【中学受験】広尾学園中学校 平成28年度入試問題国語 物語文の解き方

【中学受験】広尾学園中学校 平成28年度入試問題国語 物語文の解き方

国語を解いて解説する身としては恥ずかしい限りなのですが、過去3年分の広尾学園中学校の国語の問題を解いて1問、間違えました。その1問は物語文です。

具体的に言いますと、平成28年度大問3の問6です。

何故間違えたのか、選択肢を選んだ時の思考を振り返っていたのですが、解法ロジックをおろそかにしていたこととストロングゼロのせいだという結論に落ち着きました。

 

やはり、解くためのロジック通りに解かないと間違った勘が冴え渡ってしまうんですね。あと、ストロングゼロの飲み過ぎは入試問題を解く上では良くないことであります。なお、間違えた際にはストロングゼロの350mlを1本と500mlを2本空けておりました。

受験生の皆さん、ストロングゼロを1000ml以上飲みながら入試にのぞんではいけませんよ。

ああ、ダメダメ。酒のせいにしてはいけません。物語文を解くのは難しい、そう心得ることが次の一歩を踏み出す活力になる!そう信じてやっていきましょう

広尾学園中学校入試問題国語 物語文の特徴

各年度の物語文では以下のようなことがテーマとなっております。

 

平成28年度は主人公のわたしと母親、祖母の関係性

平成29年度は主人公のぼくとおじさん、そしておじさんの友達の子供との関係性

平成30年度はAくんとBくんという友人同士の関係性

 

突拍子も無い小説は当然のことながら中学入試では出てきません。トマス・ピンチョンの「重力の虹」が中学入試問題で出てきたらびっくりしますよね。

過去3年分の物語文では親子だったり、親と祖母だったり、友人という近しい人との関係性が中心に描かれている小説から出題されております。

物語文、つまり小説を読むにあたっては行間を読む能力、すなわち書いてあることを元にして書かれていないことを推測する能力が問われてまいります。すなわち、読み手の推測する能力が問われているわけです。

スロースロップ中尉の行動を推測するのは無理ですが、自分と近しい人物(親、祖母、友人)との関係性について思いを巡らせることは小学生にもできるはず、ということで出題されているのでしょう。

 

読み解く鍵となるのは主人公と登場人物との関係性です。

つまり、主人公と登場人物との間で起きた出来事の背景や心情をどれだけ文章に沿って正確に読解できるかが問われているわけです。

 

書いてあることをそのまま読むのが国語の解き方の基本ではありますが、物語文についてはそのまま読んだ後、関係性やその変化を推測する必要がございます。

さあ、推測力をつけるための人生経験が必要になってきそうですねえ!それとか読書?ファー、大変そう!

色々経験させなくちゃ!もっと小説を読ませなくちゃと焦ってきた方に一問間違えた私が説得力を持って言いますよ。

 

大丈夫、技術を駆使すればできる。

 

例によって過去問がないと以降は意味が分かりませんので持ってない人は書店に行くか、ネットでゲットしてください。

広尾学園中学校 平成28年度 物語文の読み方

①構造に着目する

広尾学園中学校 平成28年度第2回の国語の物語文をやっていきます。大問3です。

この問題文は3つの構造に分けることができます。

 

①おばあちゃんの入院時のエピソード

②個室に移されたおばあちゃんとのエピソード(おばあちゃんは具合が悪化し個室に移動しました)

③おばあちゃんの死後のエピソード

 

問題は大抵、傍線部の説明やら意味やら理由やらを求めてきます。問題文を構造化するのは、大まかに文章全体で何が書いてあるのかを把握するためなのと、大抵は傍線部の意味や理由が同一の構造の中に存在するからです。

 

構造①の中には傍線部1、傍線部2、傍線部3、傍線部4が所属

構造②の中には傍線部5、傍線部6が所属

構造③の中には傍線部7、傍線部8が所属

 

問題として出題されている8つの傍線部が3つの構造の中に所属しております。で、大概の物語文では傍線部の解答を導く文章が所属している構造中にあります。(もちろん構造をまたぐ問題もありますが)

 

だいぶ問題文から答えを探す手がかりが限定されたと思いません?

