【中学受験】受験直前期の学習の成功例と失敗例 復習も見直しもまとめも不要
11月といえばまだまだ2月1日の試験まで3ヶ月。やってますか?モンハン。
おっと、それどころじゃないですか。総復習に忙しい?苦手分野を埋めるための勉強でモンハンどころじゃない?
余裕ありませんか。そりゃそうですよね。周りの大人は血眼ですからね。
でもね、あえて言いますよ。もうちょっと俯瞰して見てみませんか?机に向かうだけが能じゃありません。机から離れて、自分がどうして机に向かうのか、机に向かって何をするのかを考える穏やかな1日を過ごしてもいいんではないでしょうか。
3ヶ月を短いと感じているかもしれませんが、できることは無限大です。勉強量の話じゃありません。自分の能力を伸ばすためにできることです。冷静になって考えてみましょう。何の能力が不足していて何を身に付けるべきか考えれば、自分の実力と志望校で求められる実力を埋める努力の量はさほどではないことに気づくと思います。
周りに流されないでください。机に向かうのが大切だと思わないでください。総復習なんか糞食らえ。
問題はね、親御さん、お子さんに何の能力が足りていなくて何をすれば埋められるのか、それだけですよ。では行きましょう。
試験直前期の過ごし方 中学受験失敗時
ちょいと前にこんなのを書きました。
中学受験直前期に偏差値65〜70あった私が見事に失敗した時の話です。
で、その私が受験直前期、何をしていたと思いますか?とにかく過去問を解いていました。そして、過去問で間違えた箇所をピックアップして、その単元を復習していました。
同時に、不安で仕方がなかったので今までやった箇所の復習ノートを作り、そのノートを何度も見直して自分の知識や理解の穴を埋めるように努力していました。
模範的でしょ?
でも落ちました。HAHA!
我ながら模範的な過ごし方をしていたものだと感心してしまいます。小学生とは思えません。
ところで、中学受験合格体験記とかいうの読んだことはありますか?塾で公表しているやつ。御三家かそれに準じる中学に合格した子供と親の体験記がいっぱいウェブサイトに掲載されてますよ。今回これを書くにあたって、各塾で公表されている体験記にほぼ目を通していきましたよ。
すると、おおよその合格体験者が「過去問を擦り切れるほどやった」とのたまっております。
おーい、ここに過去問擦り切れるほどやって不合格印をことごとく押された人いますけどー!
私一人だけじゃ説得力ありませんよね。私の所属していた塾の上位クラスに所属していた人たち、みんな直前期は過去問をやっていました。
で、第一志望に受かった生徒はごく少数。
んーっとね、受験生なんてものは直前期にほとんど過去問やるものなんです。ですから受かった人も落ちた人も過去問やってる。したがって、過去問をやっていること自体が合格する秘訣とはちょいと言い難いのではないかと考えております。
私は過去問は合格のための道しるべだと信じて疑いませんが、直前期に過去問をやりまくるスタイルが根付いているのはYOSAKOIソーラン的な何かだと考えております。
試験直前期の過ごし方 大学受験成功時
試験の1日前、直前も直前でございます。この時、私何をしていたと思います?
カラオケでオールだぜぇ!いえー!好きな人が歌うKiroroの「長い間」を聴きながら、「もしかして私のことを歌っているのかな?」と妄想を膨らましてドキドキしながら幸せいっぱい。そして死ぬほど眠くてベロンベロンで試験を受けに行きました。
偏差値70ないくらいの滑り止め校でしたので、眠くてもベロンベロンでも合格いたしました。
もう少し前の話をしましょう。
12月の受験勉強
主要科目の勉強を終え、他の科目にやっと手をつけ始めました。この時にやったのはひたすら一問一答の暗記。主要科目なんてやる余裕ありませんでしたよ。分量は死ぬほどありましたが、先が見えていたので焦りはありませんでした。
1日でどのくらい覚えれば良いのか目星が付いていたからです。
参考書1冊分の暗記を1週間弱で終わらせ、苦手な暗記項目を繰り返しやりまくり、暗記した物事や法則の背景を別の参考書を使って覚えまくり、3週間で仕上げました。
1月の受験勉強
なるべく直近の過去問を1年分だけ解き、合格最低点に足りないことを把握しました。それでも焦りはありませんでしたよ。
だって、課題が見つかって、試験まで1ヶ月半で埋められる程度の課題でしたから。
過去問はパッタリと閉じて、ひたすら不足を埋めるための要素を洗い出し、不足要素を埋められるであろう参考書を買いに行き、勉強を開始いたしました。
2月の受験勉強
2月の初旬でまた過去問を解きました。
で、合格最低点を余裕で上回っておりました。
「あー、これ受かるー!超余裕!試験までこの学力を維持するためには3日に1回くらい実践問題解いておけばいいやー!」
と思い、2月は遊びまくりました。
とんだ不道徳野郎ですね。
でもね、入試のツボさえ押さえておけば不道徳だろうが、恋愛体質だろうが受かるものは受かるんです。
合格に必要なのは真面目さじゃないんです。どれだけツボを押さえ続けられるかなんです。
失敗時と成功時の違い
