【中学受験】広尾学園中学校 国語の傾向・問題分析・平均点・合格点

【中学受験】広尾学園中学校 国語の傾向・問題分析・平均点・合格点

前の記事でも書きましたが広尾学園中学校の国語は平易で満点を目指せる問題です。少なくとも80点以上は確実に取れるように訓練をしておきたいものです。

では、まず広尾学園中学校の国語の問題傾向から。

ちなみに前の記事では広尾学園中学校の特徴や全体の応募状況、合格最低点などを紹介しています。

【中学受験】広尾学園中学校入試 応募状況・倍率・平均点・合格最低点

問題傾向

過去3年分に限ってみますとほぼ同じような傾向で問題が出題されております。

 

大問1は漢字の読み書き

大問2は熟語、四字熟語

大問3は本科だと物語文、医進・サイエンスコースは論説文

大問4は本科だと論説文(医進・サイエンスコースは大問3まで)

 

バランスが取れてますね。では、年度別の平均点、合格最低点を見ていきましょう。

全体の国語平均点と合格者の国語平均点

出典:「広尾学園中学校入試結果」より

年度入試種別合格者平均点全体の平均点
2018年1回76.365.2
2回71.963.1
3回71.959.4
医進・サイエンスコース38.634.2
2017年1回74.061.9
2回72.759.4
3回66.550.9
医進・サイエンスコース29.524.9
2016年1回73.864.3
2回76.768.8
3回73.462.5
医進・サイエンスコース35.730.6

ちなみに4科目の合格最低点は本科で70%程度。国語の合格者平均点はそれよりも若干高いですが、上記はあくまで平均点。最低点ではありません。

 

したがいまして、必ずしも合格者平均点を取らなきゃいけないということではありません。が、上でも書きましたように問題のレベルからすると8割以上は十分に取れる問題です。特に医進・サイエンスコースの国語は長文読解が論説文のみで大変簡単でございます。

合格者平均点が6割から7割ですので、合格者といえども殊、国語に関しては解き方がよく分かっていないのであろうなあ、と思います。

解き方が分かれば国語は安定して8割以上解ける科目です。おそらく塾でもちゃんと解き方を教わっていなくて、かつ身についていない生徒さんたちが受けて、しかも合格しちゃってるものと思われます。

解くセンスっていうんですかね?でもセンスなんて不安定なものに頼ってはいけませんよ。不確実ですから。

 

というわけで、合格している人たちでさえちゃんとした解き方を知りません。チャンスですよ。やっちゃいましょう。

問題分析

本科の問題分析です。

問題2018年 2回2017年 3回2016年 2回
説明(同義)記述問題16点24点
説明(同義)抜き出し問題5点5点
説明(同義)選択問題45点30点31点
理由記述問題18点
理由抜き出し問題
理由選択問題15点15点
空欄記述問題
空欄抜き出し問題6点
空欄選択問題10点5点5点
漢字問題20点20点20点
構造把握問題6点
知識問題4点

 

続いて医進・サイエンスコースです。

問題2018年2017年2016年
説明(同義)記述問題10点1510点
説明(同義)抜き出し問題
説明(同義)選択問題10点5点10点
理由記述問題5
理由抜き出し問題
理由選択問題
空欄記述問題
空欄抜き出し問題
空欄選択問題10点10点
漢字問題20点20点30点
構造把握問題
知識問題

一番最初に目につくのは漢字問題、大問1、大問2が必ず20点の配点だというところですね。

 

本科と医進・サイエンスコース双方で大問1、大問2が共通で存在し、配点も同じというところに注目です。

医進・サイエンスコースは漢字の問題の配点が高いんです。だって、100点満点中の20点と50点満点中の20点だったらえらい違いでしょう?

