【私立中学】私立中高一貫校経験者による体験談 校風・先生・大学受験対策

【私立中学】私立中高一貫校経験者による体験談 校風・先生・大学受験対策

私立中学を目指す理由

私立中学を目指している理由は様々だと思います。

 

「中高一貫で落ち着いた学校生活を送らせたい」

「進学校で難関国立大学を目指させたい」

「付属校でエスカレーター式に大学に行かせたい」

「近所の中学校が荒れているから別の学校に行かせたい」

 

などなど。

 

それらの目的を否定するつもりは全くありませんが、一つだけ言えるのは、「特別な学習を施してくれる」と期待しすぎない方が良いということです。

 

学習進度が多少速く(私の学校は高3までの学習範囲を高2で終わらせていました)、通常の授業後のゼミが多少充実しているというのが学習面における数少ないメリットです。

 

入っていたら自動的にエリートになったり、難関国立大学に受かるための実力がつくということは絶対にありません。それどころか私の通っていた学校の生徒はのんびりしていて、先生は変わり者が多く、生徒の半分は浪人していました。

他の学校でも大差はありません。難関私立中学でも状況はあまり変わりません。

むしろ難関私立中学ほど放任主義で、変わった先生による趣味のような授業が展開される割合が多いように思います。

 

じゃあ私立中学に行くメリットって何なの?というと、これも私自身の経験から確信をもって言えるのですが、

「落ち着いた環境である」

というのが私立中学における唯一の利点だと思っています。

ただ我が母校では、落ち着いた環境で心身ともに落ち着いてしまい、浪人生を大量生産していました。

 

難関私立中学ではそうでもない?いえいえ、難関私立中学として有名な麻布中学の生徒は半分くらいが浪人するそうですよ。

 

生徒や親の志向にある程度の同質性があることが落ち着いた環境である理由です。とびぬけて反社会的な生徒も親もいませんし、基本的には「勉強は大事」と思っている(やるかどうかは別)生徒が集まってきます。

廊下をバイクで走る生徒がいて勉強できないとか、暴力の限界を超えたような先輩に呼び出されて鼓膜が破れるまで殴られたとかいう話はついぞ聞きません。

 

多少とんがっている生徒はもちろんいますよ。ただ、とんがり方がマイルドです。

私立中学にもとんがった生徒はいるゾ

私の通っていた私立中学でとんがっているというのは以下のようなレベル感でした。

 

・長髪でバンドを組んでいる

・シャツを第2ボタンまであけて学帽を被ってこない

・白いシャツの下は赤か黒のTシャツである

・1996年当時の久保田利伸の髪型を真似している(サイドを刈り上げてトップは髪を長く残して後ろで結ぶ髪型)

・学校帰りにコンビニに立ち寄る(コンビニへの立ち寄りは禁止されていましたので)

・シャツをズボンに入れていない

・昭和第一高のセカンドバッグを持っている

・ムラサキスポーツのビニール袋に体操着を入れている

 

上記のうち2つでも該当したらとんがってますね。3つ該当していたら学年の注目の的。4つ該当していたら完全な悪党です。

 

このように、ある程度の同質性が担保されていることでとんがっていてもマイルド。大半の生徒はコンビニにも立ち寄らないし、髪を真ん中分けにしてきたら「おしゃれなやつ」扱いされる環境でした。

 

これにより、のんびり落ち着いて生活することができる、つまり安心できる環境でした。これってすごいメリットだと思います。少なくとも私は私立中学に入れてくれた親に感謝しています。

「どこに落ちたか」をおかずにご飯3杯

通っていた私立中学は中高一貫の進学校、つまり付属ではありませんでした。偏差値は60くらい。基本的に第一志望で入ってくる生徒はいなくて、大半の生徒が御三家レベルの中学に落ちてしぶしぶ来ています。

 

中学入学後1か月くらいは「どこに落ちたのか」という話題で盛り上がります。

病気自慢の高齢者と同じような心理状態ですね。

 

それでも落ち武者たちの集会には悲壮感はありません。変な連帯感が生まれてましたね。

青びょうたんばかりでもない

学校の雰囲気や生徒の質という意味では、小学校の時とさほどの違いは感じませんでした。

 

勉強ばかりしてきてスポーツのできない生徒が青白い顔で鋭い眼光を光らせているということもありません。

学習進度を加速すべくいばらの鞭を振るう先生もいませんでした。

華麗な授業で目から鱗が落ちることもありませんでした。

普通の雰囲気が卒業まで続く

雰囲気はいたって普通。

学年が進んでもこの普通の雰囲気は変わりません。

 

