【中学受験】国語の偏差値を40から65まで上げた勉強法と偏差値アップの過程
国語の偏差値が40から50に上がるまで
手っ取り早く信頼を得るためにはとりあえず5くらいは偏差値を上げなければいけないと考えました。
まずやるべきはテストの分析です。
月次テストの答案を読み解いてみるとこんな感じ。結構記憶に残ってます。一所懸命でしたからね。
・漢字は半分 → 一度覚えた漢字の反復練習をしていない
・記述が全滅 → 問題文を理解できていない
・選択式は半分 → 感覚的に解いている
・後半の問題が空欄 → 読むスピードが遅い
つまり、漢字の反復練習と文章を速く正確に読めるようになるだけで成績は上がるだろうと思っておりました。
はじめに何をやったかって言うと、
毎回漢字テスト。毎日の漢字練習を指示。
それから使っていたテキストの文章をもとにまとめプリントを作り、大事な部分を空欄にして穴埋めをする練習をしていたんです。
もちろん事前に読んでおけよ、と指示して。
でもうまくいかなかったのを覚えております。偏差値微増くらい。
感情把握ができない?論理的に読めない?
でも、その訓練はしたはずという思いはありました。
その課題は時間が解決してくれる?慣れの問題?
いえ、私は語彙と表現の理解の問題だと考えました。
語彙と表現を理解する訓練
では問題を出します。
1.頰を赤らめた
2.頰を紅潮させた
3.頰が紅色に染まった
4.顔を赤くした
5.顔を真っ赤にした
さて、それぞれの感情を答えてください。
答え 無理です
例えば、「頰を赤らめた」って表現あったじゃないですか。
赤らめる前に、好きな人から告白を受けたのか、恥ずかしい失敗をしたのか、友達から意地悪をされたのか、前の出来事によって意味が変わりますよね。
じゃあなんで顔を赤くするだけでこんなに表現があるのかっていうと感情の強度の違いです。
「友達から恥ずかしい思いをさせられて頰を赤らめた」
「友達から恥ずかしい思いをさせられて顔を真っ赤にした」
上の二文では感情の強度が違いますよね?
上は「少し恥ずかしい思いをした」くらい。下は「恥ずかしさを通り越して怒りを感じている」。
感情には違いがあると同時に強弱があります。
強い怒り?深い悲しみ?大きな喜び?
それとも
ちょっとした憤り?アンニュイな午後?小さなガッツポーズ?
それは文章のつながりの中で判断することです。
語彙が足りないから語彙学習、それも必要です。
が、語彙は文章の中で生きています。
例えると、語彙ドリルは死んだ魚を捕まえる練習。生きている魚は文章の中にいます。
国語の偏差値50に向けて再構築
幸い説明文はそこそこできていましたので、壊滅状態の物語を再構築する学習に移りました。
ま、結局やったのはまとめプリントなんですけど、
「空欄の隣に感情を書いてね。あと、どのくらいの感情なのかも強いか弱いかでいいから書いといて」
と追加で指示。
とくにまとめプリントの感情に関するところは、手がかりとなった部分に矢印を引かせる、と。
そんなこんなで教え始めから数回のテストでやっと偏差値50をクリア。
控え目に言ってもめちゃくちゃ喜ばれました。
プリントのおかげ?私の教えかた?
いえ、どっちも違います。プリントのために何回も一所懸命読んだからです。
「プリントを完成させる」
ゴールを明確にして自分で考えて読んだから、読むスピードも精度も上がった、それだけです。
この間、私が付き添っている時は一切問題はやりませんでした。
国語の偏差値が50から65に上がるまで
偏差値が40から50に上がり、テストでいくつかの変化がありました。
・漢字はほぼ正解 → 反復で定着できた
・最後の問題手前くらいまで行き着くようになった → 読むスピードが上がった
・記述で多少部分点をもらえるようになった → 問題文を少しは理解できるようになった
・選択肢の正解率も少し上がった → 文章を読む力は上がったが相変わらず感覚頼み
さて、偏差値60が次の目標です。偏差値60を取れるであろう目標点数を設定いたします。
ただし、基本的に何もやり方は変わりません。
漢字テストとまとめプリントの2大巨頭。まさに黒澤明と小津安二郎。
問題はやんないのか?
やりません。
問題を解く力よりも読む力をつける方が時間がかかりますし、読む力がついてないのに小手先で解き方なんか身につけるとろくなことになりません。
田村先生の技術論についても全く解説していません。解説したって小学生を混乱させるだけです。
その代わり私がまとめプリントを作るときに技術論を使ってました。
意味なく空欄作っても仕方ないですからね。
きちんとやれば読める力がつくよう工夫を凝らしたつもりです、当時は。稚拙ながらね。
段落ごとに要約して全体像の把握及び前後の繋がりを明らかにしたり(説明文)、時間・場所・人物・出来事で整理(物語)して記述するのが本当はいいんですが、それができるレベルに達していなければ他の方法を考えなければいけません。
結論がまとめプリントだったってわけ。面倒臭い。
ただ、もらってる金も少なくなかったですし、それに見合う価値を出したかっただけです。
個人的な思い入れはありません。
さて、実は中学受験の国語の読解理論は「文章読解の鉄則」という本で網羅されております。
理論を知りたいのならこの本以外を読む必要ありません。
が、内容が細かくて難しいんですよね。ついでに字も細かい。
そして、なんと国語読解の鉄則が104個もあります。
104個の鉄則を意識しながら問題文を読み、解くのは至難の業です
例えば、
「解き方」の鉄則 その四十三
比喩表現を問う問題では比喩は絶対に残してはならない。また、傍線部の説明を求める問題では傍線部の言葉を使ってはならない(傍線部に慣用句を含む場合も同様)。
引用:文章読解の鉄則 第三章 より
こういうのが104個ありますのでお腹いっぱいにはなりますが消化に悪そうです。
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