中学受験と大学受験という違いはありますが、入試問題の本質は同じです。違うのは目的合理的に考えることのできる思考力なわけですが、そうした力が備わっていない小学生には大人が教えてあげればいいんです。
ま、私が知る大人は塾の講師も含めてそんなこと教えてくれませんでしたがね。
受かる人と落ちる人とで決定的に違うのは合格するという目的に対する手段です。
中学受験時は「過去問をやるといい」とか「総復習をやるべき」とか「今までの見直しをすることで最後に学力が定着して一気に伸びる」とかいう言葉を自分の頭で検証せずにそのままやっておりました。
それらはあくまで手段。目的と紐づいてなきゃ何の意味もございません。
では何が目的で勉強しているのかというと、これも何度も繰り返し申し上げておりますが、「時間内に合格最低点をとる実力」を身に付けるためでございます。
大学受験時は「時間内に合格最低点をとる実力」のみをターゲットにして、それに必要な最低限の参考書を書店で吟味し、なるべく少ない手数で実力を身につけられるようにいたしました。
例えば、学校の英語の教師は桐原書店の単語と例文がセットになった参考書をすすめてきましたが、書店で吟味し却下。その代わりに誰もすすめていないような長文読解の参考書を買いました。
自分の課題と桐原の参考書が合わず、逆に誰もすすめていない参考書が自分に合っていると自分の頭で考え結論を出したからです。
つまり、失敗時と成功時の違いは自分の頭で合格を勝ち取る方法を考えるプロセスがあったかなかったかそれだけなんです。
ですから、ただ机に向かうよりも、なぜ机に向かうのか考えた方がいいし、机に向かったら何をやるのかを冷静に考えた方が良いと冒頭で申し上げたわけです。
塾の先生から言われたこと(中学受験)
ろくなこと言われませんでしたね。私、よーく覚えてますよ。こっちは落ちたら人生が終わると思ってたんですもの。30年経ってもあなた方の至言、リフレインしてますよ。
「シャープペンシルを手でくるくる回してるお前は落ちる」
「規則正しい生活を心掛けろ」
「受かろうと思う執念を最後まで持ち続けろ」
「信じて勉強し続ければ絶対に伸びる」
「やるだけやったんだ。あとは☆神様☆が見ていてくれる」
これ、戦前の話じゃないですよ。つい最近、平成におけるバラ色の根性論、精神論。まるで乃木大将のようなKIMOCHI溢れるありがたい助言ですね。
「優先順位をつけて勉強しろ」とちょっとはまともなことを言う塾の先生もいましたが、結局優先順位についての具体的な内容は教えてくれませんでした。
あえて言おう、カスであると。
具体的な方法を教えてくれない人のアドバイスくらい役に立たないものはないです。今はどうか知りませんが、塾の講師だって試験の本質を知らなかったんです。だから具体的に教えられなかった。そういう人たちが教えるのだからたまったものではない。
合格者実績は塾の通信簿であり生命線です。試験の本質とその方法を知ってたら普通は教えますよ。
不安に打ち勝つメンタル
受験直前期は精神的に不安定になる。メンタルの維持が重要。
ほっほう、また出てきましたね、KIMOCHI。
KIMOCHIをバカにすんなって?バカにしちゃいませんよ。でもね、信念とか確信なんてのは空から降ってくるようにやってくるものじゃなくて、きちんとした積み上げがあって湧き出てくるものなんです。
決して、信じたり、ハチマキ巻いたり、「合格するぞー!」って叫んでも確信なんて生まれてこないんです。
冷静に合格までの距離を把握し、埋めるための正しい努力をすること。こういったことによってしか確信も実力も生まれません。
確信を持った結果、揺るぎないメンタルが生まれる。結果を残しているスポーツ選手だってむやみに練習するだけじゃなくて、何のためにどのような訓練をするのかちゃんと考えてやってるんです。
だから本田圭佑はビッグマウスと言われても自分の主張を貫ける。その根底にあるのは確信に基づく努力です。
コツコツと確信を持った努力をすることそのものが不安に打ち勝つメンタルを育むんです。気合いでどうにかなるもんじゃありません。
それでも最後にどうにかなると言っておきたい
中学受験の時に失敗した私でも、大学受験ではおかげさまでうまくいきましたし、その後もきちんと生きてます。
むしろ、中学受験という機会を与えてくれて、人生最初の大きな失敗をさせてくれた両親に心から感謝しています。
中学受験のような大きな挑戦をさせてくれた両親に、大きな失敗から学ばせてくれた両親に、失敗しても責めずにいてくれた両親に本当に感謝の気持ちしかありません。
失敗しても成功しても子供にとっては大きな財産になります。
親御様は合格はとても大事なことだと思われているかもしれません。でも不合格になったとしても、それはとても大事なことなんです。
最後に尊敬する公文の小林恭子先生の言葉を引用して終わります。
「合格することと同じくらい価値があることは、合格しなかったことだよ。
どっちにしても 力の限り頑張った結果だからだよ」引用元 恭子先生の教室日誌 合格することと同じくらい価値があることは、合格しなかったこと
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