【中学受験】中受の沼・深淵事例 part.2

【中学受験】中受の沼・深淵事例 part.2

私たちは呪われた世界で生きております。

 

・・・と、冒頭から胡散臭さ百花繚乱で始めます中受の沼、深淵事例part.2でございます。

「呪われた世界」なんてとうとう頭がスパークしたか、怪しい教えを乞うたか、訝る向きもおありでしょうが実際に呪いはそこらじゅうにあります。

たとえば、離乳食は手づくりしなくちゃいけないとか、ハーネスは子どもをペット扱いしてるとか、朝早起きしなくちゃいけない、とか。

どんな世界でもこうした呪いはありますが、とりわけ子育ての世界はそんな呪いで満ち溢れております。

余談ですが、ハーネスって名前変えた方がいいと思うんですよね。「安心見守り紐」とか。ハーネスなんて名前つけるからものものしくなるんですよ。

 

さて、中学受験の世界にももちろん呪いはあります。

代表的なのは「自走の呪い」ですかね。

自走させるべきである、自走させないと自分で考える力がつかない、自走させないと中学に入学してから困ったことになる等、書籍や先生からたっぷりおどされて震え上がっている人もあろうことかと。

自走したほうがいいとは思いますが、人それぞれ状況が違います。一律に「自走だ」と言われても「うちはまだ無理」なのであれば別にこだわらなくてもいいわけです。

各ご家庭の状況に応じて考えたらいいと思いますよ。

当たり前の話ですね。

 

ところが、識者や先輩ママから色々な話を吹き込まれて、最初は「おかしな世界だな」と思っていても段々「中受とはそういう世界なんだ」と思うようになり、やがてご自分が布教し始めたりします。

 

中受の沼、深淵事例はこうした呪いが原因です。

よその家庭とは事情が違うのに、よその家庭の成功例を真似したりとか。

自分と子どもでは違う人間なのに、自分の成功体験や思い込みを押し付けたりとか。

人は人、自分は自分です。

 

たとえば、毎日朝食を食べる家庭の子どもは学力が高いといった統計があります。

参照)農林水産省 家庭での食育の推進

それを見て「うちは毎日じゃない・・・。なんてだめなんだ」と思われるかもしれません。

ディスイズ呪いです。

ご丁寧に朝のブドウ糖摂取が学力にいい影響を及ぼすとか、なんだかトンデモな理論を唱える人もいます。

実際はというと毎日朝食を食べるのが学力向上をもたらすかどうかはよく分からないんです。

参照)朝食摂取習慣の教育達成への因果関係の検証 東京大学社会科学研究所(※PDFへリンク)

 

このような呪いから解き放たれることを切に祈っております。

ゲームを取り上げる親

最近は見なくなりましたが一時期「ゲームをすると頭が悪くなる」と言う人たちがいました。

これだけに限らず、「スマホを見ていると頭が悪くなる」なんてのもあります。

 

「頭が悪くなる」話は歴史的に見ても枚挙に暇がありません。

「漫画を読んでいると頭が悪くなる」

「ビートルズを聞いていると頭が悪くなる」

「本ばかり読んでいると頭が悪くなる」

大昔は本ばかり読んでいると、ろくでなし扱いだったんです。

 

「ゲームをすると頭が悪くなる」のは結構根強くて最近でもそう思い込んでいる人もいます。

「いや、ゲーム自体じゃなくてゲームをする時間で勉強時間が取られているのさ!」

といった反論もございますが、統計を使って見事に論破されておりますよ。

参照)テレビやゲームの時間は子どもの勉強時間を奪うのか 独立行政法人経済産業研究所

上のリンク先の話は面白いのでぜひ読んでみてください。

「父親が横にいるのが最も学習効果を高くする」

だったり

「娘に勉強しなさいと母親が言うと逆に学習意欲を減退させる」

とか

「同性の親による関わりの方が効果が高い」

といったデータが紹介されております。

 

どうやら単純にゲームを取り上げたところで勉強時間は増えなさそうです。

 

とはいえゲームばかりやって全く勉強しないのも困りものです。

ですから発想を変えましてゲームとうまく共存するのがよろしいのかと。

ルールを設けるとかですね。

スマブラ一回戦3分を10セットみたいな。

 

ご経験あるかもしれませんがゲームを取り上げたところで空いた時間はテレビに費やされ、テレビを禁止すれば漫画を読み始め、漫画を禁止したら家から出ていったりします。

だいたいの物事において禁止は悪手なんですよ。

 

教訓:ゲームといい共存関係を結ぼう

しつけと受験をわけて考えられない親

小学生の机の上は非常にだらしないことになっております。

テキストが放り投げられ、ノートが散乱し、筆箱の中身がタンゴを踊っております。

「片付けろ!片付けは自分でやれ!」

ごもっともです。

 

塾のバッグの中身は更に混沌としています。

小学生はA3のプリントを半分に折らずにそのままバッグにクシャクシャと入れがちです。

バッグの中身は紙で大洪水となっています。

なぜなのか問うのは愚問です。

そういう生き物なんです

 

ところが「しつける」と整理ができるようになると思い込んでいる人たちがいます。

更に悪いのは「しつけ」ないといけないとも思っていたりします。

 

結論から言うと中学受験で使うテキスト、プリント、ノート類は一般的な小学生の整理の許容範囲を超えています

「しつけ」を否定はしませんが、それと受験は別です。割り切ったほうが楽です。

それに「しつけ」ようとするとケンカが絶えなくなってまいります。

 

教訓:中学受験に「しつけ」を持ち込まない ↓村上春樹風に

僕たちは小学生について思いつくすべての信じがたい現象を挙げていった。3時間くらい話をして、結局二人ともくたくたになって途方にくれてしまった。

「オーケイ、じゃあこれからどうしようか?」

「徹底しなくちゃ」

「徹底?」

「そう、できるようになるまで」

「それで?」

「わからない。でも私たちは親なの。やらなくちゃいけないの」

「発想を変えてみたらどうかな?そういうものだと思うんだ。きっと今よりうまくやれる」

「気分が悪くなってきたわ」

僕は冷蔵庫からよく冷えたビールを取り出した。

「大丈夫。何かをためす前はみんなそういう気持ちになる」

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