解答を探すのは国語の問題を解く上では大事なことですが、解答を探すエリアが限定されれば探すのは容易になるはずです。だから構造化するんです。

 

物語文を構造化するコツは場面の転換、つまり転換点に注目することです。

この問題文の①と②の構造の間には「個室に移された」という出来事があり、②と③の間には「おばあちゃんが死んだ」という出来事があります。

このような、物語が先に進むための出来事をしっかりキャッチすることが構造を掴む上で大事なのでございます。

②登場人物の関係性を明確にする

物語文を解けないお子さんは傍線部の説明や理由を求められた時に、文章から書いてあることだけから推測するという原則を逸脱しています。

正しく関係性を捉えず、登場人物の行動の背景や心理の移り変わりを正確に把握できていないから突飛な想像に依ってしまいます。

 

お子さんを怒らないでくださいよ。

こうなってしまう原因は正しく読む技術を誰も教えていないからです。

 

人間力とか考える力など犬にでもくれてやればいいんです。

技術ですよ。技術。技術で解けるんだから技術で解く。当たり前の理屈でございます。

 

登場人物の関係性を把握するやり方としては、図を描くのがいいですね。

広尾学園中学校 平成28年度国語 大問3の登場人物の関係性を図にしてみました。

広尾学園中学校平成28年度国語大問3

これは初期状態の関係性です。

物語の進行とともにこの関係性は変わります。

大事なことを言いますよ。

物語文の問題では関係性自体や関係性が変わった瞬間や、関係性が変わったからこそ起きた出来事や行動の意味が問われるんです

 

上記のような関係性の図を描けるようになる頃には登場人物の関係性を正確に把握できているはずです。それに、そんな大層な図じゃないでしょう?なに?幼稚園児が描いたみたいですって?

幼稚園児だって私よりまともな絵を描きますよ、何言ってるんですか。幼稚園児に失礼です。

関係性の図を描くやり方

①うまく描こうとしない・・・うまく描こうとしてたら描けなくなっちゃいます。自分で把握できたらいいんです。

②初期状態の関係性を描く・・・登場人物間のファーストインプレッションを図にしてください。

③文章をそのまま抜き出してOK・・・下手にまとめようとするよりもファーストインプレッションの文章をそのまま書きましょう

 

①は心構えです。下手でもいいからまずは描いてみるんです。そうしないことには何も始まりません。

 

②については少し説明が必要ですね。

初期状態の関係性を描く理由は、物語当初の登場人物の関係性の把握に他なりません。

物語は進行に伴って関係性が変化するため大元である初期状態を把握しないと変化も捉えられないから、図にしてまとめるんです。

 

③は下手にまとめようとすると、想像による飛躍が生まれる恐れがあるからです。とくにこれまで国語が苦手なお子さんはそうなりがちです。

ですからそのまま抜き出すだけでOKです。

 

まとめますよ。

下手であることを恐れず、登場人物の初期状態の関係性を、文章中の言葉から抜き出して書く。

 

OKですか?まずは何度も書いて、初期状態の関係性を把握するクセをつけてください。

初期状態の関係性が把握できれば変化にも気づけるはずです。

広尾学園中学校 平成28年度 物語文の解き方

平成28年度広尾学園中学校入試問題 大問3 問2

解き方の基本はこちらに書いてますので読んでおいてください。

【中学受験】国語で8割正答する解き方 3つのフレームワークと9つのバリエーション

 

では問題いきますよ。

問2

ー線②「母のうつむいて、ちらりと私を見た」とありますが、この時の母の心情として最もふさわしいものを次から一つ選び、記号で答えなさい。

ア おばあちゃんの乱暴なものの言い方にうんざりし、自分の好意が認められず悔しさを抱くと共に、「私」に助けを求めている。

イ 病人に鉢を持って行くことが縁起の悪いことであることを知らなかった自分を恥じ、そんな自分を「私」がどのように見ているかが気になっている。

ウ ポインセチアの花をおばあちゃんが喜ばなかったことを反省し、またさがしものの本のことを知らせなかった「私」を恨んでいる。

エ 死を目前にして神経質になっているおばあちゃんに驚く一方、ポインセチアを準備した気配りを「私」に評価してもらいたいと思っている。

引用元:平成28年度広尾学園中学校入試問題 大問3 問2 角田光代『さがしもの』新潮社

これは構造①の中にある傍線部ですから、構造①の中に答えがありそうだと、とりあえず考えておきます。

そして、「私」がお母さんのことを幼く頼りないと考えている理由がこの傍線部そのものです。母親のクセに自分に頼ってきている、そのように「私」は感じ、お母さんのことを頼りなく思っています。

 

では、正解形を作りますよ。

 

傍線部の前にはおばあちゃんが母親に悪態をついています。傍線部の後には「私」が母をかばう場面が描かれています。

 

ここから推測できるのは、

「母がうつむいた」のはおばあちゃんに優しくしようと思っているのに悪態をつかれたことに母ががっかりしていること

「ちらりと私を見た」のは母が「私」に助けを求めていること(「私」が母の意図をくんで母をかばったことから推測)

の2つです。

 

したがって、傍線部の正解形を作りますと、

「おばあちゃんから悪態をつかれた母はがっかりし、私に助けを求めている」

となります。

 

