【中学受験】渋谷教育学園幕張中学 国語で稼いで合格ゲットだぜ!(前編)
- 投稿日:2018.09.23
- 渋谷教育学園幕張中学校
- 中学受験, 国語, 渋谷教育学園幕張中学校
渋谷教育学園幕張中学の合格最低点は50%くらい。おおよそ55%くらい正答すると受かります。
100点満点で55点です。ちなみに渋幕は中学受験大手4塾のうち、SAPIXを除けば偏差値70の学校です。(SAPIXの偏差値は63です)
偏差値を見て志望校決めてませんか?渋幕は偏差値だけ見ると確かにヤバイ学校です。でも実際に出題される問題は大したことありません。その大したことない問題を55%解ければ合格できるんです。
模試の偏差値と合格との間に直接的な因果関係はありません。合格に必要なのは制限時間内に合格最低点以上の点数を取る能力だけです。
偏差値にとらわれなければ可能性は☆無限大☆です。ミライのドアを開けるのは君たち自身なんですよ。なんか日能研っぽくなってきました。
全体の国語平均点と合格者の国語平均点
1次のみのデータです。2015〜2018年の国語の全体平均点と合格者平均点のデータを見て行きましょう。
年度 | 合格者平均点 | 全体の平均点 |
2018年 | 59.7点 | 50.3点 |
2017年 | 62.7点 | 55.0点 |
2016年 | 66.0点 | 57.4点 |
2015年 | 69.8点 | 50.6点 |
おやおや、冒頭で55%取れれば合格だなんて言ってたのに合格者の平均点は55%を超えてますね。
これね、ちょっとしたカラクリがあるんです。以下の合格者平均点データ(1次試験のみ)を見てください。
年度 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合格者平均点 | 合格者最低点 |
2018年 | 59.7点 | 59.2点 | 38.9点 | 42.5点 | 200.3点 | 179点 |
2017年 | 62.7点 | 53.8点 | 41.0点 | 31.2点 | 188.7点 | 166点 |
2016年 | 66.0点 | 61.8点 | 36.8点 | 36.1点 | 200.7点 | 179点 |
2015年 | 69.8点 | 44.5点 | 35.0点 | 47.1点 | 196.4点 | 176点 |
ね、おかしいでしょ。各年度で合格者平均点が合格者最低点を20点以上、上回っているんです。
入試で不正が行われていない前提で考えますと、合格最低点から合格最高点までの生徒が広い分布になっており、合格者と一口に言っても下位から上位の差があると解することができます。
下位と上位のおおよそ真ん中くらいの合格者平均が取れなくても構いません。ましてやそれを上回る点数をいくらとったところで意味はありません。
下位にギリギリ滑り込んでも合格は合格なんです。
これ、渋幕だけの特殊現象ではありません。
他の学校でも同じようなものです。学校の偏差値はあくまで平均(合格80%の)です。合格平均点と合格最低点では20点以上も開きがあります。偏差値にしたら10くらい違うんじゃないでしょうか。多分。
平均に騙されてはいけません。あくまで狙うのは合格最低点をちょっと超えたところです。
出題傾向(1次)
年度 | 論説文(説明文) | 随筆 | 物語 |
2015年 | 1 | 1 | |
2016年 | 1 | 1 | |
2017年 | 1 | 1 | |
2018年 | 1 | 1 |
きれいに論説文(説明文)1問と物語1問になってますね。
随筆はほぼほぼ論説文と同じような「読む技術」を駆使すれば解けます。仮に随筆が出たとしても論説文(説明文)と物語に慣れていれば大きく困ることはないはずです。
したがいまして、国語は論説文(説明文)と物語の読み方と解き方を勉強すれば大丈夫です。
問題分析
説明(同義)問題とか理由問題とか空欄問題などと独自の言葉を使っています。
意味が分からなければこちらで説明してます。
問題 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
説明(同義)記述問題 | 25点 | 17点 | 30点 | 20点 |
説明(同義)抜き出し問題 | – | – | – | – |
説明(同義)選択問題 | 28点 | 40点 | 19点 | 23点 |
理由記述問題 | 10点 | 10点 | – | 20点 |
理由抜き出し問題 | 5点 | – | – | – |
理由選択問題 | – | – | 6点 | – |