この話を公立中学に通っていた私の兄弟にすると結構驚かれました。中学に入学してきたときは普通だった生徒が学年が進むうちに急にスーパーサイヤ人に変身していたり、そのスーパーサイヤ人達が徒党を組んで教室が惑星ベジータのようになってしまうのだそうです。

 

多分、この普通さをずっと維持しているところが私立中学ならではなのでしょう。家庭の影響も大きいのだと感じます。常識的で、とんがらず、世間の一般的な感覚を備えた家庭の生徒達だからこそ普通でいられるのだと思います。

 

ちなみに高3になっても基本的にのんびりしているのが困りもの。だから半数近くが浪人します

学習について

中学のうちの学習進度は、中学3年生で多少高校1年生の内容をかじる程度です。高校になってからは少しだけ進度が速くなって高2で高校生の学習を終えます。

すごい授業があったかって?ないですよ。

ある意味ですごい先生はいっぱいいましたけどね。

 

高3になると授業がゼミが開講され、変わり者の先生たちがゼミと称して趣味の世界を繰り広げてました。

「1年の浪人くらいどうってこたない」

と耳を疑うようなことを言う先生もいましたよ。

 

素晴らしいじゃないですか。なかなか言えませんよ。大学受験を控えた高校3年生に。

先生たちはどうなのか

先生は枯れた感じが半分くらい、1/4は個性溢れており、残りの1/4が普通の先生。

 

枯れた感じの先生は一方的に授業を進める方が多かったです。教室に入るなり、生徒の方を一瞥もせず黒板に向かってブツブツ独り言を言いながら、書きまくった後で振り返ることもなく授業を終える先生とか。

 

個性溢れた先生がたの授業はほぼ雑談でしたね。試験前の1回の授業で「集中授業を行う!」と宣言して試験内容をばらすかばらさないかのギリギリのところを突く先生。

宇宙人は既に地球に来ていて、大手石油資本と手を組み地球征服を行なっているというありがたいお話を聞かせてくれる先生とか。

 

普通の先生は普通に授業をします。

そこそこの進学校ではあると思うのですが授業はそんなものです。

大学受験はどうなのか

さて、大学受験においては半分近くの生徒が浪人して予備校で心を入れ替え、翌年そこそこの大学に受かります。

え?と思われるかもしれませんのでもう一度言います。半分近くの生徒が浪人します

 

何となく大学に行ける気になっていたけども、大学に入れない厳しい現実を突きつけられて初めて現実の厳しさを知る生徒の多いこと。

 

何のための進学校なの?そう思われるかもしれません。大事なことを言いましょう。学校は何もしてくれません

 

当たり前です。やる気スイッチは自分しか押せませんよ。やる気が出なければ志望の大学に受かるわけありません。

 

勉強するかどうかは自分の問題に決まっているじゃないですか。それとも鞭で叩いて勉強を強要する方がいいのですかね。

 

少なくとも私の通っていた私立のメリットは、落ち着いた自由な環境である、というだけですが、それだけで十分だと思いませんか?それに加えて高3のときはゼミをやってるんです。これ以上学校は何を提供しなくてはいけないのでしょうか?

現在の母校

どうやらゼミが必須になったとか、学習指導に力を入れているとかいう良からぬ噂を聞きましたので、合格実績を見てみましたが、私のときと大して変わりないです。ただ、何となく中堅以下の私立が増えたような気がします。手頃なところに入れて現役合格率を水増しする作戦に出たのかもしれません。

 

時代の趨勢なのでしょう。

 

きれいな校舎や考え抜かれた学習指導計画は確かに魅力的かもしれません。学校に求めるものが変わってきたということかもしれません。

私としては学校が学習に力を入れようが、スポーツに力を入れようが、道徳教育に力を入れようが何でもよいと思います。それよりも親御様が子供たちに何を経験して欲しいのか、どんな環境にいて欲しいのか考えておくことが重要だと思います。

いい大学に入るとか、日本代表に選ばれるとか、素晴らしい心が育まれて教祖になったとかいうのは結果です。結果を直接左右することはできません。

 

歩んでほしい過程を最もかなえてくれる可能性がある学校を志向し、あとはどうとでもなれとでも考えておくとがっかりしなくて済むかもしれません。

 

少なくともある程度以上の私立中学は落ち着いた環境を提供してくれます。それって素晴らしいことだと思います。それだけでも私立中学に行くメリットは十分にあるはずです。

 

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