消去法で選択肢を落としていきます。

ア 正解形と趣旨が合っていますので正解候補として残します。

イ 「私」にどのように見られているか気になっているとは文章中からは読み取れませんので落とします。

ウ 「私」を恨んでいるとは文章中からは読み取れませんので落とします。

エ 「私」に評価してもらいたいのではなく、助けてほしいので正解ではありません。したがって落とします。

 

よって正解はア。

平成28年度広尾学園中学校入試問題 大問3 問3

問3

ー線部④「母の泣き声を聞いていると、心がスポンジ状になって濁った水を吸い上げていくような気分になる」とありますが、このときの私の心情として最もふさわしいものを次から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 母の泣き声にクラスメイトを思いだし、おばあちゃんの看病のために近頃、会うことが出来なくなってしまっている同級生を思い出している。

イ おばあちゃんの悪口を言って泣く母に幼さを感じ、母とおばあちゃんの関係を取り持つことができるのは自分しかいないと決心している。

ウ 母の泣く様子を目の当たりにして母の幼さを感じ、また様々なことに見通しが立たず、次々と不安が込み上げてきて暗い気持ちになっている。

エ おばあちゃんのもの言いに傷つく母の心情を察知することが出来るほどに、大人びた自分の感性と理解力に嫌気がさしている。

引用元:平成28年度広尾学園中学校入試問題 大問3 問3 角田光代『さがしもの』新潮社

傍線部④も構造①の中にあります。

では構造①の中の文章をもとに正解形を作りましょう。

傍線部④「母の泣き声を聞いていると、心がスポンジ状になって濁った水を吸い上げていくような気分になる」

 

「母の泣き声を聞いていると」どう感じたのでしょうか?

傍線部④の直前に「泣く母は、クラスメイトの女の子みたいだった」とありますので「私」は泣いている母を、母の割にはやや幼いと感じています。

 

「濁った水を吸い上げていくような気分」ってどんな気分?

傍線部④の「濁った水を吸い上げていくような気分になる」の直後の文章で、「私」がこれから先どうなってしまうんだろうという疑念を抱いている場面が描かれており、これが気分に該当しそうですね。

つまり、これから先どうなってしまうんだろうという疑念の比喩が「濁った水を吸い上げていくような」にあたります。

 

さ、傍線部は文章中の言葉を使って別の文章に置き換えることができました。

 

これをつなげて文章にします。

「泣いている母を見て幼く感じ、私はこれから先どうなってしまうんだろうと疑念を抱いている」

と正解形が作れますね。

 

ではこの正解形を元に選択肢を消去法で落としていきます。

ア 「同級生を思い出している」というのが違います。正解候補から落とします。

イ 「母とおばあちゃんの関係を取り持つことができるのは自分しかいないと決心」というのが違います。

ウ 正解形と趣旨が合っているため正解候補として残します。

エ 自分に嫌気はさしていません。正解候補から落とします。

したがって答えはウ。

平成28年度広尾学園中学校入試問題 大問3 問7

ー線⑧「できごとより、考えの方が何倍もこわいんだ」とありますが、おばあちゃんは自分の死についてどのようなことを言いたかったのですか。40字以内で説明しなさい。

引用元:平成28年度広尾学園中学校入試問題 大問3 問7 角田光代『さがしもの』新潮社

記述もやっておきましょうかね。

何度も言いますが、記述も選択肢も解き方は変わりません。正解形を作ること。それだけです。

 

できごとより、考えの方が何倍もこわいんだ」という傍線部の前に、私はおばあちゃんに「おばあちゃん、あの、死ぬのこわかった?」と聞いています。

その答えが傍線部です。

 

「できごと」って何でしょうかね?おばあちゃんは死んで幽霊になって出てきています。実際に死んでしまったことが「できごと」に当たります。

「考え」って何ですか?死ぬことを想像することです。傍線部の前に書いてありますよね。

「何倍もこわい」ってのは、ずっとこわいことだよという意味です。

 

これを繋げてみますよ。

「実際に死ぬことよりも、自分が死ぬのを想像することの方がずっとこわいということ。」

上記で39文字です。いい感じですね。これが正解です。

ほら、選択肢を消去法で落とす作業が不要ですよ。記述なんか怖くないんです。基本の解き方さえ身につけていれば。

それでも解けないとお嘆きのあなたへ

解けませんか?そうですか。それが当たり前です

かく言う私も20年前、受験生だった頃は当初、解けませんでしたよ。

自分なりに正しそうな方法を見つけ出してトライアンドエラーを繰り返し、正しい訓練をして正しい方法を身につけて、ようやくスラスラ正解を導き出せるようになってるんです。

 

だから解けないのは当たり前。悲観する必要は何もありません。

むしろ悲観する時間があるなら訓練しましょう。

本日は物語文を解くのに大事な基本的訓練方法を2つお話しいたしました。

 

一つ目は構造化すること。

二つ目は関係性を図にすること。

 

まずはそこからです。頑張りましょう。努力は裏切りません。

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