空欄記述問題 | – | 6点 | 16点 | 5点 |
空欄抜き出し問題 | – | – | – | – |
空欄選択問題 | 6点 | – | – | 4点 |
漢字問題 | 21点 | 12点 | 15点 | 16点 |
構造把握問題 | – | – | 8点 | – |
知識問題 | 5点 | 15点 | 6点 | 12点 |
問題に明らかな傾向がありますね。
特徴1 知識問題(漢字、文学知識)で全体の1/4の配点
漢字問題を含む知識問題で毎年25点(満点100点)程度の配点があるんです。
国語が苦手なら合格最低点の55%を取るのを目標にして、知識問題は半分程度の正答率でも良いと割り切るのもありかと思います。が、国語で点数を稼ぎたいと思うなら知識問題は8割以上正解しておきたいところです。
特徴2 説明(同義)問題で全体の1/2の配点
ここは全問正解しておきたいところです。記述問題が半分程度(年によっては半分以上)を占めますので、なかなか難しいと考えてしまうかもしれません。が、記述問題も選択肢問題も解き方は一緒。選択肢を消去法で落とすプロセスがない分、しっかり読解できていれば記述問題の方が容易です。
特徴3 抜き出し問題はほぼない
「〜文字で抜き出せ」「〜文字以内で抜き出せ」という抜き出し問題がほぼありません。2018年の5点のみです。
ところで抜き出し問題と記述問題(〜文字以内で説明せよ)のどちらが難しそうですかね?統計とったわけじゃないので正確なことは分かりませんが、経験上抜き出し問題の方が簡単と答える生徒の方が多いです。
そして経験上こういう生徒は、国語が苦手です。
なぜかというと、抜き出し問題を本文中からの正解探しだと理解しているからです。
もう少し詳しく話していきましょう。
例えば説明(同義)問題は以下のような手順で正解を作る、と国語の解き方基本編 3つのフレームワーク9つのバリエーションで説明しました。
▼正解を作る手順
1.傍線部を分解する
2.分解した文章と同じ意味を持つ文章を文章中から拾ってくる
3.文章中から拾ってきた文章を再構成する
選択肢問題であれば、自分で作った正解をもとに消去法で選択肢を落としていきます。
記述問題は自分で作った正解がそのまま正解になります。
抜き出し問題は自分で作った正解と同じ趣旨の文章を文章中から探してきます。
プロセスが多い分、本質的には記述問題よりも抜き出し問題の方が難しいんです。
抜き出し問題を記述問題よりも簡単だと答える生徒は、自分できちんとした正解を作るプロセスを抜かして、漠然とした理解でいきなり文章中から答えを探し始めます。そして、何となく見つけた文章が正解だったという経験により、簡単だと言っているのだと考えています。
いずれにせよ、抜き出し問題がほとんどないことをネガティブに捉えるべきではありません。むしろ記述問題ばかりで助かった、と捉えられるようになるまで国語を解く訓練を続けて頂きたいです。
3つの特徴から学習法を立案する
説明(同義)問題と知識問題(漢字、文学知識)の解法を正確に抑えているかが渋谷教育学園幕張中学の国語の入試問題では問われています。
かつ、いずれも突拍子もない問題ではありません。正確に抑えていないといけませんが、あくまで基礎的な読解能力と基礎的な知識が問われています。
2018年の大問2 問8の芥川龍之介の代表作の冒頭部分から作品名を答えさせる文学知識問題を除けば、知識問題は知っていて当然だよね?というレベルです。ちなみにこの問題も解き方はあります。出題者だって、受験生が芥川龍之介の代表作の冒頭を暗記しているとは思っていないはずです。ということは冒頭部分の文章から、代表作の題名を推測できると期待しており、そうした出題者の意図を感じ取ることができれば解けます。
さて、説明(同義)問題は日頃から文章を正確に読解し、解答を作る手順を守って学習していれば容易に解けるレベルです。
正確に読解する訓練を小学4年生くらいからしていれば余裕で解ける問題が並んでいるわけですが、小学6年生にもなると他にも勉強しないといけないことは沢山あり、読解の訓練に時間を割く余裕はないのではないかと思います。
そこで、正解を作る訓練=読解の訓練と割り切り、ひたすら自分なりの正解を作る訓練を行い、それと本当の正解が合っているかを見比べ微調整していけば良いわけです。イコール読解の訓練になる、と。
ちなみに説明(同義)問題は傍線部と同じ意味になる正解を自分で作る、というのが解法のキモになるわけですが、これは、
出題者:あんた文章の趣旨分かってる?
解答者:分かってますよ。〜でしょう?