どんな漢字の読み書きが出題されているか平成30年度のみあげていきます。

本科2回 読み

因果(いんが)、机上(きじょう)、呼応(こおう)、暴く(あばく)

本科2回 書き

徒労、課税、善処、設立、庁舎、垂れる

本科2回 熟語・慣用句

空前絶後、公平無私、晴耕雨読、胸をなでおろす、顔から火が出る

医進・サイエンスコース 読み

安否(あんぴ)、独創的(どくそうてき)、許容(きょよう)、干す(ほす)

医進・サイエンスコース 書き

興奮、帰結、従事、保険、去就、退ける

医進・サイエンスコース 熟語・書き

賃貸、姉妹、思想、研いだ、設けた

 

医進・サイエンスコースなんていう名称なのでてっきり論理的な思考力を問う問題が出題されるのかと思いきや、漢字と熟語で全体の配点の40%ですよ。

これ、絶対落としちゃダメです。本科だったら塾の国語の問題で出てくる単語や漢字を国語辞典で調べて覚えるくらいの対策で構いませんが、医進・サイエンスコースを受ける人は漢字と熟語の特訓をやって自信を持って解けるレベルになっておいた方が良いです。

問題の特徴

説明(同義)問題が記述、抜き出し、選択にわたって多く出題されているのは見逃せないポイントです。説明(同義)問題は、「文章を読んで登場人物の心理を飛躍なく把握してるのか」と「論説文の趣旨を正しく把握しているのか」が問われております。

解き方については以下を読んで勉強してきてください。

【中学受験】国語で8割正答する解き方 3つのフレームワークと9つのバリエーション

特に記述問題は配点がでかいので確実に解いておきたいところです。普段から選択肢問題であっても正解形を自分で作る訓練をしておきましょう。

重要なことなので何回でも言いますよ。

選択肢問題であれ記述問題であれ、自分なりの正解形を必ず作りましょう。

 

正解形の作り方は上のリンク先で説明しておりますのでここでは触れません。

 

あとは理由問題もちょこちょこ出題されておりますが、これもリンク先の解き方を参照していただき訓練すれば難なく解ける程度の問題です。

再現性をもって解く方法を身につけよう

国語の問題はなんとなくでも半分くらいは解けてしまうからこそ怖いんです。

なぜなら、きちんとした解法を身につけていなくとも解けてしまうので、きちんとした解法を身につけようというモチベーションが起きないからです。

結果として、5割、6割、たまたまフィーリングがあった時は7割くらい解けてしまい、満足してしまう。ただし、再現性をもって解けないので問題文と問題次第。故にいつまで経っても自信を持って8割以上解けるようにならないんです。

 

中途半端にできてしまうことは、できないことよりもずっと怖いことです。

 

お子さんが中途半端にできているのか、本当にできているのか分からないですって?

 

ちゃんと解いているのかどうかを簡単に見分ける方法があります。

正解していたとしたら、どうして合っていたのか説明させてみてください。

その時に論理的に納得できる説明がなかったとしたら、適当に解いてます。再現性のない解き方です。

 

算数でも国語でも、解けたのであればなぜ解けたのか、解けなかったのであればどういった思考が不足していたのか、それを明確に説明できないようであれば場当たり的な解き方をしているはずなんです。

 

よく「途中の考え方を明らかにしよう」とか「解く方法を説明できるようにしよう」なんて参考書に書いてあるじゃないですか。

あれって、解くためのロジックを確立させ、再現性をもって解く訓練をしようって言ってるんです。それが入試で安定して合格点を取るための基礎訓練なんです。

 

ただ、大抵の参考書って不親切だから、考え方を明らかにする意味や、解く方法を説明できるようになることの意義までは書いてないんです。

すごく大事なことを参考書や塾のテキスト、もしくは塾の先生は言っているんですが、意味が分からないので何を目的に勉強したら良いのか分からない、したがって力がつかない。

そういった指導で力がつく子供は、意味が分かっているからなんです。意味が分かることと分からないことの差は太平洋くらいでかい。

 

で、私自身も小学生の時は意味が分からず適当に解いていたクチなので、こうやって口を酸っぱくして重要性を分かって頂きたいと思い、言ってます。

 

次回は広尾学園中学校の論説文の問題をやっていきたいと思います。

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