2018年課題図書「ルラルさんのだいくしごと」(ポプラ社)読書感想文5例 感想文から学ぶ読解

小学校低学年(1年生、2年生)向けの課題図書「ルラルさんのだいくしごと(作:いとうひろし)」の読書感想文を5つ提示し、読解をもう少し詳しくやっていきたいと思います。
書き方のパターン別に読書感想文を例示していきます。
読書感想文例
読書感想文例1 基本パターン
僕はルラルさんの大工仕事がどんな仕事なのかが気になってこの本を読みました。
ルラルさんは大工が得意で、屋根の修理をしましたが、屋根に立てかけていたハシゴが倒れてしまって下に降りられなくなってしまいました。
そのハシゴを発見した動物達はハシゴを使って遊びに出かけてしまいます。ルラルさんは「え?」と思いますが、諦めて空を眺めているうちに自分の予定がどうでもよくなってきてしまいます。
そのうち動物達が帰ってくると、みんなハシゴを使って遊べて楽しかったと言います。
ルラルさんは動物達の様子を見て嬉しかったのだと思います。
自分の仕事は人を幸せにしたり、喜ばせることだと動物達の楽しそうな様子を見て気づいたからだと思います。
最後の「ルラルさんの大工仕事が終わりました」という文から、ルラルさんの仕事は、直すことだけでなく人を幸せにしたり、人に喜んでもらったりすることも含まれていたのだと僕は感じます。
この本に出てくるルラルさんのように人に喜ばれる仕事をしたり、そういう仕事をして自分も満足感を得られるようになりたいと感じました。
読書感想文例2 手紙形式
どうしてルラルさんは動物達に置いていかれちゃったのに、最後は満足そうにしていたんですか?
僕だったら屋根の上に取り残されて、みんなが助けてくれず遊びに行っちゃったらきっと怒るだろうと思います。なのにルラルさんは動物達が帰ってきた時、とても嬉しそうな顔をしていました。
動物達がハシゴで屋根から降ろしてくれた時よりも、みんなの楽しそうな顔を見ている時の方が嬉しそうな表情をしていましたよね。
どうしてなんだろうと考えてみて僕は二つのことに気づきました。
一つはルラルさんが屋根の上に置いていかれちゃって空を眺めていた時に、もしかしたら動物達が帰って来てくれるんじゃないかと信じていて、その通りになったことではないでしょうか?
動物達が自分のことを忘れたんじゃないと思ってルラルさんは嬉しい気持ちになったかもしれないと思います。
もう一つはみんなが、ルラルさんが大工仕事で使ったハシゴを使って楽しく遊んで帰って来て、その様子を話してくれたことが嬉しかったんじゃないですか?
僕も、自分のしたことでみんなが楽しんでくれたら嬉しく感じると思います。
最後にルラルさんが満足そうにしていたのは、この二つが理由なんじゃないかと思いました。そうですよね?ルラルさん。
僕も仲間を信じて、仲間が楽しんでくれることで自分も満足できるような優しいルラルさんのような人になりたいと思います。
読書感想文例3 好きな部分に着目
ルラルさんのだいくしごとを読んで僕が一番好きだったのは最後にルラルさんが目をつぶって満足したような顔をしていたところです。
ルラルさんは大工仕事が得意でした。ある日屋根の修理をしていたらハシゴが倒れてしまって屋根から降りられなくなってしまいました。動物達を呼びましたが、ハシゴが汽車に似ていたのでみんなは電車ごっこをして林の方に行ってしまいました。屋根の上で待っていると、空が赤く染まる頃やっと動物達は帰って来てくれてルラルさんを助けてくれました。動物達が楽しく遊んだお話をしているとルラルさんは満足そうな顔をしていました。
僕は、ルラルさんが動物達の楽しく遊んだ話を聞いて、きっと自分も楽しい気持ちになったのだと思います。屋根から降りてパンを焼いたり、お風呂の掃除をするよりも、動物達の喜んでいる顔を見る方がルラルさんにとって一番嬉しい出来事だったんだと思います。
どうしてかというと、動物達が好きだったからだと思います。僕も好きな友達が楽しそうにしていると楽しく感じます。ルラルさんも同じだったんじゃないかと思いました。
最後にルラルさんが満足そうな顔をしていたのは、大工仕事をしていてハシゴを倒してしまったことが、逆に動物達を楽しませる結果に繋がったからじゃないかと思います。
自分のしたことで人が楽しんでくれると、僕も楽しい気持ちになります。ルラルさんが満足そうな顔をしていたのがなんでなのかがとても良く伝わってきました。
