【中学受験】親のサポート 親ができることと親の役割

【中学受験】親のサポート 親ができることと親の役割

親のサポート開始から起きる現象

親が正しく関与すると成績が上がるのはお話してきた通りです。

で、ここから先、何が起きると思いますか?

「もっと関われば、もっと成績が上がるはず」

と、思い込むようになります。

 

ところが現実はというと、親のサポートによって成績が上がったあと、一定ラインで止まります

ここからは一定ラインで止まる理由と、その先にどんな展開が待っているのかお話しします。

成績上昇が一定ラインで止まる理由

もう一度、中学受験勉強における成績についておさらいいたします。

「お子さんの能力×勉強方法=成績」

です。

 

仮にお子さんの能力が100だとして、当初の勉強方法が50%だとすると、

100×50%=50マナビ

となります。

さきほども言いましたが、「マナビ」は成績の出力値の単位です。

私が勝手にでっちあげてますから世間では通用しませんよ。

 

で、親のサポートによって、勉強方法が80%になったとします。

100×80%=80マナビ

となり、

偏差値45が偏差値55になったとします。

 

すると、親御様は味をしめて「もっと頑張ればもっといけるかも・・・?」とスケベな発想が頭をよぎります。

具体的には偏差値60を超える、とか。

 

たとえば偏差値60は95マナビ必要だとします。

すると、勉強方法を80%→95%にしないといけません。

 

ところが、勉強方法を80%→95%にするためには中学受験の知識が必要だったり、学習についてのノウハウが必要だったりします。

必死で知識やノウハウを獲得するのもいいでしょう。

が、時間がかかったり、間違えたりします。

 

吹き出し左
グラサン

なんで最初は急に伸びたのに伸びないのぉ!勉強量が足りないのかも!

ここが間違えがちなんです。

成績は一次関数のグラフのように一定割合で変化しません

均衡点に向かって収束していくんですよ。

期待と現実のギャップ

↑のグラフのように均衡点に向かって成績は収束します。

したがいまして成績上昇は一定ラインで止まります。

成績が一定ラインで止まってから

親御様の思い描いている未来と現実の均衡点にはギャップがあります。

すると期待と現実のギャップが発生します。

 

均衡点からさらに成績をあげようとすると、お子さんの能力をあげるしかありません。

これをやっているのが家庭教師です。

仕事になるくらいですから根気と時間が必要です。

 

期待と現実のギャップを目の前にしたとき、

「まぁ、こんなもんだろう。時間をかけてやってくかな!」

と思えるようだといいんですが、

「いや、現実が間違ってる。この現実を変えよう」

と思ってしまうと、地獄への一歩を踏み出したことになります。

親のサポートの危険性

中学受験の識者の人たちは、

「親の関わりはほどほどに」

とか

「親が過熱してもいいことはない」

とか言うじゃないですか。

 

吹き出し左
グラサン

親が9割と言ってる人もいるぞ!

ああ、そんな人もいますね。

いずれにせよ安全ゾーンと危険ゾーンは把握しておきたいものです。

 

ここまでは安全ゾーンについての話をしてきました。

ここからは危険ゾーンの話です。

親のサポートの危険性① たくさん勉強させたくなる

ほどほどのサポートをしていると、成績は均衡点あたりで止まります。

で、「まあいっか」と思わずに「もっとだ!」と考えると、たくさん勉強させたくなります。

OUCH!

 

さて、人それぞれ許容量があります。

お昼にラーメンを2杯食べられる人もいれば、ラーメン1杯できつい人もいます。

勉強も同じく、人によってできる量とできない量があります。

できない量をやっても消化不良になりますし、むしろ成績は下がります

ところが、勉強量と成績は比例すると思い込んでいますと「なんでだ!」となります。

そして勉強量を更に増やします。

もっともっと。

 

こういう現象を「島津る」と言うようです。

便利な言葉もあるものです。

 

もっと勉強させればもっと成績が上がる、と考えてしまうのが危険ゾーン第一の門。

親のサポートの危険性② 子どもに憑依する

最初は子どもをサポートしているはずだったのが、そのうち子どもに憑依するようになります

ストレスがたまり、イライラするのはこの段階です。

憑依してもお子さんはご自身の狙い通り動かないからです。

そして狙い通り動かないから成績が上がらない、と思い込むようになります。

 

他人であれ自分の子どもであれ、人を思いのまま動かすのは不可能です。

なんで言ったとおりにやらない

なんで思ったとおりにならない

なんで成績が伸びない

とストレスがたまり、ケンカをするようになり、テキストが宙を舞います。

あ、でもご安心あれ。

予習シリーズ(四谷大塚)と本科テキスト(日能研)は頑丈ですからそんなにすぐに破けません。

デイリーサピックス?

ありゃ、ケンカしないご家庭向きですね。

 

危険ゾーン第二の門は思い通りにいかないストレス。

では第三の門は?

親のサポートの危険性③ 正解探しをするようになる

親御様が関わっているご家庭ではおおよそ第二の門を開いたところで悟りの境地にいたります。

「もう疲れた・・・。放っておこう」

いいですね。

そして家庭に平穏が戻ります。

まぁ、腹の底ではめちゃくちゃ気になってますから見せかけの平穏ですがね。

 

放っておけない方は正解があるんじゃないかと思い、やたらと情報を集めてきて色んな方法を試します。

良い方向に行ければいいですが、たいていは混乱します。

第三の門を通過するとGoToヘルです。

 

では、親のサポートによって一定ラインで安定してしまった成績を伸ばすにはどうすればいいか?

 

お金があるなら家庭教師を頼むといいです。

お金がないならお子さんと一緒に勉強しましょう。苦しみながら。

一緒に勉強するようになると、どれだけ難しい内容にチャレンジしているのか分かるようになります。

そして、どうして間違えるのか、どんな弱点があるのか、どこを強化するとレベルアップするのかが見えてくるようになります。

 

では最後にまとめていきます。

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