というコミュニケーションです。
こうしたコミュニケーションなしにいきなり正解探しをし始め、それで何となく正解してしまえるような抜き出し問題を排除していることから、基礎的な読解力を身につけた生徒を選別しているのだと推測できます。
残りは理由問題と空欄問題です。
空欄問題は説明(同義)問題の訓練をしていれば解けます。解き方がほぼ同じだからです。理由問題は解き方が少々違いますが、傍線部に至る過程の文章を抜き出していく、と理解しておけば読解力の身についた生徒さんだったら容易に解けます。
何よりストロングゼロを飲んでいても渋谷教育学園幕張中学の問題は解けるんです。ヤバイ問題は出てきません。
ちなみにストロングゼロ500mlを2缶空けて国語・算数でおおよそ95%の正答率でしたが、3缶だとどうなるのかといった検証は後々やっていきたいと思ってます。ストロングゼロ3缶空けて受験にのぞんだら失敗した、という不幸な生徒を出さないためです。
知識問題
知識問題は2つに分けられます。漢字と文学知識です。
漢字問題
漢字問題はこんな風になってます。()かっこは読み仮名の問題です。
2015年 認識、末端、そぶり(素振り)、ひそむ(潜む)
2016年 神秘、安直、錯覚、ひょうし(拍子)、承知
2017年 笑止、盆、けんお(嫌悪)、なこうど(仲人)
2018年 操縦、阻み、寸断、とこ(床)、いやしい(卑しい)、つゆ(露)、こと(殊)
漢字かぁ!小学生の漢字ドリルやらせるか!と思った方はちょっと待ってください。上に挙げた漢字は小学生の学習指導要領の中にない漢字が半分以上です。
かつ、単純に漢字だけ覚えていたとしても、熟語が分からなければ書けません。熟語ドリルを買いに行くのもやめてください!
買い物で解決するのはやめましょうよ。家にモノが溢れるだけでいいことありません。
上の漢字や熟語を書けるようになるために最も効率的なのは、塾で出される国語の問題文に出てくる漢字や熟語を覚えることです。
もしくは塾で熟語帳みたいなのを渡されるのであればそいつを覚えましょう。
この前、漢字ドリルコーナーにうんこが溢れているのを見て驚愕したのですが、あれでは中学受験には歯が立たないです。なぜなら小学生の学習指導要領の中の漢字しか掲載されていないから。
ましてや熟語を書くのであれば全く歯が立ちません。
というわけでこういう時は塾のテキストに頼りましょう。一応言っておきますが本を読むのもダメですよ。効率が悪すぎるからです。
文学知識問題
渋谷教育学園幕張中学の国語の約10%は文学知識の問題が出題されます。
個人的には直近3年の問題は全て正解できたのですが、特殊な文学知識を知っていたからではありません。使ったのは基礎的な知識と推測のみです。全問正解を目指して文学知識習得だけに特化した勉強をするのはやめましょう。範囲が広すぎて深すぎます。
むしろ、きちんと社会(歴史)や塾のテキストに載っている最低限の国語の文学知識を身に付けるに留めておきましょう。
2017年には百人一首を選定した人物として、「藤原定家」を選ばせる問題が出ていたり、川端康成以外でノーベル文学賞に受賞した人(大江健三郎)を選ばせたり、2018年では芥川龍之介の代表作の冒頭部分から作品名を当てさせる問題とか出てきます。
特化した勉強は不可能です。むしろ出題者の意図からすると、「基本的な知識も疎かにしてないよね?」というレベルであり、それだけに特化した勉強をするとドツボにハマります。
芥川龍之介の代表作の冒頭部分から作品名を当てさせる問題だって、推測で解けます。
それでも対策をしたがる親御様に問います。こんな問題に答えられるようにすることを望んでいますか?
赤瀬川原平と共著を執筆した人物としてふさわしくないものを以下から選びなさい。
ア 筒井康隆
イ 山下洋輔
ウ 三島由紀夫
エ タモリ
上記の問題は基礎的でもありませんし、推測でも解けません。そして、渋幕の入試問題では基礎的知識でもなく、推測でも解けない問題は出てきません。
ちなみに赤瀬川原平は2015年の国語の問題で出題されてます。だからこんな問題が出題される可能性は十分あったわけです。でも出さない。渋幕の良心です。
普通の人は赤瀬川原平はおろか、筒井康隆も山下洋輔も知らないんじゃありませんか?
ちなみに正解は三島由紀夫です。タモリって答えた人は不正解。あの人色々やってるんです。
ちなみに2017年の問題では、このようなのが出ています。
大問2 問6
作者の川端康成に関する次の問いに答えなさい。
(1)川端康成以外でノーベル文学賞を受賞した日本人をひとり選びなさい。
ア 太宰治
イ 大江健三郎
ウ 村上春樹
エ 宮沢賢治
オ 灰谷健次郎
引用元 渋谷教育学園幕張中学 平成29年度国語入試問題
基礎的な文学知識があれば解けそうですよね。社会でも勉強している可能性ありますよ。
余談
太宰治は健全ではないので読ませたくないですね。あれは腐女子の読み物です。
大江健三郎は日本語が分かりにくすぎるので読ませたくないです。
村上春樹はエロいので読ませたくないです。
宮沢賢治を読むにはセンスオブワンダーの感性が必要です。
灰谷健次郎くらいが小学生向きなのですが残念ながらこの問題の正解ではありません。
続きはまた明日。
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