読書感想文例4 自分の体験をベースにする
ルラルさんのだいくしごとを読んで、僕はルラルさんが空を見ていた場面が一番好きでした。空を眺めていると僕も友達に対して優しい気持ちになれることがあります。
屋根から降りられなくなって動物達を呼んだルラルさんでしたが、動物達は遊びに行ってしまい、結局屋根から降りられませんでした。がっかりした気持ちだったと思いますが、空を眺めているうちにどんどん優しい顔になっていくルラルさんの気持ちが良くわかりました。
空を見ていると、自分の宿題とか明日の学校の用意とか先生に怒られたこととか、その時に気になっていることよりももっと大事なことがあるのに気づくことがあります。
この前、先生に怒られた後に落ち込んで空を見ていたら、怒られて嫌だった気持ちがスーッとなくなっていって、どうして怒られたのかとか怒られないようにするためにはどうしたら良かったのかを考えることができました。
空を見ると気持ちが落ち着きます。きっとルラルさんも同じだったんじゃないかなあと思います。
最後に動物達と仲良くできたのも、空を見て落ち着けたからじゃないかと思います。
怒る気持ちとかがっかりする気持ちになったら、空を見たりして少し落ち着いてみると、ちゃんと大切なことに気づけるのだとこの本を読んで感じました。
読書感想文例5 あらすじをベースに感じたことを付け加える
ルラルさんのだいくしごとを読んで、僕はルラルさんが屋根をなおしたことで動物達を楽しませて、自分も嬉しい気持ちになれてとても良かったと思いました。
大工仕事が得意なルラルさんは、ある時雨漏りを直すために屋根に登って修理をします。修理が終わると、ハシゴが倒れてしまっていて屋根から降りられないのに気づきます。ルラルさんはびっくりして、どうしようと慌てていたんじゃないかと思います。
その日はパンを焼いたり、お風呂の掃除をしようと考えていたからなおのことそう思ったと思います。
屋根の上から降ろしてもらうためにルラルさんは動物達を呼びますが、動物達はハシゴを見ると汽車みたいだと思って、電車ごっこを始めて林の方に行ってしまいます。みんなに助けてもらおうと思ったのに屋根から降りられなくてがっかりしたと思います。
そのまま屋根の上で空を眺めているとやがて動物達が帰ってきてくれて屋根から降ろしてくれました。屋根の上にいたルラルさんは空を見ているうちにがっかりした気持ちが消えて、動物達が帰ってくるのを待っていようと考えるようになったのだと思います。そして、屋根から降りた時は待っていて良かったと思ったんじゃないかと思います。
動物達はルラルさんに電車ごっこをして楽しかったお話をしました。お話を聞いていたルラルさんは動物達と一緒に笑って、最後は満足そうな顔をしていました。楽しく遊んでくれて良かった、と感じたんじゃないかなと思います。
動物達が楽しく遊んでくれて良かったと思えたルラルさんのように、僕も友達が喜んでくれたり楽しんでくれたら良かったと思えるようになりたいと思いました。
読書感想文を書くためのポイント
まずは読みましょう。できれば声を出して読んでみましょう。そして、あらすじを整理してみてください。一人で整理できなければお家の人があらすじを整理するための質問を投げかけてあげましょう。
「ルラルさんのだいくしごと」の物語の構造とポイントはこちらでまとめております。
あらすじの整理を終えると、要約ができます。是非要約してみてください。
次に、ポイントになる出来事から登場人物の心理を推測できます。推測しましょう。
自分が最も大事だと思うポイントを書き出してみましょう。書き出してみた大事なポイントが読書感想文の核となります。
物語の主題(テーマ)だと思うことを書いてみましょう。主題(テーマ)が読書感想文全体を貫く骨格となります。
最後に自分の経験や、感じたことを書き出してみましょう。
これらを読書感想文の形式(基本形式、手紙形式、一点集中形式、体験形式、あらすじ形式)のいずれかを選択して形式に沿ってまとめていくと読書感想文は完成します。
一応、上に例を挙げておきましたので何かの参考にしてください。
同じく小学校低学年の課題図書「がっこうだってどきどきしてる 」の読書感想文例、あらすじ、読み方もこちらで紹介しています。
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