【中学受験】大学入学共通テストと中学受験の変化
例えば、跡見学園中学校は2/1特待入試にぶっこんできました。
算数の大問2までは面白いくらい典型的な「ザ・中学受験」問題が出題されています。
ところが大問3から急に趣向が変わりまして、プリンの材料の重さを割合の考え方を使って答えさせる問題。
大問4はさくらさんとこのみさんの会話を読みつつ難しい宿題を解いていく問題。
共立女子の2/2入試の算数大問5はタイルの並べ方を、順を追って答えさせる問題。
この2校はだいたい学力的には真ん中くらいで、「ザ・中学受験」問題を出題する淑女の学校です。
そんな淑女の秘密の園にも雄々しい思考力型がやってきております。
「なんだ、1問、2問くらいじゃないか」
とほっとされるかもしれませんが、他の問題は簡単な典型題ですから思考力型問題で差がつくんですよね。
ちなみに典型題の難易度は四谷大塚の小4、小5の組分けテストの後半くらいです。
文科省の思惑は半分成功です。
先生の指導法を変えるのは道半ばといった具合ですが、中学入試は変わりつつあります。高校入試も同様。いちいち例をあげていくのは面倒なので時間があれば各都道府県の高校入試問題をご覧ください。要所で思考力型問題をぶっこんでます。
しかし先生方も人が悪いですよね。ご自分の授業スタイルは変えたくないのに、他人には容赦なく・・・以下略。
では思考力型問題にどう対応するか
実のところ上位層にはあんまり関係ない話だったりします。
偏差値が60を超えるくらいの子は基本的な理屈を身に着けていますし、多くの難関校は基本的な理屈を理解していないと解けない問題が出題されてます。
難関校を狙う勉強をすること=思考力を養うこと、だったりするんですね。
実際に中高一貫の公立中高の合格者は難関私立の併願で埋め尽くされております。
「ふざけんな!辞退しやがって!」と、都立・県立の先生が嘆いております。
問題は中間層です。
今までは私立型典型題暗記の一本足打法で対処できていたのが、
「これからは思考力も!」
とか言われているわけです。どっちに振るか悩ましいところでしょう。
今後どうなるかは私に分かるわけありません。
が、今年度の大学入学共通テストに先生方がショックを受けているのは事実です。
中堅私立中学の来年度の問題が楽しみですね。
最後に、作問する側からすると思考力型の入試問題をつくるのはとても楽しいんですよ。
たとえば、AMラジオ放送局の周波数がすべて9の倍数になる事実をもとに理社数の混合問題を作ったりとか。
多分、この事実を知っている小学生は1万人に1人くらいです。
それでも会話形式にしちゃえば周波数の概念、社会的な意義、計算能力を問う問題を無理なくつくれます。
※首都圏の放送局は以下の通り
ニッポン放送:1242kHz
文化放送:1134kHz
TBSラジオ:954kHz
AFN:810kHz
NHK第二:693kHz
NHK第一:594kHz
同じように考える先生がいてもおかしくありません。
そうなると、もはや対策のしようがありませんよね。
ですから、当たり前の結論として、基本の理屈を徹底するのが最良の手段なのかと。
あとは出題形式に慣れる、と。
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