが本来の姿だと思います。

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